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公開番号2024100500
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023004537
出願日2023-01-16
発明の名称土壌微生物の観察デバイス及び観察方法
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人東京工業大学
代理人弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
主分類C12M 1/34 20060101AFI20240719BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 団粒構造が土壌微生物に与える影響を適切に観察可能にする土壌微生物の観察デバイスを提供すること。
【解決手段】実施形態では、土壌微生物の観察デバイスは、外装部、流路及び模擬構造部を備える。流路は、外装部の内部に形成され、外装部の外部から視認可能である。模擬構造部は、流路において外装部の内面から障害部を形成する。模擬構造部では、土壌の団粒構造における団粒の分布を模擬したフラクタル構造が、団粒に対応する大きさで、障害部によって形成される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
外装部と、
前記外装部の内部に形成され、前記外装部の外部から視認可能な流路と、
前記流路において障害部を前記外装部の内面から形成し、土壌の団粒構造における団粒の分布を模擬したフラクタル構造が、前記団粒に対応する大きさで、前記障害部によって形成される模擬構造部と、
を具備する、土壌微生物の観察デバイス。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記模擬構造部では、流れ方向及び幅方向の両方に対して交差する高さ方向に沿った前記流路の寸法が1μm以上かつ5μm以下となる、請求項1の観察デバイス。
【請求項3】
前記外装部は、
凹部を備え、前記凹部に前記障害部が形成される第1の外装部材と、
凹部の開口を塞ぐ状態で前記第1の外装部材に取付けられ、前記第1の外装部材の前記凹部との間の隙間によって前記流路を形成する第2の外装部材と、
を備える、請求項1の観察デバイス。
【請求項4】
前記第2の外装部材には、導入孔及び排出孔が形成され、
前記流路は、前記導入孔を通して前記外装部の前記外部と連通するとともに、前記排出孔を通して前記外装部材の前記外部と連通する、
請求項3の観察デバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項の観察デバイスにおいて、前記流路を通して土壌微生物を含む溶液を流すことと、
前記溶液を前記流路に流している状態、及び、前記溶液を前記流路に流した後のいずれかにおいて、前記模擬構造部での前記土壌微生物の活動を観察することと、
を具備する、土壌微生物の観察方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、土壌微生物の観察デバイス及び観察方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
山林、草原及び農地等の肥沃な土壌では、複数の土の粒子が塊となった団粒が複数形成され、複数の団粒によって団粒構造が形成される。団粒構造における団粒の分布では、複数の団粒による立体的なフラクタル構造が形成される。団粒によって形成されるフラクタル構造は、土壌微生物の活動に影響を与えることが、知られている。ここで、土壌は、可視光を通さないため、土壌の内部に形成される団粒構造が土壌微生物に与える影響を直接的に観察することは、難しい。
【0003】
前述のような事情から、土壌の状態を再現することにより土壌微生物の活動を観察する観察デバイスにおいて、団粒構造に形成される団粒によるフラクタル構造を適切に再現するとが、求められている。そして、団粒によるフラクタル構造を再現した観察デバイスを用いて、団粒構造が土壌微生物に与える影響を適切に観察することが、求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Aufrecht, Jayde A., Jason D. Fowlkes, Amber N. Bible, Jennifer Morrell-Falvey, Mitchel J. Doktycz, and Scott T. Retterer. 2019. “Pore-Scale Hydrodynamics Influence the Spatial Evolution of Bacterial Biofilms in a Microfluidic Porous Network.” PloS One 14 (6): e0218316.
Borer, Benedict, Robin Tecon, and Dani Or. 2018. “Spatial Organization of Bacterial Populations in Response to Oxygen and Carbon Counter-Gradients in Pore Networks.” Nature Communications 9 (1): 1-11.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、団粒構造が土壌微生物に与える影響を適切に観察可能にする土壌微生物の観察デバイス及び観察方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある実施形態では、土壌微生物の観察デバイスは、外装部、流路及び模擬構造部を備える。流路は、外装部の内部に形成され、外装部の外部から視認可能である。模擬構造部は、流路において外装部の内面から障害部を形成する。模擬構造部では、土壌の団粒構造における団粒の分布を模擬したフラクタル構造が、団粒に対応する大きさで、障害部によって形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、団粒構造が土壌微生物に与える影響を適切に観察可能にする土壌微生物の観察デバイス及び観察方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、土壌における団粒の形成について説明する概略図である。
図2は、土壌の団粒構造のフラクタル次元について説明する概略図である。
図3は、実施形態に係る観察デバイスの一例を概略的に示す斜視図である。
図4は、実施形態に係る観察デバイスの一例を、奥行方向に対して直交又は略直交する断面で概略的に示す断面図である。
図5は、図3及び図4の観察デバイスに形成される流路を、外装部の高さ方向に直交又は略直交する断面で概略的に示す断面図である。
図6は、図5の流路に形成される模擬構造部の一例を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、本発明の実施形態に関連する事項として、土壌において形成され得る団粒構造について、説明する。団粒構造は、山林、草原及び農地等の肥沃な土壌において、形成される。団粒構造は、複数の団粒から形成され、複数の団粒のそれぞれは、複数の土の粒子が塊となることにより、形成される。団粒構造における団粒の分布では、複数の団粒による立体的なフラクタル構造が形成される。すなわち、複数の団粒によって形成される団粒構造は、自己相似性を有する。
【0010】
図1は、団粒の形成について説明する。図1に示すように、土壌では、複数の土の粒子D1が、土壌に含まれる水分及び有機物等によって互いに対して密着することにより、1つの塊となる。これにより、複数の土の粒子D1が塊となった団粒D2が、形成される。また、土壌では、複数の団粒D2が、土壌に含まれる水分及び有機物等によって互いに対して密着することにより、1つの塊となる。これにより、複数の団粒D2が塊となった団粒D3が、形成される。団粒D3は、団粒D2に比べて大きい。土壌の団粒構造は、様々な大きさ(サイズ)の団粒から形成される。
(【0011】以降は省略されています)

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