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公開番号
2024102147
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-30
出願番号
2024071116,2021212546
出願日
2024-04-25,2017-05-05
発明の名称
GDF15融合タンパク質及びその使用
出願人
ヤンセン・サイエンシズ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
19/00 20060101AFI20240723BHJP(有機化学)
要約
【課題】代謝性疾患、障害、又は状態を治療若しくは予防するために使用することができるGDF15を用いた組成物を提供する。
【解決手段】a.半減期延長タンパク質と、b.リンカーと、c.GDF15タンパク質と、を含み、N末端からC末端に(a)-(b)-(c)の順序で配列された、融合タンパク質を提供する。融合タンパク質をコードする核酸、その組換え細胞、融合タンパク質を含む組成物、及び代謝性疾患、障害又は状態を治療又は予防するための融合タンパク質の使用方法についても記載する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
a.半減期延長タンパク質と、
b.リンカーと、
c.GDF15タンパク質と、を含み、
N末端からC末端に(a)-(b)-(c)の順序で配列された、融合タンパク質。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記GDF15タンパク質が、成熟GDF15タンパク質又はその機能的変異体である
、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記GDF15タンパク質が、配列番号6、7、8、9、10又は11と少なくとも9
0%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記GDF15タンパク質が、配列番号6、7、8、9、10及び11からなる群から
選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記半減期延長タンパク質が、ヒト血清アルブミン(HSA)又はその機能的変異体で
ある、請求項1~4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記半減期延長タンパク質が、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有するアミノ
酸配列を含む、請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記半減期延長タンパク質が、配列番号1、2及び3からなる群から選択されるアミノ
酸配列を含む、請求項6に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記リンカーが、柔軟性リンカーである、請求項1~7のいずれか1項に記載の融合タ
ンパク質。
【請求項9】
前記リンカーが、配列(GGGGS)n(ただし、nは2~20である)を含む、請求
項8に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記リンカーが、構造化リンカーである、請求項1~7のいずれか1項に記載の融合タ
ンパク質。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、GDF15融合タンパク質に関する。詳細には、本発明は、半減期延長タン
パク質、リンカー、及びGDF15タンパク質を含む融合タンパク質、融合タンパク質を
コードする核酸及び発現ベクター、その組換え細胞、並びに融合タンパク質を含む医薬組
成物に関する。かかる融合タンパク質を作製する方法、及びかかる融合タンパク質を使用
して代謝性疾患を治療するための方法も提供される。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
GDF15は、TGFβファミリーのメンバーであり、25kDaのホモダイマーとし
て血漿中を循環する分泌タンパク質である。GDF15の血漿中濃度は多くの個人で15
0~1150pg/mlの範囲である(Tsai et al.,J Cachexia
Sarcopenia Muscle.2012,3:239~243)。GDF15
の血漿中濃度は、怪我、心血管系疾患、及びある種のがんの条件下で上昇する。この上昇
は、細胞保護的な機構であると考えられている。GDF15の高い血漿中濃度は、がんに
おける食欲不振及び悪液質による体重減少、また腎不全及び心不全における体重減少と関
連している。臨床試験では、GDF15レベルは、肥満の非糖尿病対象者におけるインス
リン抵抗性の独立予測因子とされていた(Kempf et al.,Eur.J.En
do.2012,167:671~678)。双子における研究により、双子のペアにお
けるGDF15のレベルの差がそのペアのBMIの差に相関していることが示され、GD
F15がエネルギーホメオスタシスの長期的な調節因子として機能していることを示唆し
ている(Tsai et al.,PLoS One.2015,10(7):e013
3362)。
【0003】
GDF15は、いくつかの心血管系疾患及び他の疾患状態のバイオマーカーとして広く
研究されてきたが、心筋肥大及び虚血性傷害におけるGDF15の保護的な役割について
も記載されている(Collinson,Curr.Opin.Cardiol.201
4,29:366~371;Kempf et al.,Nat.Med.2011,1
7:581~589;Xu et al.,Circ Res.2006,98:342
~50)。GDF15は、1型及び2型糖尿病のマウスモデルにおいて腎尿細管及び腸へ
の傷害からの保護において重要な役割を担っていることが示されている。(Mazago
va et al.,Am.J.Physiol.Renal Physiol.201
3;305:F1249-F1264)。GDF15は、加齢に伴う感覚及び運動ニュー
ロンの喪失に対する保護作用を有することが示されており、末梢神経傷害後の回復を改善
する(Strelau et al.,J.Neurosci.2009,29:136
40~13648;Mensching et al.,Cell Tissue Re
s.2012,350:225~238)。実際、GDF15トランスジェニックマウス
は、その同腹のコントロールよりも長い寿命を有することが示されており、この分子が長
期生存因子として機能することを示唆し得るものである(Wang et al.,Ag
ing.2014,6:690~700)。
【0004】
多くの報告で、GDF15タンパク質による処理によりマウスモデルにおいて耐糖能及
びインスリン感受性の改善が示されている。GDF15を過剰発現しているトランスジェ
ニックマウスの独立した2系統で体重及び体脂肪量の減少、並びに改善された耐糖能が認
められている(Johnen et al.,Nat.Med.2007,13:133
3~1340;Macia et al.,PLoS One.2012,7:e348
68;Chrysovergis et al.,Int.J.Obesity.201
4,38:1555~1564)。GDF15マウスにおいて全身のエネルギー消費量及
び酸化的代謝量の増加が報告されている(Chrysovergis et al.,2
014、同上)。これらは、褐色脂肪組織における熱発生遺伝子の発現の増加、及び白色
脂肪組織における脂肪分解遺伝子の増加を伴う。GDF15遺伝子を欠損したマウスでは
、体重及び体脂肪量が増加した(Tsai et al.,PLoS One.2013
,8(2):e55174)。GDF15のFc融合タンパク質は、肥満カニクイザルモ
デルにおいて週1回、6週にわたって投与した場合に体重を減少させ、耐糖能及びインス
リン感受性を改善することが示されている(国際公開第2013/113008号)。
【0005】
体重に対するGDF15の効果は、食物の摂取量の低減及びエネルギー消費の増加を介
して媒介されると考えられている。GDF15は、体重依存性及び非依存性の機構によっ
て血糖コントロールを改善している可能性がある。
【0006】
これらの観察を考え合わせると、GDF15のレベルを増加させることは代謝性疾患の
治療法として有用であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
代謝性疾患、障害、又は状態を治療若しくは予防するために使用することができるGD
F15を用いた組成物が当該技術分野で求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、向上した溶解性/安定性を示すとともに、代謝性疾患、障害又は状態の治療
若しくは予防に使用できることを示す特徴を示すGDF15の融合タンパク質を提供する
ことにより、このような要請に応えるものである。このような特徴としては、例えば、本
発明の実施形態による融合タンパク質を投与した対象の体重減少、耐糖能の向上、及びイ
ンスリン感受性の改善が挙げられる。
【0009】
一般的な一態様では、本発明は、(a)半減期延長タンパク質、(b)リンカー、及び
(c)GDF15タンパク質を含み、N末端からC末端に(a)-(b)-(c)の順序
で配列された融合タンパク質に関する。
【0010】
本発明の一実施形態では、GDF15タンパク質は、ヒトGDF15タンパク質又はそ
の機能的変異体である。特定の実施形態では、GDF15タンパク質は、成熟GDF15
タンパク質又はその機能的変異体を含む。より詳細な実施形態では、GDF15タンパク
質は、配列番号6~11と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の
特定の実施形態では、GDF15タンパク質は、配列番号11のアミノ酸配列、例えば配
列番号6~11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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