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公開番号2024101216
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-29
出願番号2023005083
出願日2023-01-17
発明の名称炭素固定・水素生成システム
出願人アンヴァール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 3/12 20060101AFI20240722BHJP(無機化学)
要約【課題】バイオ炭の生成時における二酸化炭素の排出を抑制しつつ、バイオ炭を活用して高効率で水素を生成可能な炭素固定・水素生成システムを提供する。
【解決手段】バイオマスからバイオ炭を生成するバイオ炭生成装置100と、バイオ炭生成装置100で生成された未燃焼ガス中の二酸化炭素をマグネシウムと反応させる燃焼装置5と、燃焼装置5で生成された酸化マグネシウムとバイオ炭生成装置100で生成されたバイオ炭と水を反応室60で反応させて水素を生成させる水素生成装置6と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマスからバイオ炭を生成するバイオ炭生成装置と、
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の二酸化炭素をマグネシウムと反応させる燃焼装置と、
前記燃焼装置で生成された酸化マグネシウムと前記バイオ炭生成装置で生成された前記バイオ炭と水を反応室で反応させて水素を生成させる水素生成装置と、
を備えることを特徴とする炭素固定・水素生成システム。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換する一酸化炭素変換装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項3】
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の二酸化炭素と一酸化炭素を分離する分離手段を有していることを特徴とする請求項2に記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項4】
前記分離手段は、ナノポーラス材であることを特徴とする請求項3に記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項5】
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素を前記反応室に供給することを特徴とする請求項1に記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項6】
前記バイオ炭は、前記燃焼装置に供給可能であり、当該燃焼装置で生成された酸化マグネシウムと前記バイオ炭を前記反応室に供給することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項7】
前記酸化マグネシウムと前記バイオ炭は、粉末状であり、
前記酸化マグネシウムと前記バイオ炭を混合させた状態で前記反応室に供給する流路を備えることを特徴とする請求項6に記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項8】
前記燃焼装置で生成された酸化マグネシウムと一酸化炭素を前記反応室に供給することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の炭素固定・水素生成システム。
【請求項9】
前記燃焼装置は、前記二酸化炭素と前記マグネシウムの反応を利用して回転されるガスタービンを有し、
前記流路は、前記ガスタービンのケーシングに設けられることを特徴とする請求項7に記載の炭素固定・水素生成システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオ炭を活用した炭素固定・水素生成システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
木材や竹材等のバイオマスに含まれる炭素は、光合成により大気中の二酸化炭素が固定されたものであるが、バイオマスを自然界に放置しておくと微生物等により分解され、二酸化炭素として再び大気中に放出されてしまう。そこで、バイオマスを炭化して木炭や竹炭等のバイオ炭とすることにより、燃料として燃焼利用しない限り、半永久的に炭素固定することができる。
【0003】
バイオ炭は、バイオマスを燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下で加熱することにより生成され、生成時に発生する未燃焼ガスには、主に二酸化炭素と一酸化炭素が多量に含有されている。一酸化炭素は、人体にとって有毒であることから、一般的には作業者に影響がないように二酸化炭素と共に大気中に放出されているが、一酸化炭素をメタンに改質して回収する試みも行われている(特許文献1参照)。
【0004】
また、バイオ炭は、燃料として燃焼利用する以外に、二酸化炭素を発生させない活用方法として、農用地等の土壌改良のために土壌に混ぜ込む、あるいは地中に埋設することにより、微生物等により分解されない状態で炭素を貯留する、いわゆる炭素貯留が行われている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-277485号公報(第3頁~第5頁、第2図)
特開2022-153012号公報(第12頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バイオ炭を農用地等の土壌に施用する場合、農用地の面積や作物に合わせた施用量やpH調整等の管理を行う必要があるだけでなく、バイオ炭が土壌に半永久的に残留することからバイオ炭の品質等も厳しく管理される必要があることから、大規模な活用への障壁となっている。また、カーボンニュートラルの観点から、バイオ炭の生成時に発生する未燃焼ガスの新たな処理・回収技術とともに、新たなバイオ炭の活用方法の開発が求められている。
【0007】
発明者らは、バイオ炭の生成時に放出される未燃焼ガス中を炭素固定システムに導入して積極的に炭素固定するとともに、バイオ炭を次世代エネルギ資源である水素生成に活用することにより、カーボンニュートラルに大きく寄与できる炭素固定・水素生成システムを構築できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、バイオ炭の生成時における二酸化炭素の排出を抑制しつつ、バイオ炭を活用して高効率で水素を生成可能な炭素固定・水素生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の炭素固定・水素生成システムは、
バイオマスからバイオ炭を生成するバイオ炭生成装置と、
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の二酸化炭素をマグネシウムと反応させる燃焼装置と、
前記燃焼装置で生成された酸化マグネシウムと前記バイオ炭生成装置で生成された前記バイオ炭と水を反応室で反応させて水素を生成させる水素生成装置と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の二酸化炭素を燃焼装置でマグネシウムと反応させて炭素固定を行うことにより、バイオ炭生成に伴う二酸化炭素の排出を抑制することができるとともに、水素生成装置の反応室において、バイオ炭生成装置で生成されたバイオ炭と水蒸気の水性ガス反応により水素と一酸化炭素を生成し、さらに水性ガス反応に付随して起こる一酸化炭素と水との水性ガスシフト反応により生成される二酸化炭素は、酸化マグネシウムと水蒸気の水和反応により生成される水酸化マグネシウムに吸収され炭酸マグネシウムとして炭素固定されるため、二酸化炭素の排出を抑制しつつ、水性ガス反応および水性ガスシフト反応が平衡状態となることを防止し反応を生成系に偏らせることにより高効率で水素を生成することができる。
【0010】
前記バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の一酸化炭素を酸素と反応させて二酸化炭素に変換する一酸化炭素変換装置を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガス中の一酸化炭素を一酸化炭素変換装置により二酸化炭素に変換し、燃焼装置でマグネシウムと反応させて炭素固定を行うことにより、バイオ炭生成装置で生成された未燃焼ガスから炭素をより多く固定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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