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公開番号2024077405
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189486
出願日2022-11-28
発明の名称芳香族ポリエーテルケトンフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240531BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、超高密度磁気記録媒体に要求されるトラック密度の大幅向上を実現する手段としてのテープ張力調整によるトラック密度の向上を実現可能な、小さな張力変化で大きな寸法変化を可能とすることができ、かつ磁気記録媒体への加工工程適性に優れた磁気記録媒体基材用樹脂フィルムを提供することである。
【解決手段】芳香族ポリエーテルケトンフィルムは、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を含む組成物からなる。芳香族ポリエーテルケトンフィルムにおいてフィルム長手方向のポアソン比が0.30以上0.60以下であることが好ましい。芳香族ポリエーテルケトンフィルムは、2層以上の層構成を有し、片面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上7.0nm以下である層を少なくとも1層有することが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
芳香族ポリエーテルケトン樹脂を含む組成物からなる芳香族ポリエーテルケトンフィルムであって、
フィルム長手方向のポアソン比が0.30以上0.60以下である芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
片面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上7.0nm以下である層を少なくとも1層有する、2層以上の層構成を有する請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
【請求項3】
フィルム長手方向のヤング率が5.0GPa以上であり、
30℃、7MPaの荷重で6時間後のフィルム長手方向のクリープコンプライアンスが0.001~0.019GPa
-1
である請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
【請求項4】
厚みが6.0um以下である請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
【請求項5】
フィルム幅方向の湿度膨張係数が6.0ppm/%RH以下である、請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
【請求項6】
芳香族ポリエーテルケトンがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルムと、芳香族ポリエーテルケトンフィルムの両面のうち少なくとも一方の面に形成された磁性層と、を備える磁気記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、10Tbを超えるような超高密度記録媒体に用いるベースフィルムなど、極めて高度な寸法安定性が要求される用途において、磁気記録再生装置における記録媒体への張力調整によりテープ幅を一定に調整することが容易であり、かつ磁気記録媒体への加工性に優れた樹脂フィルムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、コンピューターシステム等において取り扱いが必要なデータ量の増大に伴い、磁気記録媒体への記録容量の大幅な増大が求められてきている。従来、磁気記録媒体に用いられる基材の寸法安定性を向上させる取り組み(引用文献1)もなされてきたが、安価な素材での基材寸法安定性の改良は限界に到達しつつある。また、磁気記録媒体から保存データを再生するドライブ装置への工夫により、テープ張力を調整してデータ記録時とデータ再生時のテープ幅を合致させることで、記録時のトラック位置が再生ヘッドの範囲内となるような提案もなされてきている(引用文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-31116号公報
特開2005-285196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テープ張力によるテープ幅の調整範囲は、従来の高剛性の磁気記録媒体基材を使用すると、大きな張力変化を与える必要がある。近年、高密度記録用テープ再生装置の張力は、磁気記録媒体のクリープ変形による不可逆変化を可能な限り抑制するために極力小さくなるように設定されており、従来の高剛性の基材を使用すると、テープ幅の調整範囲がごくわずかな領域に限定されてしまい、トラック本数の増大によって記録密度を大幅に向上させることが難しくなるため、さらなる改良が望まれていた。
【0005】
一方で、低剛性の基材を使用すればテープ張力の調整によるテープ幅の調整は容易になるが、磁気記録媒体への加工工程では磁性材料を基材に塗布・乾燥する工程で高温度・高張力が負荷された際に基材自体が伸びを生じて座屈しやすくなってしまい、良好な磁気記録媒体を得ることができなくなってしまうという問題があった。特に近年、高速化によるドライブ内の駆動部の排熱増加やシステムの密集化などで、高温に曝される場合もありテープの使用環境および保管環境での寸法安定性といった保存安定性がさらに重要になっており、今までのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどを用いたポリエステルフィルムでは厳しい要求を満足することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、超高密度磁気記録媒体に要求されるトラック密度の大幅向上を実現する手段としてのテープ張力調整によるトラック密度の向上を実現可能な、小さな張力変化で大きな寸法変化を可能とすることができ、かつ磁気記録媒体への加工工程適性に優れた磁気記録媒体基材用樹脂フィルムを提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の構成を備える。
[1]芳香族ポリエーテルケトン樹脂を含む組成物からなる芳香族ポリエーテルケトンフィルムであって、
フィルム長手方向のポアソン比が0.30以上0.60以下である芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[2]少なくとも片面の中心線平均粗さRaが0.5nm以上7.0nm以下である層を少なくとも1層有する、2層以上の層構成を有する上記[1]に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[3]フィルム長手方向のヤング率が5.0GPa以上であり、
30℃、7MPaの荷重で6時間後のフィルム長手方向のクリープコンプライアンスが0.001~0.019GPa
-1
である上記[1]に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[4]厚みが6.0um以下である上記[1]に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[5]フィルム幅方向の湿度膨張係数が6.0ppm/%RH以下である、上記[1]に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[6]芳香族ポリエーテルケトンがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である上記[1]に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルム。
[7]上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の芳香族ポリエーテルケトンフィルムと、芳香族ポリエーテルケトンフィルムの両面のうち少なくとも一方の面に形成された磁性層と、を備える磁気記録媒体。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、超高密度磁気記録媒体に要求されるトラック密度の大幅向上を実現する手段としてのテープ張力調整によるトラック密度の向上を実現可能な、小さな張力変化で大きな寸法変化を可能とすることができ、かつ磁気記録媒体への加工工程適性に優れた磁気記録媒体基材用樹脂フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明で用いる寸法測定装置の斜視図である。
図1における載置面の曲率半径を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について、詳述する。なお、説明の便宜上、フィルムの製膜方向を、機械軸方向、縦方向、長手方向、MD方向と称することがあり、製膜方向と厚み方向とに直交する方向を、幅方向、横方向、TD方向と称することがある。
(【0011】以降は省略されています)

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