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公開番号2024103691
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024089913,2020129226
出願日2024-06-03,2020-07-30
発明の名称充填用ポリオール液剤、充填用ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08G 18/08 20060101AFI20240725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】構造体の空洞部に充填する際の充填性に優れることで、場所により密度のバラつきの少ないポリウレタンフォームを形成でき、かつポリオールとポリイソシアネートとの反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームを得られるポリオール液剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ポリオール、触媒、及びフィラーを含有し、前記触媒の含有量が0.3~5質量%である充填用ポリオール液剤である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオール、触媒、及びフィラーを含有し、前記触媒の含有量が0.3~5質量%である充填用ポリオール液剤。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
さらに発泡剤を含有する、請求項1に記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項3】
前記ポリオールが、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項4】
前記触媒が、樹脂化触媒及び三量化触媒を含む、請求項1~3のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項5】
前記フィラーが固形難燃剤を含む、請求項1~4のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項6】
さらに整泡剤を含有する、請求項1~5のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項7】
さらに沈降抑制剤を含有する、請求項1~6のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項8】
前記ポリオール液剤中の発泡剤以外の混合成分の25℃における粘度が、3000mPa・s以上60000mPa・s以下である、請求項1~7のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のポリオール液剤、及びポリイソシアネート液剤を含む充填用ポリウレタン組成物。
【請求項10】
イソシアネートインデックスが200~600である、請求項9に記載の充填用ポリウレタン組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、充填用ポリオール液剤、該ポリオール液剤を含む充填用ポリウレタン組成物、及び該ポリウレタン組成物により形成されるポリウレタンフォームに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリウレタンフォームは、自動車などの車両、建具などにおいて断熱材として使用されている。一般に、ポリウレタンフォームは別々の容器に充填されたポリオール液剤とポリイソシアネート液剤を吐出し混合することにより形成される。
ポリオール液剤には、形成されるポリウレタンフォームに難燃性を付与するために、固形難燃剤などのフィラーを含有させることが知られている。例えば特許文献1では、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、および難燃剤を含有し、ポリオール100重量部に対する前記触媒の量が10重量部~56重量部である、吹き付け塗装用のポリオール組成物(ポリオール液剤)に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-100404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した、吹き付け塗装用のポリオール液剤は、現場で補修することなどを目的にして、ポリイソシアネート液剤と共に建具などの構造体表面に吹き付けることで、ポリウレタンフォームを形成する目的で使用される。そのため、吹付後の液だれなどを防止し施工性を向上させる観点から、ポリオールとポリイソシアネートとの反応性が高いことが求められる。
これに対して、パネルやフラットデッキなどの構造体の断熱性や難燃性を向上させる観点から、構造体の空洞部にポリウレタンフォームを形成させる方法も知られている。この場合、ポリオール液剤をポリイソシアネート液剤と共に、構造体の空洞部に充填する必要があるが、例えば上記した吹き付け塗装用のポリオール液剤を用いた場合などは、充填後すぐに充填口近傍でフォームが形成され、空洞部の端部まで充填できない場合があった。また、ある程度充填が出来ても形成されるポリウレタンフォームの密度が空洞の充填口近傍と空洞の端部とで、大きく異なるなど、場所による密度の高低が生じて、品質のバラつきが生じる問題があった。特に、難燃性を向上させることなどを目的としてポリオール液剤にフィラーを含有させた場合においてこのような問題が顕著に生じていた。
また、フォームの形成速度を遅くして、構造体の空洞部への充填性を向上させた場合には、発泡し硬化する前に両液剤が分離したり、あるいはウレタン化反応、三量化反応が進行し難くなり、形成されるポリウレタンフォームの難燃性が低下するなど、ポリウレタンフォームの品質低下の問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、構造体の空洞部に充填する際の充填性に優れることで、場所により密度のバラつきの少ないポリウレタンフォームを形成でき、かつポリオールとポリイソシアネートとの反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームを得られる充填用ポリオール液剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ポリオール、触媒、及びフィラーを含有し、前記触媒の含有量が一定範囲である充填用ポリオール液剤により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の[1]~[12]である。
[1]ポリオール、触媒、及びフィラーを含有し、前記触媒の含有量が0.3~5質量%である充填用ポリオール液剤。
[2]さらに発泡剤を含有する、上記[1]に記載の充填用ポリオール液剤。
[3]前記ポリオールが、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールから選択される少なくとも1種を含む、上記[1]又は[2]に記載の充填用ポリオール液剤。
[4]前記触媒が、樹脂化触媒及び三量化触媒を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
[5]前記フィラーが固形難燃剤を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
[6]さらに整泡剤を含有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
[7]さらに沈降抑制剤を含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
[8]前記ポリオール液剤中の発泡剤以外の混合成分の25℃における粘度が、3000mPa・s以上60000mPa・s以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の充填用ポリオール液剤。
[9]上記[1]~[8]のいずれかに記載のポリオール液剤、及びポリイソシアネート液剤を含む充填用ポリウレタン組成物。
[10]イソシアネートインデックスが200~600である、上記[9]に記載の充填用ポリウレタン組成物。
[11]液温40℃におけるゲルタイムが4~60秒である、上記[9]又は[10]に記載の充填用ポリウレタン組成物。
[12]上記[9]~[11]のいずれかに記載されたポリウレタン組成物から形成されるポリウレタンフォーム。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリオール液剤は、イソシアネート液剤と共に構造体の空洞部に充填する際の充填性に優れ、場所により密度のバラつきの少ないポリウレタンフォームを形成できる。また、本発明のポリオール液剤を用いることで、ポリイソシアネートとの反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[充填用ポリオール液剤]
本発明の充填用ポリオール液剤は、ポリオール、触媒、及びフィラーを含有し、前記触媒の含有量が0.3~5質量%である充填用ポリオール液剤である。ここで充填用とは、現場にて吹付け作業により建具などの構造体表面にポリウレタンフォームを形成する使用態様とは異なり、構造体が有する空洞部に充填することを目的に使用することを意味する。より詳細には、完成品としての構造体内部の空洞部に、注入口を設けるなどして充填したり、あるいは該構造体の製造段階にある未完成構造体が有する空洞部に、製造工程の一部(製造ラインの一部)として充填することを目的に使用することなどを意味する。
構造体が有する空洞部は一定の形状を有しており、空洞部分にポリオール液剤及びポリイソシアネート液剤を含むポリウレタン組成物を充填する際には、該空洞部分の内壁に沿って充填口近傍から、空洞の端部に向かって、ポリオール組成物が充填されていき、発泡及び硬化して、空洞の形状に対応したポリウレタンフォームが形成される。本発明の充填用ポリオール液剤は、イソシアネート液剤と共に構造体の空洞部に充填する際の充填性に優れ、場所により密度のバラつきの少ないポリウレタンフォームを形成でき、得られたポリウレタンフォームは、ウレタン化反応及び三量化反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームである。
【0009】
[触媒]
本発明の充填用ポリオール液剤(以下単にポリオール液剤ともいう)は、触媒を含有し、該触媒の含有量が0.3~5質量%である。触媒の含有量が0.3質量%未満であると、ポリオールとポリイソシアネートとの反応が不十分となり、優れた難燃性を備えるポリウレタンフォーム得難くなる。また、触媒の含有量が5質量%を超えると、ポリオールとポリイソシアネートとの反応性が高くなりすぎて、ポリウレタン組成物を構造体の空洞部に充填する際に、充填口近傍にポリウレタンフォームが短時間で形成されることにより、構造体の空洞部分全体に組成物を充填し難くなる。さらに形成されたポリウレタンフォームの密度が場所により大きく異なるため、物性が不均一となってしまう。
場所により密度のバラつきの少ないポリウレタンフォームを形成でき、かつ反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームを得る観点から、触媒の含有量は好ましくは0.4~3質量%であり、より好ましくは0.6~2質量%である。
上記した触媒量は、ポリオール液剤全量を基準にした量である。なお、触媒は溶媒に溶解させて製品として販売されていることが多いが、本発明の触媒量は触媒を溶解させている溶媒の量は含まず、溶媒に溶解されている触媒自体(すなわち、溶質)の量を意味する。
【0010】
また、後述するように、ポリオール液剤とポリイソシアネート液剤とを混合し、ポリウレタン組成物とするが、該ポリウレタン組成物中の触媒量(ポリウレタン組成物全量基準の触媒量)は、好ましくは0.2~3質量%であり、より好ましくは0.3~1.5質量%であり、さらに好ましくは0.4~1質量%である。触媒量がこれら上限値以下であると、ポリウレタン組成物を構造体の空洞部に充填しやすいことにより、密度差の少ないポリウレタンフォームが得られる。触媒量がこれら下限値以上であると、反応が十分に進行した品質に優れるポリウレタンフォームを得やすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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