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公開番号2024106625
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023010990
出願日2023-01-27
発明の名称水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類F17C 11/00 20060101AFI20240801BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】水素吸蔵合金を用いた水素圧縮システムの設計に好適な水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法を提供する。
【解決手段】設計支援装置1は、入力部11、記憶部12、演算部13及び出力部14を有している。入力部11は、水素圧縮システムの各部に存在する水素の量を算出するために必要なパラメータセットのうち、いずれか1つのパラメータを出力パラメータとして指定すると共に、残りのパラメータを入力パラメータとして入力可能に構成されている。演算部は、記憶部12に保持された入力パラメータに基づいて、水素吸蔵合金に水素が吸蔵された吸蔵状態において前記各部に存在する水素の量の合計と、水素吸蔵合金から水素が放出された放出状態において前記各部に存在する水素の量の合計とが等しくなるような出力パラメータを算出可能に構成されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵部と、水素を貯蔵可能に構成された水素タンクと、前記水素吸蔵部と前記水素タンクとを接続する水素配管と、前記水素配管に接続された水素ポートと、を備えた水素圧縮システムの設計に用いられる水素圧縮システムの設計支援装置であって、
前記設計支援装置は、ユーザにより、前記水素吸蔵部において前記水素吸蔵合金が吸蔵可能な水素の量と、前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵した吸蔵状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素吸蔵合金から水素が放出された放出状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素配管の容積と、前記水素タンクの容積と、前記吸蔵状態における前記水素圧縮システムの各部の温度及び圧力と、前記放出状態における前記各部の温度及び圧力と、を含むパラメータセットのうち、いずれか1つのパラメータを出力パラメータとして指定すると共に、残りのパラメータを入力パラメータとして入力することができるように構成された入力部と、
前記入力部から入力された情報を保持することができるように構成された記憶部と、
前記記憶部に保持された前記入力パラメータに基づいて、前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおいて前記各部に存在する水素の量を算出し、その後、前記吸蔵状態において前記各部に存在する水素の量の合計と、前記放出状態において前記各部に存在する水素の量の合計とが等しくなるような前記出力パラメータを算出することができるように構成された演算部と、
前記出力パラメータを出力することができるように構成された出力部と、を有している、水素圧縮システムの設計支援装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記出力パラメータが前記水素タンクの容積である、請求項1に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項3】
前記出力パラメータが、前記放出状態における前記水素タンクの圧力である、請求項1に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記出力パラメータとして算出した前記放出状態における前記水素タンクの圧力を、次回の前記出力パラメータの算出における前記吸蔵状態の前記水素タンクの圧力として入力し、前記出力パラメータの算出を繰り返し行うことにより、水素の圧縮を繰り返し行った場合における前記水素タンクの圧力の変動を算出することができるように構成されている、請求項3に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項5】
前記入力部は、水素が前記水素ポートを通過するポート通過時間を入力することができるように構成されており、前記演算部は、複数回の前記出力パラメータの算出のうちいずれかの回の計算において算出される、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際に水素が流入する部分における前記放出状態での水素の量の合計と、当該計算の次回の計算において算出される、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際に水素が流入する部分における前記吸蔵状態での水素の量の合計と、前記ポート通過時間とに基づいて、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際に前記水素ポートを通過する水素の平均流量を算出することができるように構成されている、請求項4のいずれか1項に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項6】
前記記憶部には、予め、温度と、圧力と、これらの温度及び圧力に対応する水素の密度とからなる複数のレコードを備えた水素密度データベースが保持されており、前記演算部は、前記入力パラメータと、前記水素密度データベースに保持された水素の密度とを用いて前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおいて前記各部に存在する水素の量を算出することができるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項7】
前記入力部は、さらに、前記水素吸蔵部の総容積と、前記放出状態において前記水素吸蔵部内に存在する前記水素吸蔵合金の体積分率と、前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際の前記水素吸蔵合金の体積膨張率と、を入力することができるように構成されており、前記演算部は、これらのパラメータに基づいて算出した、前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおける前記水素吸蔵部の有効容積を前記入力パラメータとして用いることができるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項8】
前記入力部は、さらに、水素が前記水素配管を通過する配管通過時間を入力することができるように構成されており、前記演算部は、前記吸蔵状態の前記水素タンク内に存在する水素の量と、前記放出状態の前記水素タンク内に存在する水素の量と、前記配管通過時間とに基づいて、前記水素吸蔵合金から水素を放出させる際における、前記水素タンク内に流入する水素の平均流量を算出することができるように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の水素圧縮システムの設計支援装置。
【請求項9】
水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵部と、水素を貯蔵可能に構成された水素タンクと、前記水素吸蔵部と前記水素タンクとを接続する水素配管と、前記水素配管に接続された水素ポートと、を備えた水素圧縮システムの設計に用いられる水素圧縮システムの設計支援方法であって、
前記水素吸蔵部において前記水素吸蔵合金が吸蔵可能な水素の量と、前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵した吸蔵状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素吸蔵合金から水素が放出された放出状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素配管の容積と、前記水素タンクの容積と、前記吸蔵状態における前記水素圧縮システムの各部の温度及び圧力と、前記放出状態における前記各部の温度及び圧力と、を含むパラメータセットのうち、いずれか1つのパラメータを出力パラメータとして指定するとともに、残りのパラメータを入力パラメータとして指定するパラメータ入力ステップと、
前記入力パラメータを用い、前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおいて前記各部に存在する水素の量を算出する水素量算出ステップと、
前記吸蔵状態において前記各部に存在する水素の量の合計と、前記放出状態において前記各部に存在する水素の量の合計とが等しくなるような前記出力パラメータを算出する出力パラメータ算出ステップと、を有する、水素圧縮システムの設計支援方法。
【請求項10】
前記パラメータ入力ステップにおいて、前記水素タンクの容積を前記出力パラメータに指定する、請求項9に記載の水素圧縮システムの設計支援方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の使用による環境負荷が懸念されており、より環境負荷の低い水素をエネルギー源として利用することが検討されている。しかし、水素は常温、常圧の環境下で気体であり、密度が低いため、タンクへの貯蔵や燃料等としての利用の際に水素を大気圧よりも高い圧力まで昇圧させる必要がある。
【0003】
水素の昇圧には、一般的には機械式の圧縮機が用いられている。一方、水素の吸蔵と放出とを可逆的に行うことができる水素吸蔵合金を利用して水素の昇圧を行う方法が提案されている。例えば特許文献1には、水素吸蔵合金を収容すると共にこの水素吸蔵合金を加熱及び冷却可能に構成され、使用圧力が異なる複数の貯蔵容器と、高圧の水素ガスを貯留可能な蓄圧器とを備えた水素昇圧システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-19884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の水素昇圧システムにおいては、水素吸蔵合金を冷却して低温に保持した状態で水素を吸蔵させた後、水素吸蔵合金を加熱して水素を放出させる操作を繰り返し行うことによって水素ガスの圧力を上昇させる。このような圧縮動作は、機械式の圧縮機を用いて水素を圧縮する場合とは全く異なるため、水素吸蔵合金を利用した水素昇圧システムの設計は、機械式の圧縮機を用いる場合とは異なる方法で行う必要がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、水素吸蔵合金を用いた水素圧縮システムの設計に好適な水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵部と、水素を貯蔵可能に構成された水素タンクと、前記水素吸蔵部と前記水素タンクとを接続する水素配管と、前記水素配管に接続された水素ポートと、を備えた水素圧縮システムの設計に用いられる水素圧縮システムの設計支援装置であって、
前記設計支援装置は、ユーザにより、前記水素吸蔵部において前記水素吸蔵合金が吸蔵可能な水素の量と、前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵した吸蔵状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素吸蔵合金から水素が放出された放出状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素配管の容積と、前記水素タンクの容積と、前記吸蔵状態における前記水素圧縮システムの各部の温度及び圧力と、前記放出状態における前記各部の温度及び圧力と、を含むパラメータセットのうち、いずれか1つのパラメータを出力パラメータとして指定すると共に、残りのパラメータを入力パラメータとして入力することができるように構成された入力部と、
前記入力部から入力された情報を保持することができるように構成された記憶部と、
前記記憶部に保持された前記入力パラメータに基づいて、前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおいて前記各部に存在する水素の量を算出し、その後、前記吸蔵状態において前記各部に存在する水素の量の合計と、前記放出状態において前記各部に存在する水素の量の合計とが等しくなるような前記出力パラメータを算出することができるように構成された演算部と、
前記出力パラメータを出力することができるように構成された出力部と、を有している、水素圧縮システムの設計支援装置にある。
【0008】
本発明の他の態様は、水素吸蔵合金を備えた水素吸蔵部と、水素を貯蔵可能に構成された水素タンクと、前記水素吸蔵部と前記水素タンクとを接続する水素配管と、前記水素配管に接続された水素ポートと、を備えた水素圧縮システムの設計に用いられる水素圧縮システムの設計支援方法であって、
前記水素吸蔵部において前記水素吸蔵合金が吸蔵可能な水素の量と、前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵した吸蔵状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素吸蔵合金から水素が放出された放出状態における前記水素吸蔵部の有効容積と、前記水素配管の容積と、前記水素タンクの容積と、前記吸蔵状態における前記水素圧縮システムの各部の温度及び圧力と、前記放出状態における前記各部の温度及び圧力と、を含むパラメータセットのうち、いずれか1つのパラメータを出力パラメータとして指定するとともに、残りのパラメータを入力パラメータとして指定するパラメータ入力ステップと、
前記入力パラメータを用い、前記吸蔵状態及び前記放出状態のそれぞれにおいて前記各部に存在する水素の量を算出する水素量算出ステップと、
前記吸蔵状態において前記各部に存在する水素の量の合計と、前記放出状態において前記各部に存在する水素の量の合計とが等しくなるような前記出力パラメータを算出する出力パラメータ算出ステップと、を有する、水素圧縮システムの設計支援方法にある。
【発明の効果】
【0009】
水素吸蔵合金を用いた水素圧縮システムを用いて水素を圧縮する場合、吸蔵状態において水素圧縮システム内に存在する水素の量と、放出状態において水素圧縮システム内に存在する水素の量とが等しくなる。前記水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法は、このような水素の量に関する制約を束縛条件として利用することにより、前記入力パラメータに基づいて、入力パラメータに対して矛盾のない出力パラメータを算出することができる。このようにして算出した出力パラメータと入力パラメータとからなるパラメータセットを検討することにより、かかるパラメータセットから導かれる水素圧縮システムの実現可能性や、想定される性能の評価等を行うことができる。
【0010】
以上のごとく、上記態様によれば、水素吸蔵合金を用いた水素圧縮システムの設計に好適な水素圧縮システムの設計支援装置及び設計支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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