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公開番号2024089734
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205106
出願日2022-12-22
発明の名称芳香族化合物の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C07C 4/00 20060101AFI20240627BHJP(有機化学)
要約【課題】 原材料として長鎖脂肪族炭化水素化合物、好ましくは植物由来又は樹脂ケミカルリサイクル由来の脂肪族炭化水素化合物を用い亜鉛含有MFI型ゼオライトに接触することにより、芳香族化合物として少なくともベンゼン及びトルエンを同時に効率的かつ安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 炭素数12~30の脂肪族炭化水素化合物、好ましくは炭素数15を越えて30以下の脂肪族炭化水素化合物を亜鉛含有MFI型ゼオライトを含む触媒に接触し、少なくともベンゼン及びトルエンを製造する芳香族化合物の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素数12~30の脂肪族炭化水素化合物を亜鉛含有MFI型ゼオライトを含む触媒に接触し、少なくともベンゼン及びトルエンを製造することを特徴とする芳香族化合物の製造方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
脂肪族炭化水素化合物が、炭素数15を越えて30以下の脂肪族炭化水素化合物を含有する混合物であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項3】
脂肪族炭化水素化合物が、樹脂ケミカルリサイクル由来の脂肪族炭化水素化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項4】
触媒が、亜鉛含有MFI型ゼオライト成形体であって、該MFI型ゼオライト成形体が、MFI型ゼオライト100重量部に対し、無機バインダー5~50重量部を含み、試験温度600℃、水蒸気/空気=50/50(体積比)の試験雰囲気、試験時間6時間の試験条件下で水熱処理試験を行い、アンモニア-TPD法により測定した水熱処理試験前後の酸量より、(水熱処理試験前酸量(mmol/g)-水熱処理試験後酸量(mmol/g))/水熱処理試験前酸量(mmol/g)×100で求められる酸量の低減率が45%以下である耐水熱性MFI型ゼオライト成形体であり、該耐水熱性MFI型ゼオライト成形体の酸量に対する亜鉛含有量の比として表される亜鉛含有量(%)/酸量(mmol/g)が1~30の亜鉛を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項5】
反応温度を300~600℃、反応圧力を0.05~1MPaとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。
【請求項6】
触媒体積に対する原料ガス体積比として0.1h
-1
~50000h
-1
の空間速度で脂肪族炭化水素化合物を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族化合物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゼン及びトルエンを同時に製造する芳香族化合物の製造方法に関するものであり、さらに詳細には、長鎖脂肪族炭化水素化合物を原料とし亜鉛含有MFI型ゼオライトを含む触媒との接触反応を効率的かつ安定的なものとし、少なくともベンゼンとトルエンとを同時に製造する選択性と効率に優れる芳香族化合物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
炭素数12以上、特に炭素数15を越える長鎖脂肪族炭化水素化合物は、近年炭化水素系プラスチックの熱分解生成物の主要成分としてよく知られているが、工業的用途に乏しくその価値が低い。従って、これらをより価値の高いベンゼンやトルエン等を含む軽質炭化水素油に転換させるプロセスが重要になっている。そこで、炭化水素系プラスチックをゼオライト等の触媒と接触させ、炭化水素系プラスチックからより軽質な炭化水素油を直接回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。
【0003】
また、ケミカルリサイクル等に由来する有用性の低い長鎖脂肪族炭化水素化合物より有用性の高い芳香族化合物を効率よく製造することは、包摂的で持続可能な産業化の推進に寄与するものであり、SDGs等の持続可能な社会に貢献する技術の1つとして期待されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭63-178195号公報
特許第4341162号
特開2022-175167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の提案においては、ZSM-5触媒を用いることで炭化水素油の炭素数分布が炭素数5~炭素数38から炭素数5~炭素数21に低分子量化することが可能であるが、依然、炭素数11以上の付加価値の低い灯油、軽油、重油の留分が多いという課題があった。
【0006】
また、特許文献2の提案においては、炭化水素油の低分子量化が著しく進行し、特に炭素数3と炭素数4のオレフィン、パラフィンの合計選択率が高いものとなるが、それぞれの成分の生成が偏るために、既設プラントへの適用が困難、例えばエチレンプラント(ナフサクラッカー)における特定の蒸留塔への負荷が高くなり、安全性の為に過度にナフサクラッカー稼働率を下げることが必要となったり、あるいは特定の蒸留塔の新設が必要となる等、経済的な面での合理性が低くなるという課題があった。
【0007】
一方、特許文献3の提案においては、効率よく炭化水素系プラスチック生成物である長鎖脂肪族炭化水素化合物からベンゼンやトルエン等を含む軽質炭化水素油を製造することができるものの、長期的な製品品質の安定性に関しては何ら検討されていないものであった。
【0008】
そこで、炭化水素系プラスチックの熱分解生成物等として得られる長鎖脂肪族炭化水素化合物から、長期的に効率良く有用性の高いベンゼン及びトルエン等を含む芳香族化合物を製造する方法の出現が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、長鎖脂肪族炭化水素化合物を特定のゼオライトを含む触媒と接触することにより、ベンゼン及びトルエンを同時に含む芳香族化合物を効率的かつ安定的に製造する方法となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、炭素数12~30の脂肪族炭化水素化合物を亜鉛含有MFI型ゼオライトを含む触媒に接触し、少なくともベンゼン及びトルエンを製造することを特徴とする芳香族化合物の製造方法に関するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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