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公開番号2024087827
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022202699
出願日2022-12-20
発明の名称繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法、および繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240625BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】繊維強化熱可塑性樹脂組成物のリサイクル時に強化繊維の折損を見かけ上再生して優れた機械特性を発現すると共にクローズドリサイクルに有効な繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物を得ること。
【解決手段】
熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の成形工程で発生した工程端材、ならびに製品として使用後に回収された成形品から選択される少なくともいずれかを破砕し、(A)成形品破砕物を得て、該(A)成形品破砕物と、特定の(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物とを、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-20%以上、20%以下となるように、混合することを特徴とする繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の工程端材、ならびに該繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品を製品として使用後に回収された成形品から選択される少なくともいずれかを破砕し、(A)成形品破砕物を得て、該(A)成形品破砕物と、(A)成形品破砕物と熱可塑性樹脂種が実質的に同じである(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物とを、混合する繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-20%以上、20%以下となるように、(A)成形品破砕物1~99重量%に対して、(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物99~1重量%を、混合することを特徴とする繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-35%以上、35%以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の密度と(A)成形品破砕物の密度の差を、(A)成形品破砕物の密度で除した値の百分率が-10%以上、10%以下となるように、(A)成形品破砕物1~99重量%に対して、(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物99~1重量%を、混合することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の密度と(A)成形品破砕物の密度の差を、(A)成形品破砕物の密度で除した値の百分率が-15%以上、15%以下であることを特徴とする請求項3に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物が、強化繊維束の周囲を被覆するように熱可塑性樹脂が配置されている芯鞘構造であることを特徴する請求項1に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記強化繊維が、ガラス繊維および炭素繊維から選択される少なくともいずれかである請求項1~5のいずれかに記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の工程端材、ならびに該繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品を製品として使用後に回収された成形品から選択される少なくともいずれかを破砕した(A)成形品破砕物を1~99重量%、ならびに該(A)成形品破砕物と熱可塑性樹脂種が実質的に同じである(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を99~1重量%混合してなる繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物であって、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-20%以上、20%以下である、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックの再生利用に関するものであり、再生利用されていない繊維強化熱可塑性樹脂組成物と比較して機械特性の低下が極めて小さい繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、熱可塑性樹脂のリサイクルが加速しており、特に使用後の製品を同じ製品としてリサイクルするクローズドリサイクルの要求が高まっている。
【0003】
熱可塑性樹脂は、ガラス繊維や炭素繊維に代表される強化繊維を配合して繊維強化樹脂組成物として用いられるが、繊維強化樹脂組成物は成形および再生の工程で強化繊維が破損するため、再生利用した樹脂組成物(以下、再生材とする)は再生利用されていない樹脂組成物(以下、未使用材とする)に比べ機械特性が低下する課題があり、未使用材に再生材を10~20%程度混合してリサイクルすることが一般的であった。
【0004】
これらの問題に対し、繊維強化樹脂組成物の再生材の強度向上手法として、リサイクル樹脂組成物の成形において発生する回収成形物の粉砕品をペレット化せずに、原料樹脂および樹脂用添加剤とを含む混合物とし、溶融混練したリサイクル樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、リサイクル樹脂と長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを混合することで、リサイクル樹脂組成物の強度を向上する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-26719号公報
特開平11-166054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された製造方法は、回収成形物の熱履歴を減らす手法であり、リサイクル樹脂組成物のガラス繊維が更に折損することは抑制できるが、既にガラス繊維が折損して機械特性が低下したものを再生する技術とは言いがたい。また、特許文献2はリサイクル樹脂組成物中のガラス繊維長のみかけ上の再生が可能だが、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットのガラス繊維量や比重がリサイクル樹脂とは異なるため、得られるリサイクル樹脂組成物の組成をリサイクル樹脂とは同組成にできず、クローズドリサイクルには適用できない。本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂組成物のリサイクル時に強化繊維の折損を見かけ上再生して優れた機械特性を発現すると共に、クローズドリサイクルに有効な繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる成形品を破砕して得られた成形品破砕物に、特定の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を特定量混合することで、組成の変動を抑制しながら折損した強化繊維を見かけ上再生させることで、上記課題が解消されることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
1.熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の工程端材、ならびに該繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品を製品として使用後に回収された成形品から選択される少なくともいずれかを破砕し、(A)成形品破砕物を得て、該(A)成形品破砕物と、(A)成形品破砕物と熱可塑性樹脂種が実質的に同じである(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物とを、混合する繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-20%以上、20%以下となるように、(A)成形品破砕物1~99重量%に対して、(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物99~1重量%を、混合することを特徴とする繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
2.前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-35%以上、35%以下であることを特徴とする1項に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
3.前記繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の密度と、(A)成形品破砕物の密度の差を、(A)成形品破砕物の密度で除した値の百分率が-10%以上、10%以下となるように、(A)成形品破砕物1~99重量%に対して、(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物99~1重量%を、混合することを特徴とする1または2項に記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
4.前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物の密度と(A)成形品破砕物の密度の差を、(A)成形品破砕物の密度で除した値の百分率が-15%以上、15%以下であることを特徴とする1~3項のいずれかに記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
5.前記(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物が、強化繊維束の周囲を被覆するように熱可塑性樹脂が配置されている芯鞘構造であることを特徴する1~4項のいずれかに記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
6.前記強化繊維が、ガラス繊維および炭素繊維から選択される少なくともいずれかである1~5項のいずれかに記載の繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
7.熱可塑性樹脂および強化繊維を配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物の工程端材、ならびに該繊維強化熱可塑性樹脂組成物からなる成形品を製品として使用後に回収された成形品から選択される少なくともいずれかを破砕した(A)成形品破砕物を1~99重量%、ならびに該(A)成形品破砕物と熱可塑性樹脂種が実質的に同じである(B)長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を99~1重量%混合してなる繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物であって、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物の灰分率と(A)成形品破砕物の灰分率の差を、(A)成形品破砕物の灰分率で除した値の百分率が-20%以上、20%以下である、繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法により得られる繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物は、リサイクル後であっても、未使用材を使用した場合と同等の機械的強度、成形加工性を保持しつつ、射出成形用途などの広範な分野での利用が可能となる。これらの特性を有する繊維強化再生熱可塑性樹脂組成物は、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する材料となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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