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公開番号2024087196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201849
出願日2022-12-19
発明の名称架橋アクリル-スチレン重合体粒子、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法。
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08F 212/08 20060101AFI20240624BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明は、架橋重合体粒子をポリエステルフィルムに添加した際、透明性に優れ、凝集物による欠点の抑制の効果を有する、架橋重合体粒子および粒子含有樹脂組成物、製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
架橋アクリルースチレン重合体粒子を含む粒子であって、前記粒子の体積平均粒子径が0.09~1.0μmであり、前記架橋アクリルースチレン重合体はアクリル系モノマー単位が18~30モル%、スチレン系モノマー単位が70~82モル%を有し、前記粒子の粉末をディスク化した表面での水の接触角が30~50°である架橋アクリルースチレン重合体粒子。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋アクリルースチレン重合体粒子を含む粒子であって、前記粒子の体積平均粒子径が0.09~1.0μmであり、前記架橋アクリルースチレン重合体はアクリル系モノマー単位が18~30モル%、スチレン系モノマー単位が70~82モル%を有し、前記粒子の粉末をディスク化した表面での水の接触角が30~50°であることを特徴とする架橋アクリルースチレン重合体粒子。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
請求項1記載の架橋アクリルースチレン重合体粒子を含有するポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
【請求項3】
ジメチルテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを主成分とするジオールとのエステル交換反応ならびに重縮合反応によって、ポリエステルを製造するに際し、エステル交換反応後に前記架橋アクリルースチレン重合体粒子を添加することを特徴とする請求項2記載のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋アクリル-スチレン重合体粒子、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂は機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す)は、機械特性、熱特性、耐薬品性、成形性に優れ、表面制御のしやすさなどから様々な用途に用いられている。そのPETをフィルム化したPETフィルム、中でも二軸配向PETフィルムは、その優れた機械的特性や熱特性、寸法安定性、表面特性などから、例えば、塗布型磁気記録テープ用ベースフィルムや、コンデンサー用材料などの各種工業材料用や、ドライフィルムレジスト(以下、DFRと記す)基材用、積層セラミックコンデンサー製造工程用、偏光板離型用などの離型・工程用フィルムなどの工程用紙用や、フレキシブルディスプレイや有機ELなどの透明電極基板用といった光学材料用として使用されている。
【0003】
例えば、磁性層をポリエステルフィルムに塗布して形成する塗布型磁気記録テープ用では、磁性面側となる平滑面と、走行面となる粗面のそれぞれを構成する2層以上の構造を持つことが一般的であるが、このベースフィルムは、粗大な突起や欠点がない平坦な表面を有することが求められる。特に磁性面側の平滑面については、粒子の凝集などの表面欠点がなく、電磁変換特性に優れることと、走行面に関しては、走行面の突起や表面欠点がテープ加工時に磁性面に転写するなどして、磁性面側に欠点を作らないことの2点が重要である。一方、ベースフィルムの巻取性や走行性という生産性が不安定であると、均一な磁性層を効率的に製造することができず、ポリエステルフィルムに滑剤としての粒子を含有させて、表面に突起などを形成することが求められる。この2つの要求は相反するものであり、これらの要求を満たすために、特許文献1では、球状シリカ粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、シリカーアクリル複合粒子のいずれかをポリエステルに添加し、分散性を高めた粒子含有樹脂をフィルムに用いる方法が提案されている。
【0004】
また、DFR基材用フィルムであればプリント配線基板、半導体パッケージ、フレキシブル基板などの回路を形成するために用いられている。DFRは、感光層(フォトレジスト層)を、支持体としてのポリエステルフィルム上に積層させた後、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルムなどからなる保護フィルム(カバーフィルム)で挟んだ構造をしている。このDFRを用いて導体回路を作成するには、一般的に次のような工程で行われる。
【0005】
1)DFRから保護フィルムを剥離し、露出したレジスト層の表面と、基板上の銅箔などの導電性基材層の表面とが密着するように、基板・導電性基材層とラミネートする工程。
2)次に、導体回路パターンを焼き付けたフォトマスクを、ポリエステルフィルムからなる支持体上に置き、その上から、感光性樹脂を主体としたレジスト層に紫外線を照射して、露光させる工程。
3)その後、フォトマスクおよびポリエステルフィルムを剥離した後、溶剤によってレジスト層中の未反応分を溶解、除去する工程。
4)次いで、酸などでエッチングを行い、導電性基材層中の露出した部分を溶解、除去する工程。
【0006】
4)の工程の後には、レジスト層中の光反応部分とこの光反応部分に対応する導電性基材層部分がそのまま残り、その後、残ったレジスト層を除去する工程を経て、基板上の導体回路が形成されることになる。このため、支持体であるポリエステルフィルムには、紫外線を効率的に透過できることが要求される。これにより、導体回路パターンが、正確にレジスト層上に反映される。また、支持体としてのポリエステルフィルムは、支持体上にレジスト層を形成してレジストフィルムを製造する際のハンドリング性を良好にするために、適度なすべり性を有することが重要であるが、適度なすべり性を付与するために滑剤としての粒子を含有させた場合、含有させた粒子の凝集により、露光工程時の紫外線照射の際、凝集体による光散乱が透過、反射共に引き起こされ、レジストの解像度を低下させてしまうという問題が生じていた。
【0007】
この課題を解決するために、特許文献2では、有機架橋高分子粒子と酸化アルミニウム微粒子をポリエステルに添加し、分散性を高めた粒子マスターをフィルムに用いる方法が提案されている。
また、凝集粒子を低減する方法として、特許文献3および特許文献4では架橋アクリルースチレン重合体粒子を用いる方法も提案され、特許文献5および特許文献6には、架橋アクリルースチレン重合体粒子の製造方法が提案されている。しかし、PET樹脂組成物中の粒子が凝集して粗大粒子となる問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第6158640号
特開2014-098136
特開2021-059649
特開2022-034541
特開2021-195550
特開2022-079565
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記提案では近年の磁気記録テープ用における高密度記録の要求を満たすための磁気記録媒体表面の平滑性の向上の要求やDFR基材用におけるプリント配線板の微細化、高密度化に伴い、配線の幅や配線の間隔の高解像化が求められており、基材フィルムの露光阻害物低減が要求されている。
【0010】
これら事情に鑑み、本発明は、架橋アクリルースチレン重合体粒子をポリエステル樹脂組成物の重合時添加した際に粒子の分散性に優れ、また粒子分散性に優れた架橋アクリルースチレン重合体粒子を含むポリエステル樹脂組成物をポリエステルフィルムに添加した際、透明性に優れ、凝集物による欠点の抑制と、粒子の脱落抑制に効果を有する、架橋アクリルースチレン重合体粒子およびポリエステル樹脂組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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