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公開番号2024096626
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-17
出願番号2023000256
出願日2023-01-04
発明の名称多層盛り溶接方法
出願人株式会社ダイヘン
代理人個人,個人
主分類B23K 9/095 20060101AFI20240709BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】高電流の多層盛り溶接において、溶接金属再熱部に一様な脆化組織が広く分布することを防止し、偶発的な脆化を抑制することができる多層盛り溶接方法を提供する。
【解決手段】消耗電極式の多層盛り溶接方法であって、第1の層を溶接する第1溶接工程と、第1の層の次層である第2層を、ビード幅方向にウィービングしながら1層1パスで溶接する第2溶接工程とを備え、第2溶接工程は、ウィービングの途中で所定時間、トーチを一時停止させる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
消耗電極式の多層盛り溶接方法であって、
第1の層を溶接する第1溶接工程と、
第1の層の次層である第2の層を、ビード幅方向にウィービングしながら1層1パスで溶接する第2溶接工程と
を備え、
前記第2溶接工程は、
ウィービングの途中で所定時間、トーチを一時停止させる
多層盛り溶接方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記第2溶接工程は、
ウィービングの途中で前記トーチがビード幅方向両端側に到達した際、前記所定時間、前記トーチを一時停止させる工程である
請求項1に記載の多層盛り溶接方法。
【請求項3】
前記所定時間は0.1秒以上である
請求項2に記載の多層盛り溶接方法。
【請求項4】
前記第2溶接工程は、
母材の厚み方向に複数の凸形状又は凹形状を含む溶融境界線が形成されるように、ウィービングの途中で前記トーチを一時停止させる
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多層盛り溶接方法。
【請求項5】
第2の層の次層である第3の層以降を1層1パスで溶接する場合、ビード幅方向にウィービングしながら、ウィービングの途中で所定時間、前記トーチを一時停止させて溶接する
請求項1に記載の多層盛り溶接方法。
【請求項6】
溶接ワイヤに平均電流300A以上、650A以下の溶接電流を供給し、30kJ/cm以上、65kJ/cm以下の溶接入熱で溶接する
請求項1に記載の多層盛り溶接方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多層盛り溶接方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、300A以上の高電流条件でのGMA(Gas Metal Arc)溶接が着目されている(例えば、特許文献1)。高電流溶接では、深い溶込みが得られ、溶接ワイヤの溶着速度が高いことにより、厚板溶接を高能率化することができる。また、特許文献2には、上記高電流条件でのGMA溶接において、溶接電流を周期的に変動させることによって溶接状態を安定化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6581438号公報
特許第6748556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高電流条件での多層盛り溶接においては、前層の溶接金属が高入熱で再熱を受けることにより、ミクロ組織が変化し、継手が脆化するという技術的な問題がある。
【0005】
脆化の度合いは、溶接ワイヤ及び母材の化学成分や開先の希釈率、再熱を受けるパスと再熱を与えるパス双方の入熱条件など、様々な影響を受けて変化する。通常の多層盛り溶接では、再熱を与えるパスの溶込み形状は下に凸の形状となる(図4参照)。溶融境界線42aからの距離が同じ位置(破線上)においては、再熱による加熱及びその後の冷却による温度履歴は概ね同等であり、同じ金属組織となる。従って、再熱部においては、溶融境界線42aに沿って同じ金属組織が連続的に広く分布する。
溶接施工条件は、再熱部が著しく脆化しないような条件として検討及び決定されるが、材料の加工精度や取り付け精度、溶接速度や突出し長さ、ウィービング条件などの運棒の精度、次パス溶接時のパス間温度等にはばらつきが生じ、それによって出力電流及び電圧又は入熱条件にもばらつきが生じる。このようなばらつきが生じると、再熱部に想定を超える脆化組織が偶発的に現れる場合がある。このような脆化組織が、上述のように再熱部に連続的に広く分布すると、継手の著しい脆化に繋がる。
【0006】
本開示の目的は、高電流の多層盛り溶接において、溶接金属再熱部に一様な脆化組織が広く分布することを防止し、偶発的な脆化を抑制することができる多層盛り溶接方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る多層盛り溶接方法は、消耗電極式の多層盛り溶接方法であって、第1の層を溶接する第1溶接工程と、第1の層の次層である第2の層を、ビード幅方向にウィービングしながら1層1パスで溶接する第2溶接工程とを備え、前記第2溶接工程は、ウィービングの途中で所定時間、トーチを一時停止させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、高電流の多層盛り溶接において、溶接金属再熱部に一様な脆化組織が広く分布することを防止し、偶発的な脆化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態に係る消耗電極式のアーク溶接装置の一構成を示す模式図である。
埋もれアークの溶接条件を示す模式図である。
本実施形態に係る多層盛り溶接方法を示す概念図である。
比較例に係る多層盛り溶接方法を示す概念図である。
本実施形態に係る多層盛り溶接方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る多層盛り溶接方法を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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