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公開番号2024105048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-06
出願番号2023009576
出願日2023-01-25
発明の名称古紙の蒸解方法
出願人新橋製紙株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D21C 5/02 20060101AFI20240730BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】古紙をパルプ化する際に、工程の短縮による効率化と、コスト面や供給面の不安解消と、環境負荷の低減と、作業上の安全性の確保と、の各条件を全て満たすことが可能な方法を提供する。
【解決手段】古紙をパルプ化する古紙の蒸解方法であって、地球釜1に古紙2,水3,水酸化ナトリウム4およびpH12以上のアルカリ性電解水5を投入し、前記地球釜1の内容物を加熱しつつ攪拌する工程からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
古紙をパルプ化する古紙の蒸解方法であって、
地球釜に古紙,水,水酸化ナトリウムおよびpH12以上のアルカリ性電解水を投入し、前記地球釜の内容物を加熱しつつ攪拌する工程からなる、
ことを特徴とする古紙の蒸解方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記アルカリ性電解水は、炭酸カリウムを添加した水を電気分解して得た、水素イオン指数がpH12~pH12.5で、酸化還元電位が-850mV以下のアルカリ性電解水であることを特徴とする請求項1記載の古紙の蒸解方法。
【請求項3】
前記アルカリ性電解水の添加量は、前記古紙の重量の0.5~2.0%であることを特徴とする請求項1記載の古紙の蒸解方法。
【請求項4】
前記工程において界面活性剤を使用しないことを特徴とする請求項1記載の古紙の蒸解方法。
【請求項5】
前記地球釜は、開口部が形成された球状で中空の本体と、前記開口部を開閉する蓋と、前記本体内に蒸気を導入する蒸気導入口と、前記本体を回転させる動力源と、を有し、
前記本体内に蒸気を導入するとともに前記本体を回転させることで内容物を加熱しつつ攪拌して、前記古紙の蒸解を行うものであることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の古紙の蒸解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙を原料として、例えばトイレットペーパーなどの製造用の古紙パルプを得るための蒸解方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
日本国内において、使用済みの紙は古紙として積極的にリサイクルがされており、回収された古紙は所定の手順でパルプに分解された後、得られた古紙パルプはトイレットペーパーや新聞、雑誌など、様々な紙製品として再利用されている。
【0003】
古紙のパルプ化については様々な方法があり、例えば、特開平11-158788号公報(特許文献1)に開示されたようなパルパーによる離解処理を用いるものが広く採用されているほか、地球釜による蒸解処理を用いるものや、平釜による蒸煮処理を用いるものが知られている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に示したパルパーによる離解処理を用いるものは、パルパーによる離解工程とは別途に、インクを分離する脱墨工程が必要となるため、全体の工程が完了するまでに時間を要するほか、使用する装置もそれぞれの工程ごとに用意する必要があり、不便であった。
【0005】
一方、例えば、特開昭61-194289号公報(特許文献2)に示された発明のように、高温加圧可能かつ回転可能な地球釜による蒸解処理を用いる場合は、単一の装置内で熱・圧力・回転によってパルプの離解を行いつつ脱墨も行うことが出来るため、工程を短縮することが可能な利点を有する。
【0006】
蒸解処理における添加剤として、古紙のほぐれを促進するためのアルカリ剤と、古紙の漂白を行うための還元剤とをそれぞれ使用することが知られており、前記特許文献2に記載の発明では、アルカリ剤として水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を、還元剤として亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)または二酸化チオ尿素を用いるものである。なお、その他使用されるアルカリ剤としては例えばソーダ灰(炭酸ナトリウム)が、還元剤としては例えば亜硫酸ナトリウムが知られている。
【0007】
このように、蒸解処理において還元剤を添加することによって、製造される紙に着色された繊維が残留することによって白色度の低下またはバラつきが発生するという不具合を回避することが可能であることが知られている。より詳細には、還元剤は酸化還元電位がマイナスであること、すなわち還元反応によって着色古紙の色の減退効果を図るとともに、得られる古紙パルプの色調が変化し、白色度の向上とは別に、見かけの白さも向上するという効果も得られる。
【0008】
亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、二酸化チオ尿素は、この順に上述の効果が高まるが、価格も同様にこの順に高額となるため、コスト面の問題があった。
【0009】
供給面においても、ハイドロサルファイトナトリウムや二酸化チオ尿素は輸入品を使用することが多く、価格変動や安定供給についての不安が常につきまとう。
【0010】
また、亜硫酸ナトリウム(Na
2
SO
3
)、ハイドロサルファイトナトリウム(Na
2

2

4
)、二酸化チオ尿素(CH
4

2

2
S)はいずれもその化学構造内に硫黄を含むため、蒸解工程由来の硫酸イオンが発生する。発生した硫酸イオンは、例えば鋼などの金属類を用いた製造設備に対して腐食を生じさせる恐れがあるほか、排水に残留する場合、排水管やコンクリートの腐食を生じさせる恐れもある。希釈のために大量の水を使用する場合、環境負荷への影響がある。
(【0011】以降は省略されています)

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