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公開番号2024100931
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2024083480,2022196192
出願日2024-05-22,2013-03-08
発明の名称DNAのサイズに基づく解析
出願人ザ チャイニーズ ユニバーシティー オブ ホンコン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6851 20180101AFI20240719BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】生体試料由来のDNAの混合物における臨床的に関連するDNAの分画濃度を、様々なサイズのDNA断片の量に基づいて決定する。
【解決手段】例えば、母体の血漿における胎児DNAまたは患者の血漿における腫瘍DNAの分画濃度が測定できる。試料におけるDNA断片のサイズは、それぞれ、胎児DNAの割合および腫瘍DNAの割合と相関していたことが示された。(例えば、校正関数としての)校正データ点は、サイズパラメータの値と臨床的に関連するDNAの分画濃度との間の対応関係を示す。ある試料について、サイズパラメータの第1値は、試料におけるDNA断片のサイズから決定できる。第1値を校正データ点と比較することにより、臨床的に関連するDNAの分画濃度が推定できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
生物の試料を解析する方法であって、
該試料は、正常細胞および癌に関連しているおそれのある細胞由来の無細胞DNA断片を含み:
該方法は、
試料由来の複数のDNA断片のうちの各々について、
DNA断片のシーケンシングから得られる1つまたは複数の読み取り配列を受け取ること、ここで、前記1つまたは複数の読み取り配列は、前記DNA断片の両方の末端を含む;
前記1つまたは複数の読み取り配列を参照ゲノムにアラインして、前記DNA断片の両方の末端についてアラインした位置を得ること;
アラインした位置を利用して前記DNA断片のサイズを決定すること;
複数のサイズの各サイズについて、
複数のDNA断片のセットについてアラインした位置から決定したサイズを用いて、そのサイズに対応する試料由来の複数のDNA断片のセットの量を決定すること;
複数のサイズのDNA断片の量に基づいて第1パラメータの第1値を計算すること、ここで第1パラメータは前記試料におけるDNA断片のサイズプロファイルの統計的尺度を提供する;
第1値を校正値と比較すること;並びに、
その比較に基づいて、腫瘍DNAの分画濃度を推定すること;を含む、方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記DNA断片はランダムに選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DNA断片はゲノムの複数の領域から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DNA断片はゲノムの複数の所定の領域から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記DNA断片は複数の染色体から選択される、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記校正値は非腫瘍DNAと腫瘍DNAとを含む校正試料を用いて決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1パラメータは、長いDNA断片の存在度に対する短いDNA断片の存在度を表し、短いDNA断片は、長いDNA断片よりもサイズが小さい、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
複数のサイズのDNA断片の量に基づき1つまたは複数の第2パラメータの1つまたは複数の第2値を計算すること、ここで当該1つまたは複数の第2パラメータは、試料におけるDNA断片のサイズプロファイルの異なる統計的尺度を提供する;
前記1つまたは複数の第2値を、対応する第2校正値と比較すること;そして、
第1値および1つまたは複数の第2値を含む比較に基づいて、試料における腫瘍DNAの分画濃度を推定すること;をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1校正データ点が、前記第1パラメータの値の校正値に対応する胎児DNAの分画濃度を特定し、
1つまたは複数の第2校正データ点が、前記1つまたは複数の第2パラメータの値の1つまたは複数の第2校正値に対応する腫瘍DNAの分画濃度を特定し、そして
前記第1校正データ点および第2校正データ点は多次元曲線上の点であり、そして前記比較は、第1値および1つまたは複数の第2値に対応する座標を有する多次元点を同定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
校正データ点が、前記第1パラメータの値の校正値に対応する腫瘍DNAの分画濃度を特定し、そして
前記校正データは異なる校正試料に対応するヒストグラムから決定され、ここでヒストグラムが複数のサイズのDNA断片の量を提供し、異なる校正試料の少なくとも一部は異なる分画濃度を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年3月8日に出願された「SIZE-BASED ANALYSIS OF FETAL DNA FRACTION IN MATERNAL PLASMA」と題する米国仮特許出願第61/608,623号、および2012年4月6日に出願された「SIZE-BASED ANALYSIS OF FETAL DNA FRACTION IN MATERNAL PLASMA」と題する米国仮特許出願61/621,451号の優先権の利益を主張する非仮特許出願であり、それらの全内容は、あらゆる目的において参照により本明細書中に援用される。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
母親血漿中における無細胞胎児DNAの発見が、非侵襲的な出生前診断の新たな可能性を切り開いてきた(Lo YMD et al. Lancet 1997;350:485-487)。分画胎児DNA濃度の平均/中央値は、約3%~10%であることが報告されている(Lo YMD et al. Am J Hum Genet 1998;62:768-775;Lun FMF et al. Clin Chem 2008;54:1664-1672)。分画胎児DNA濃度は、母体血漿DNAを用いた非侵襲的な出生前診断テストの性能に影響する重要なパラメータである。例えば、胎児染色体の異数体(例えば、トリソミー21、トリソミー18、またはトリソミー13)についての非侵襲的な出生前診断では、分画胎児DNA濃度が高いほど、母体血漿中における異数染色体由来のDNA配列がより過剰に発現する。実際に、母体血漿中の分画胎児DNA濃度を2分の1にすると、異数性を検出するためにカウントするのが必要な分子数は4倍になる(Lo YMD et al. Proc Natl Acad Sci USA 2007;104:13116-13121)。
【0003】
ランダムな大量並列シーケンシングによる胎児トリソミーの非侵襲的な出生前検出では、試料の分画胎児DNA濃度が、ロバストな検出を達成するために必要なシーケンシングの量に影響を与える(Fan HC and Quake SR. PLoS One 2010;5:e10439)。実際、多くのグループでは、品質管理工程を含め、この工程で分画胎児DNA濃度をまず測定し、最小分画胎児DNA濃度より多くを含む試料のみが診断結果を出すのに適格とした(Palomaki GE et al. Genet Med 2011;13:913-920)。他のグループでは、特定の母体血漿試料が異数性妊娠由来であるリスクを推定するための診断アルゴリズムに、分画胎児DNA濃度を含めた(Sparks AB et al. Am J Obstet Gynecol 2012;206:319.e1-9)。
【0004】
異数性の検出に加えて、分画胎児DNA濃度は、例えば、異常ヘモグロビン症(Lun FMF et al. Proc Natl Acad Sci USA2008;105:19920-19925)や血友病(Tsui NBY et al. Blood 2011;117:3684-3691)などの単一遺伝子疾患を検出するための母性血漿DNAを用いた非侵襲的な出生前診断テストにも、同様に影響を与える。また、分画胎児DNA濃度は、胎児の全ゲノムシーケンシングに加え、胎児の遺伝および突然変異についてのゲノムマップを構築するために行う必要があるシーケンシングの深さにも影響を与える(Lo YMD et al. Sci Transl Med 2010;2:61ra91 and U.S. Patent Application 2011/0105353)。
【0005】
分画胎児DNA濃度を測定するための多くの方法が記載されている。一つのアプローチは、母系ゲノムには存在しない胎児特異的な父系配列の濃度を測定することである。そのような配列の例として、男児が有するY染色体上にある配列、およびRh(D)陰性の妊婦が宿しているRh(D)陽性胎児が有するRHD遺伝子由来の配列が挙げられる。また、母体および胎児の両方に存在する配列を用いて、全母体血漿DNAを測定することができる。それから、分画胎児DNA濃度に達するために、全母体血漿DNAの濃度を超える胎児特異的な父系配列の濃度の比率を計算できる。
【0006】
使用可能な配列の別の例として、一塩基多型の使用が挙げられる(Lo YMD et al. Sci Transl Med 2010;2:61ra91)。分画胎児DNA濃度を測定するための遺伝子マーカーを使用することの欠点は、どの遺伝子マーカーセットも単体では全ての胎児-母体ペアについての情報を提供できないことである。使用可能な更に別の方法として、母体血漿における胎児または胎盤特異的なDNAメチル化パターンを示すDNA配列を使用することが挙げられる(Nygren AO et al. Clin Chem 2010;56:1627-1635)。DNAメチル化マーカーを使用することについての潜在的な欠点は、DNAメチル化のレベルは個体間で差があるということである。更に、DNAメチル化マーカーの検出に使用される方法は、通常複雑であり、メチル化感受性制限酵素による消化(Chan KCA et al. Clin Chem 2008;52:2211-2218)または亜硫酸水素塩転換(Chim SSC et al. Proc Natl Acad Sci USA 2005;102:14753-14758)またはメチル化DNA免疫沈降(MeDIP)(Papageorgiou EA et al. Nat Med 2011;17:510-513)を利用することなどが含まれる。
【0007】
分画胎児DNA濃度は重要な値なので、その値を決定するための追加的な方法およびシステムを有することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
実施形態は、生体試料由来のDNAの混合物における臨床的に関連するDNAの分画濃度を、様々なサイズのDNA断片の量に基づいて推定するための方法およびシステムを提供し得る。例えば、母体の血漿における胎児DNAまたは患者の血漿における腫瘍DNAの分画濃度が測定できる。DNA断片のサイズは、胎児DNAの割合および腫瘍DNAの割合と相関していることが示された。(例えば、校正関数としての)校正データ点は、サイズパラメータの値と臨床的に関連するDNAの分画濃度との間の対応関係を示す。ある試料について、サイズパラメータの第1値は、試料におけるDNA断片のサイズから決定できる。第1値を校正データ点と比較することにより、臨床的に関連するDNAの分画濃度が推定できる。
【0009】
一実施形態によれば、方法は、生体試料における臨床的に関連するDNAの分画濃度を推定するものであり、ここで生体試料は臨床的に関連するDNAおよびその他のDNAを含む。複数のサイズのうちの各サイズについて、そのサイズに対応する生体試料由来の複数のDNA断片の量を測定する。コンピュータシステムは、第1パラメータの第1値を複数のサイズのDNA断片の量に基づいて計算する。第1パラメータは、生体試料におけるDNA断片のサイズプロファイルの統計的尺度を提供する。1つまたは複数の第1校正データ点が得られる。各第1校正データ点は、第1パラメータの校正値に対応する臨床的に関連するDNAの分画濃度を特定する。1つまたは複数の校正データ点は、複数の校正試料から決定される。第1値を少なくとも1つの校正データ点の校正値と比較する。生体試料における臨床的に関連するDNAの分画濃度を当該比較に基づいて推定する。
【0010】
別の実施形態によれば、方法は、生物の生体試料を解析するものである。生体試料は、正常細胞由来のDNAと、癌に関連しているおそれがある細胞由来のDNAを含む。少なくともDNAの一部は、生体試料における無細胞DNAである。複数のサイズのうちの各サイズについて、そのサイズに対応する生体試料由来の複数のDNA断片の量を測定する。コンピュータシステムは、第1パラメータの第1値を複数のサイズのDNA断片の量に基づいて計算する。第1パラメータは、生体試料におけるDNA断片のサイズプロファイルの統計的尺度を提供する。第1値を基準値と比較する。生物の癌のレベルの区分を当該比較に基づいて決定する。
(【0011】以降は省略されています)

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