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公開番号2024084015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198168
出願日2022-12-12
発明の名称医療用ゴム製品
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08J 7/00 20060101AFI20240617BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ガンマ線滅菌後も非溶出特性が維持され、かつ、医療用品の製造工程でトラブルの少ない医療用ゴム製品の滅菌方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の医療用ゴム製品は、弾性体で形成され、ガンマ線或いは電子線(ベータ線)を照射して滅菌された医療用ゴム製品であって、前記弾性体の表面部位を、FT-IRを用いて、ATR法により測定したとき、得られる赤外吸収スペクトルにおける波数1650cm-1付近の赤外線吸収ピークの面積Asと、波数1470cm-1付近の赤外吸収ピークの面積Bsとしたとき、Ss=(As/Bs)×100≦6であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
弾性体で形成され、ガンマ線或いは電子線(ベータ線)を照射して滅菌された医療用ゴム製品であって、前記弾性体の表面部位を、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、全反射測定法(ATR法)により測定したとき、得られる赤外吸収スペクトルにおける波数1650cm
-1
付近の赤外線吸収ピークの面積をAsとし、波数1470cm
-1
付近の赤外吸収ピークの面積をBsとしたとき、Ss=(As/Bs)×100≦6であることを特徴とする医療用ゴム製品。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記医療用ゴム製品の中心部から切り出して、露出した内部の赤外吸収スペクトルを測定したとき、前記内部は、波数1650cm
-1
付近の赤外線吸収ピークの面積をAiとし、波数1470cm
-1
付近のピーク面積をBiとし、Si=(Ai/Bi)×100としたとき、P=(Ss/Si)×100≦150である請求項1に記載の医療用ゴム製品。
【請求項3】
前記弾性体は、(a)ハロゲン化ブチルゴムを含有する基材ポリマーと、(c)架橋剤としてトリアジン誘導体とを含有するゴム組成物の硬化物である請求項1に記載の医療用ゴム製品。
【請求項4】
前記ハロゲン化ブチルゴムは、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合体ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の医療用ゴム製品。
【請求項5】
前記ゴム組成物は、さらに(b)ポリエチレンを含有する請求項3に記載の医療用ゴム製品。
【請求項6】
(b)前記ポリエチレンは、結晶化度が70%以下のポリエチレンを含有する請求項5に記載の医療用ゴム製品。
【請求項7】
(b)前記ポリエチレンの含有量は、(a)基材ポリマー100質量部に対して、3質量部以上、30質量部以下である請求項5に記載の医療用ゴム製品。
【請求項8】
前記弾性体は、J1S-A硬さが30度~70度、JIS K6262に準拠して、70℃、22時間、25%の条件で測定した圧縮永久ひずみが20%以下である請求項1に記載の医療用ゴム製品。
【請求項9】
医療用ゴム製品は、バイアル瓶のゴム栓、シリンジ用のキャップ、プランジャストッパー、または、真空採血管用ゴム栓である請求項1~8のいずれか一項に記載の医療用ゴム製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ゴム製品に関するものであり、より詳細には、滅菌された医療用ゴム製品に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
シリンジ、バイアル瓶などの開口部を密封する医療用ゴム栓には、非溶出性、高清浄性、耐薬品性、耐針刺性、自己密封性、高摺動性など多くの項目が必須とされている。医療用ゴム栓に要求される品質特性は、その用途上、第17改正日本薬局方の輸液用ゴム栓試験に準拠すべきである。
【0003】
例えば、特許文献1には、ハロゲン化ブチルゴム100重量部当り超高分子量ポリエチレン微粉末を5~25重量部配合したハロゲン化ブチルゴムを、亜鉛化合物の不存在下に、2-置換-4,6-ジチオール-s-トリアジン誘導体の少なくとも1種又は有機過酸化物を用いて加硫してなることを特徴とする医薬品容器用ゴム栓が開示されている。
【0004】
医療用ゴム製品(シリンジ用ガスケットやバイアル栓など)を滅菌保証した状態で納入するレディトウユース(RTU:READY TO USE)の要求が高まっている。滅菌保証方法として、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌、ガンマ線滅菌がある。ガンマ線滅菌は、医療用ゴム製品を包装したまま滅菌できるので、包装を開封せずに納入できるメリットがある。EOG滅菌は、環境問題もあり、ガンマ線滅菌へ切り替わる傾向がある。
【0005】
ガンマ線滅菌は、吸収線量の設定と実測値で滅菌保証している。複数個の医療用ゴム製品を包装袋へ袋詰めして、ガンマ線滅菌する場合、包装袋内で医療用ゴム製品の偏りが生じる場合がある。そのため、包装袋に所定の照射線量でガンマ線を照射しても、包装袋内でガンマ線の吸収線量のバラツキが生じて、ガンマ線の吸収線量が低くなるものと、ガンマ線の吸収線量が高くなるものが生じる。しかしながら、医療用ゴム製品のそれぞれについて滅菌できる最低吸収線量を確保する必要があり、包装袋には、最低吸収線量以上のガンマ線を照射する必要がある。そのため、包装袋の中には、ガンマ線滅菌時に過剰のガンマ線を吸収する医療用ゴム製品が生じる。
【0006】
特許文献2には、イソブチレン共重合体を主成分とし、密度が0.95以下である、ゴム組成物であって放射線処理が容易な医療用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴム組成物又はその架橋体が開示されている。
【0007】
特許文献3には、医薬品容器の栓を始めとするエラストマー製の部品(1)を包装する方法であって、空気を実質上通さない材質の1次袋(10)の中に部品(1)を詰めるステップと、前記1次袋(10)の中に、少なくとも80%が窒素の雰囲気を適用するステップとを含み、前記1次袋(10)を2次袋(20)の中に入れ、前記1次袋(10)と前記2次袋(20)との間を真空状態にすることを特徴とする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平10-179690号公報
特開2002-301133号公報
特表2017-531604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
医療用ゴム製品にガンマ線を照射して滅菌すると、医療用ゴム製品を構成するポリマーの切断と架橋が同時に起こる。過剰のガンマ線を吸収すると、医療用ゴム製品を構成するポリマー主鎖の切断が促進されて、低分子成分が生成する。そのため、ガンマ線滅菌後の医療用ゴム製品の溶出性能が悪化する。また、切断した低分子成分がゴム製品表面にブリードアウトし、医療用ゴム製品同士が密着することによって、医療用品の製造工程で用いられるバーツフィーダ詰まりのトラブルが発生する。
【0010】
過剰のガンマ線を吸収することに備えて、医療用ゴム製品に酸化防止剤を配合することも考えられるが、酸化防止剤の添加は、溶出特性の低下、薬剤への悪影響が懸念される。
(【0011】以降は省略されています)

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