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公開番号2024104096
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-02
出願番号2023008143
出願日2023-01-23
発明の名称窒化アルミニウム粉末の製造方法
出願人日本軽金属株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 21/072 20060101AFI20240726BHJP(無機化学)
要約【課題】品質にばらつきの無い塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末を用いる窒化アルミニウム粉末の製造方法を提供すること。
【解決手段】無水塩化アルミニウムと構造中に炭素-炭素結合を含まない有機アミン化合物を、粉砕混合装置を用いて粉砕混合して、BET値が4.0m2/g以上の塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末を形成する焼成前駆体生成工程、前記生成された焼成前駆体を非酸化性雰囲気下で、焼成温度800~1200℃で焼成する焼成工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無水塩化アルミニウムと構造中に炭素-炭素結合を含まない有機アミン化合物を、粉砕混合装置を用いて粉砕混合して、BET値が4.0m

/g以上の塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末を形成する焼成前駆体生成工程、
前記生成された焼成前駆体を非酸化性雰囲気下で、焼成温度800~1200℃で焼成する焼成工程
を含むことを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記有機アミン化合物が、メラミン、シアヌル酸、シアナミド、メチルアミン、尿素、ヘキサメチレンテトラミン、グアニジン若しくはシアノグアニジンから選ばれる請求項1に記載の窒化アルミニウム粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム粉末の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の高集積化、高出力化に伴い、放熱材料に対する高性能化が望まれている。こうしたニーズに合致する素材として窒化アルミニウムが注目されている。窒化アルミニウムは、熱伝導性、絶縁性、熱膨張率において優れた性能を示す素材であることから、静電チャック等の半導体製造装置用部品、LED放熱基板、放熱フィラー等としての用途が検討されている。使われる窒化アルミニウム原料は絶縁性を付与するために、導電性を示す不純物を含まないことが望ましい。
【0003】
窒化アルミニウムの従来の製造方法で主なものとして炭素還元窒化法が知られているが、これはアルミナ粉末と活性炭を混合し、窒素またはアンモニア雰囲気下で、1500℃以上の高温加熱が必要であり、製造設備費の増大などが問題となっている。特許文献1には、無水塩化アルミニウムと有機アミン化合物から得られる塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末を用いる方法が提案されている。この錯体粉末を焼成前駆体とすると、1200℃以下という比較的低温で焼成することが可能であり、粒子径の揃った窒化アルミニウム粉末が得られることが記載されている。
【0004】
特許文献1に記載される窒化アルミニウムの前駆体である塩化アルミニウム-有機アミン錯体は、原料となる無水塩化アルミニウムと有機アミン化合物を、溶媒の存在下または非存在下で混合することで合成されるが、合成条件によって得られる錯体粉末の品質が変化し、焼成された窒化アルミニウム粉末の品質にばらつきが出る問題があった。通常、焼成工程で得られた窒化アルミニウムは不純物として炭素を少量含んでいるが、この炭素量にばらつきがあることがわかった。焼成工程では、錯体の有機アミン部分は熱分解の過程で揮発分となって除去されるが、この一部が炭化して窒化アルミニウム中に残存する。これまでの検討で、塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末の品質によって、焼成工程後の窒化アルミニウム中に含まれる不純物炭素の量が変化することがわかった。
【0005】
この錯体調製法を精査したところ、デカン、メチルシクロヘキサンのような鎖状および環状の脂肪族炭化水素を溶媒または分散剤として用いた場合は、無水塩化アルミニウムおよび有機アミン化合物の溶解度が低く、スラリー状態で反応が進行する。得られる塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末の外観は同様であるものの、両原料の粒子径、撹拌の度合等が異なると、得られた錯体粉末を焼成した後の窒化アルミニウム中に含まれる不純物炭素の量が大きく変わることがわかった。撹拌を効率よく行うことで良好な錯体を合成することは可能であるが、特に有機アミン化合物も固体である場合は錯体形成を安定して進行させることが難しく、スケールアップは困難であった。またアセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル系溶媒では無水塩化アルミニウムは溶液として混合できるものの、溶液濃度が高い場合は生成する錯体が析出し、反応液全体の粘性が高くなり、撹拌が困難となり、生成する錯体が不均一となってしまうことがわかった。逆に溶液濃度が低い場合は撹拌が容易で効率よく混合されるが、得られた錯体の焼成結果が安定しなかった。理由は不明であるが、得られた錯体が溶媒を含んだ複雑な錯体となったことが原因と考えている。
【0006】
無溶媒法では無水塩化アルミニウムおよび有機アミン化合物を乳鉢等で粉砕混合するが、たとえ粒径の小さい微粉末を用いても再現よく均一に両原料を混合することは難しく、良好な錯体が得られない場合が多かった。
【0007】
このように得られる塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末の品質が悪い場合は、その後の焼成工程で窒化アルミニウム中の不純物量が増加してしまうため、不純物の少ない窒化アルミニウムを与える再現性のよい塩化アルミニウム-有機アミン錯体を合成することが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-142975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のように、特許文献1に記載の錯体調製法では安定して良好な塩化アルミニウム-有機アミン錯体が得られず、焼成条件を工夫しても安定して良好な窒化アルミニウムが得られないことが問題となっていた。特に原料として用いる無水塩化アルミニウムまたは有機アミン化合物の粒子径が大きい場合は、反応時間を延長しても得られる前駆体である塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末の品質向上は難しいことがわかっている。このため、品質にばらつきの無い塩化アルミニウム-有機アミン錯体粉末を用いる窒化アルミニウム粉末の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記の問題点について鋭意検討した結果、無水塩化アルミニウムと有機アミン化合物を粉砕混合装置中で粉砕混合することで、品質にばらつきの無い塩化アルミニウム-有機アミン錯体の粉末が再現良く得られることを見出し、この錯体粉末を焼成することにより、安定して良好な窒化アルミニウム粉末が得られる本発明の製造方法の完成に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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