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公開番号2024106994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2024069577
出願日2024-04-23
発明の名称Sb含有量を低減した三酸化モリブデンの製造方法
出願人JX金属株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C01G 39/00 20060101AFI20240801BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、Sb含有量を低減した三酸化モリブデンの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】モリブデン化合物又はこれらの水和物からなる原料と、塩素、塩化水素又は塩化物とを混合する工程と、得られた混合物を70℃以上で加熱する工程、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。また、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩化アンモニウムとを混合する工程と、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
モリブデン化合物又はこれらの水和物からなる原料と、塩素、塩化水素又は塩化物とを混合する工程と、得られた混合物を70℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩化アンモニウムとを混合する工程と、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項3】
三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩化アンモニウムを含む水溶液とを混合する工程と、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項4】
三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、アンモニア水を混合した後、塩酸を混合し、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項5】
三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩酸を混合した後、アンモニウム水を混合し、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項6】
製造される三酸化モリブデン中のSb含有量が、原料に含まれるSb含有量に対して、重量比で1/3以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項7】
製造される三酸化モリブデン中のS含有量が、原料に含まれるS含有量に対して、重量比で1/2以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項8】
製造される三酸化モリブデン中のSb含有量が0.2重量ppm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
【請求項9】
製造される三酸化モリブデン中のS含有量が0.1重量ppm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の三酸化モリブデンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Sb含有量を低減した三酸化モリブデンの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
モリブデン(Mo)は、電気抵抗率が低く、化学的に安定であることから、大規模集積回路(LSI)におけるコンタクトプラグ、配線、半導体メモリなどにおけるワードライン、あるいは配線下の拡散バリア層など、電子デバイス材料としての使用が期待されている。
例えば、モリブデンまたはその化合物からなる層は、モリブデンを含有する化合物を前駆体として蒸発気化させ、これを基板表面で分解、反応させて、薄膜を形成する化学気相堆積法(CVD)を用いて形成される。近年では、高アスペクト比の凹部に均一にモリブデン層を形成するために、原子層堆積法(ALD)を用いて、モリブデンの薄い層を形成し、その後、CVDやメッキなどによって厚い層を形成する技術も併用されている。
【0003】
CVDやALDを用いてモリブデンまたはその化合物からなる層を形成する場合、塩素と酸化モリブデンとの化合物であるモリブデンオキシクロライドを前駆体として使用する。
モリブデンオキシクロライドは、酸化モリブデンを塩素ガスで塩化して合成することが一般的である。原料として使用される酸化モリブデンは高純度品が使用される。高純度のモリブデンまたは酸化モリブデンの製造方法として、例えば、特許文献1~4が挙げられる。これら特許文献には、三酸化モリブデンをアンモニア水で溶解し、不純物元素を析出させて分離した後、酸を用いてモリブデン酸アンモニウムを晶析し、これを焙焼することにより、高純度の三酸化モリブデン(酸化モリブデン)を製造することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公平6-10090号公報
特開平2-141507号公報
特公平5-64683号公報
特公平3-7607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CVDやALD用前駆体として使用されるモリブデンオキシクロライドは、三酸化モリブデンなどの酸化モリブデンを塩素ガスで塩化して合成される。前駆体であるモリブデンオキシクロライドの純度を高めるためには、原料である酸化モリブデンを精製する必要がある。従来は、三酸化モリブデン原料をアンモニア水で溶解し、これを濾過して固体不純物を除去した後、硝酸を加えてモリブデン酸アンモニウムを析出させ、これを焙焼することで三酸化モリブデンを製造することが行われていた。
【0006】
しかし、この方法によって得られる三酸化モリブデンは、不純物であるアンチモン(Sb)を低減させることが困難、あるいは低減効果が低く、Sb含有量を低減させるために精製を繰り返す必要があり、精製コストが上昇するという問題があった。このような問題に鑑み、本開示はSb含有量を低減することができる三酸化モリブデンの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は、以下のものを含む。
[1] モリブデン化合物又はこれらの水和物からなる原料と、塩素、塩化水素又は塩化物とを混合する工程と、得られた混合物を70℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
[2] 三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩化アンモニウムとを混合する工程と、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
[3] 三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、塩化アンモニウムを含む水溶液とを混合する工程と、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程と、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
[4] 三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、アンモニア水を混合した後、塩酸を混合し、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
[5] 三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム又はこれらの水和物からなる原料と、
塩酸を混合した後、アンモニウム水を混合し、得られた混合物を180℃以上で加熱する工程、を含む、三酸化モリブデンの製造方法。
[6] 製造される三酸化モリブデン中のSb含有量が、原料に含まれるSb含有量に対して、重量比で1/3以下である、上記[1]~[5]のいずれか一に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
[7] 製造される三酸化モリブデン中のS含有量が、原料に含まれるS含有量に対して、重量比で1/2以下である、上記[1]~[6]のいずれか一に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
[8] 製造される三酸化モリブデン中のSb含有量が0.2重量ppm以下である、[1]~[7]いずれか一に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
[9] 製造される三酸化モリブデン中のS含有量が0.1重量ppm以下である、[1]~[8]のいずれか一に記載の三酸化モリブデンの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、Sb含有量を低減した三酸化モリブデンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
三酸化アンチモン(Sb



)と塩化水素(HCl)の混合物からなる系を0℃から500℃まで加熱した場合の熱力学平衡計算結果(縦軸はlog
10
(gram)である)を示す図である。
金属アンチモン(Sb)と塩化水素(HCl)の混合物からなる系を0℃から500℃まで加熱した場合の熱力学平衡計算結果(縦軸はlog
10
(gram)である)を示す図である。
三酸化アンチモン(Sb



)と塩化アンモニウム(NH

Cl)の混合物からなる系を0℃から500℃まで加熱した場合の熱力学平衡計算結果(縦軸はlog
10
(gram)である)を示す図である。
金属アンチモン(Sb)と塩化アンモニウム(NH

Cl)の混合物からなる系を0℃から500℃まで加熱した場合の熱力学平衡計算結果(縦軸はlog
10
(gram)である)を示す図である。
本開示の製造方法により得られた三酸化モリブデンのXRDパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
[原料について]
三酸化モリブデン(MoO

)、モリブデン酸アンモニウム((NH

)Mo


24
)、若しくは、その他のモリブデン化合物、又は、これらの水和物からなる原料を用いる。不純物の少ない原料を用いることが好ましく、純度が90重量%以上、99重量%以上、99.9重量%以上の原料を使用することが好ましい。本開示によれば、高純度の原料を用いる場合においても、従来の方法では除去することが困難、あるいは、除去効果の低いSb含有量を大幅に低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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