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公開番号2024091692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-05
出願番号2024062241,2019060495
出願日2024-04-08,2019-03-27
発明の名称管状体、ストロー、綿棒及び風船用スティック
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 67/04 20060101AFI20240628BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来の生分解性樹脂を用いた管状成形品に比べて、室温での生分解性度が高く、海洋生分解性にも優れ、また、管状成形品を得る際の成形性にも優れると共に突き刺し強度などの機械的特性や耐熱性などの特性にも優れた管状体を提供する。
【解決手段】脂肪族ジオールに由来する繰返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰返し単位とを主構成単位として含む脂肪族ポリエステル系樹脂(A)、ポリヒドロキシアルカノエート(B)及び無機フィラー(C)を含む脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を用いた管状体。該ポリヒドロキシアルカノエート(B)は3-ヒドロキシブチレート単位及び3-ヒドロキシヘキサノエート単位を主構成単位として含有する共重合体であり、該脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と該ポリヒドロキシアルカノエート(B)と該無機フィラー(C)の合計量に対する該無機フィラー(C)の含有割合が5~50質量%である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪族ジオールに由来する繰返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰返し単位とを主構成単位として含む脂肪族ポリエステル系樹脂(A)、ポリヒドロキシアルカノエート(B)及び無機フィラー(C)を含む脂肪族ポリエステル系樹脂組成物であって、該ポリヒドロキシアルカノエート(B)が3-ヒドロキシブチレート単位及び3-ヒドロキシヘキサノエート単位を主構成単位として含有する共重合体であり、該脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と該ポリヒドロキシアルカノエート(B)と該無機フィラー(C)の合計量に対する該無機フィラー(C)の含有割合が5~50質量%である、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を用いた管状体。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記無機フィラー(C)が無水シリカ、炭酸カルシウム、タルク及びゼオライトからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の管状体。
【請求項3】
前記脂肪族ポリエステル系樹脂(A)に含まれる全ジカルボン酸に由来する繰返し単位中のコハク酸に由来する繰返し単位の割合が5モル%以上100モル%以下である、請求項1又は2に記載の管状体。
【請求項4】
押出成形体である、請求項1~3のいずれかに記載の管状体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の管状体よりなるストロー。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の管状体を含む綿棒。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の管状体よりなる風船用スティック。
【請求項8】
海洋生分解性試験(ASTM D6691)において、海水温度30℃±2℃の条件において、100日経過後の絶対的又は相対的生分解度が60%以上である管状体。
【請求項9】
請求項8に記載の管状体よりなるストロー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を成形してなる管状体と、この管状体を用いたストロー、綿棒及び風船用スティックに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック廃棄物が、生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与える原因となっている問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。
中でも植物由来の生分解性プラスチックを燃焼させた際に出る二酸化炭素は、もともと空気中にあったもので、大気中の二酸化炭素は増加しない。このことをカーボンニュートラルと称し、二酸化炭素削減目標値を課した京都議定書の下、重要視され、積極的な使用が望まれている。
【0003】
最近、生分解性およびカーボンニュートラルの観点から、植物由来のプラスチックとして脂肪族ポリエステル系樹脂が注目されており、特にポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと称する場合がある)系樹脂、さらにはPHA系樹脂の中でもポリ(3-ヒドロキシブチレート)単独重合樹脂(以下、PHBと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)共重合樹脂(以下、PHBVと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)共重合樹脂(以下、PHBHと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)共重合樹脂およびポリ乳酸等が注目されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポリヒドロキシアルカノエートにアミド結合を有する化合物とペンタエリスリトールを含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる成形体が開示されており、射出成形やシート加工などの成形加工における成形加工性を向上したことが記載されている。
一方、近年ではストローやチューブ、ホースなどの用途に代表される管状成形品にも生分解性樹脂を用いることが検討されている。例えば、特許文献2には、ポリ乳酸を必須として含み、且つ脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートアジペートまたは脂肪族/芳香族ポリエステルであるポリブチレンアジペートテレフタレートを含むストローが開示されており、特許文献3には、ポリ乳酸、ポリブチレンアジペートテレフタレート及び無機フィラーを含む樹脂から成形されるストローが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/068943号
特開2005-350530号公報
特開2011-208040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年のより強い自然環境保護に対する社会の流れ、中でも、使用済みプラスチック用品の廃棄に起因する環境汚染(特に使用済みプラスチック用品の海洋廃棄によって引き起こされるマイクロプラスチックによる海洋生物への影響)から、生分解性を有する樹脂としても、部分的な生分解性ではなく、完全生分解性を有する樹脂が要求されている。また、生分解の環境としても、比較的高温(58℃以上)の好気的コンポスト環境(土中)下での生分解性だけでなく、室温(28℃)の好気的コンポスト(土中)環境下での生分解性や海中における高い生分解性が求められている。室温生分解性のみならず海中での生分解性(海洋生分解性)も示すものであれば、例えば、生分解性樹脂からなるストローやチューブ、ホースなどを、使用後にホームコンポストとして処理することが可能となるだけでなく、更には海中で生分解することによりマイクロプラスチックによる海洋生物への悪影響をなくすことが可能となる。
【0007】
上記特許文献2~特許文献3には、ストローにポリ乳酸とポリブチレンサクシネート・アジペートまたは脂肪族-芳香族ポリエステルであるポリブチレンアジペート・テレフタレートなどの生分解性樹脂を使用することが開示されているが、ここで提案されている生分解性樹脂は、室温における生分解性度並びに海中における生分解性度が低く、今日、急速に高くなってきている環境負荷軽減の要求を満足できるものではなかった。また、特許文献1には、PHBHを用いた成形体が開示されているが、この成形体は硬くて脆いため、耐衝撃性や耐突き刺し強度に劣り、また成形加工時の安定性が悪いという問題もあった。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、従来の生分解性樹脂を用いた管状成形品に比べて、室温での生分解性度が高く、海洋生分解性にも優れ、また、管状成形品を得る際の成形性にも優れると共に突き刺し強度などの機械的特性や耐熱性などの特性にも優れた管状体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、脂肪族ジオールに由来する繰返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰返し単位とを主構成単位として含む脂肪族ポリエステル系樹脂(A)とポリヒドロキシアルカノエート(B)と、更に無機フィラー(C)を所定の割合で含む脂肪族系ポリエステル系樹脂組成物を成形してなる管状体が、成形性に優れ、室温での生分解性度が高く、海洋生分解性にも優れ、且つ、突き刺し強度などの機械特性や耐熱性に優れることを見出し、本発明に至った。
【0010】
[1] 脂肪族ジオールに由来する繰返し単位と脂肪族ジカルボン酸に由来する繰返し単位とを主構成単位として含む脂肪族ポリエステル系樹脂(A)、ポリヒドロキシアルカノエート(B)及び無機フィラー(C)を含む脂肪族ポリエステル系樹脂組成物であって、該ポリヒドロキシアルカノエート(B)が3-ヒドロキシブチレート単位及び3-ヒドロキシヘキサノエート単位を主構成単位として含有する共重合体であり、該脂肪族ポリエステル系樹脂(A)と該ポリヒドロキシアルカノエート(B)と該無機フィラー(C)の合計量に対する該無機フィラー(C)の含有割合が5~50質量%である、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を用いた管状体。
(【0011】以降は省略されています)

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