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公開番号2024083145
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022197499
出願日2022-12-09
発明の名称フィルム及びフィルム前駆体、積層体及び積層体前駆体、並びに配線基板
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240613BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】配線歪みが抑制され、かつ、耐熱性に優れるフィルム等の提供。
【解決手段】誘電正接が0.01以下であり、160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、25℃における弾性率が170MPa以下である、フィルム及びその応用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
誘電正接が0.01以下であり、
160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、
25℃における弾性率が170MPa以下である、フィルム。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
2%質量減少温度が430℃以上である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
熱硬化性樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記熱硬化性樹脂は、シルセスキオキサンポリマーを含む、請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
誘電正接が0.01以下であり、
160℃における弾性率が1.0MPa以下であり、
250℃で1時間加熱した後における、160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
250℃で1時間加熱した後における、290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、
250℃で1時間加熱した後における、25℃における弾性率が170MPa以下である、フィルム前駆体。
【請求項6】
層Aと、前記層Aの少なくとも一方の面上に配置された層Bとを含み、
前記層Bは、誘電正接が0.01以下であり、
前記層Bの160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
前記層Bの290℃における弾性率が3.0MPa以上である、積層体。
【請求項7】
前記層Bの25℃における弾性率が170MPa以下である、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記層Bは、2%質量減少温度が430℃以上である、請求項6又は請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記層Bは、熱硬化性樹脂を含む、請求項6又は請求項7に記載の積層体。
【請求項10】
前記熱硬化性樹脂は、シルセスキオキサンポリマーを含む、請求項9に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルム及びフィルム前駆体、積層体及び積層体前駆体、並びに配線基板
に関する
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、通信機器に使用される周波数は非常に高くなる傾向にある。高周波帯域における伝送損失を抑えるため、回路基板に用いられる絶縁材料の比誘電率と誘電正接とを低くすることが要求されている。回路基板を構成する部材として銅張積層板が好適に用いられ、銅張積層板の製造には、フィルムが好適に用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、誘電正接が0.01以下であるポリマー、及び、硬化性化合物を含み、上記硬化性化合物が、オリゴマー又はポリマーである硬化性化合物Aを含むポリマーフィルムが記載されている。特許文献2には、スチレン系ポリマーと、無機フィラーと、硬化剤と、を含む樹脂組成物であって、スチレン系ポリマーが、カルボキシル基を有する酸変性スチレン系ポリマーであり、無機フィラーは、シリカ及び/又は水酸化アルミニウムであり、無機フィラーの粒径は、1μm以下であり、無機フィラーの含有量は、スチレン系ポリマー100質量部に対して20~80質量部であり、樹脂組成物は、25μmの厚さを有するフィルムの形態において、式(A)及び(B)を満たす、樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/138665号
特開2018-135506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、銅張積層板は、ポリマーフィルムの表面に銅箔を積層することによって製造される。また、配線基板は、銅張積層板と配線基材とを、銅張積層板におけるフィルムと配線基材とが接するように重ね合わせることによって製造される。配線基板を製造する場合には、密着性の観点から、配線基材の表面に形成されている段差に対してポリマーフィルムが追従して変形することが求められている。
一方、銅張積層板に、配線基材に対する配線歪みが抑制されるポリマーフィルムを用いた場合に、電子部品を実装する際に行うリフローはんだ付け工程において、層間剥離が生ずる場合があった。このため、配線基材に対する配線歪みが抑制されることと、リフローはんだ付けの際の密着性に優れること(すなわち、耐熱性に優れること)との両立が求められていた。
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、配線と貼り合わせた場合に配線歪みが抑制され、かつ、耐熱性に優れるフィルム及びフィルム前駆体、並びに、積層体及び積層体前駆体を提供することである。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、配線歪みが抑制され、かつ、耐熱性に優れる配線基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1>
誘電正接が0.01以下であり、
160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、
25℃における弾性率が170MPa以下である、フィルム。
<2>
2%質量減少温度が430℃以上である、<1>に記載のフィルム。
<3>
熱硬化性樹脂を含む、<1>又は<2>に記載のフィルム。
<4>
熱硬化性樹脂は、シルセスキオキサンポリマーを含む、<3>に記載のフィルム
<5>
誘電正接が0.01以下であり、
160℃における弾性率が1.0MPa以下であり、
250℃で1時間加熱した後における、160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
250℃で1時間加熱した後における、290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、
250℃で1時間加熱した後における、25℃における弾性率が170MPa以下である、フィルム前駆体。
<6>
層Aと、層Aの少なくとも一方の面上に配置された層Bとを含み、
層Bは、誘電正接が0.01以下であり、
層Bの160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、
層Bの290℃における弾性率が3.0MPa以上である、積層体。
<7>
層Bの25℃における弾性率が170MPa以下である、<6>に記載の積層体。
<8>
層Bは、2%質量減少温度が430℃以上である、<6>又は<7>に記載の積層体。
<9>
層Bは、熱硬化性樹脂を含む、<6>~<8>のいずれか1つに記載の積層体。
<10>
熱硬化性樹脂は、シルセスキオキサンポリマーを含む、<9>に記載の積層体。
<11>
層Bは、厚さが5μm~50μmである、<6>~<10>のいずれか1つに記載の積層体。
<12>
層Aは、液晶ポリマーを含む、<6>~<11>のいずれか1つに記載の積層体。
<13>
液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルアミドを含む、<12>に記載の積層体。
<14>
芳香族ポリエステルアミドは、下記式1で表される構成単位、下記式2で表される構成単位、及び下記式3で表される構成単位を含み、式1、式2、及び式3で表される構成単位の合計含有量に対して、式1で表される構成単位の含有量は30モル%~80モル%であり、式2で表される構成単位の含有量は10モル%~35モル%であり、式3で表される構成単位の含有量は10モル%~35モル%である、<13>に記載の積層体。
-O-Ar

-CO- …式1
-CO-Ar

-CO- …式2
-NH-Ar

-O- …式3
式1~式3中、Ar

、Ar

、及びAr

はそれぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。
<15>
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、配線と貼り合わせた場合に配線歪みが抑制され、かつ、耐熱性に優れるフィルム及びフィルム前駆体、並びに、積層体及び積層体前駆体が提供される。
また、本発明の他の実施形態によれば、配線歪みが抑制され、かつ、耐熱性に優れる配線基板が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念で用いられる語であり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの両方を包含する概念として用いられる語である。
また、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
さらに、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel SuperHM-H(東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤PFP(ペンタフルオロフェノール)/クロロホルム=1/2(質量比)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
【0010】
[第1フィルム]
本開示に係るフィルム(以下、「第1フィルム」ともいう)は、誘電正接が0.01以下であり、160℃における弾性率に対する290℃における弾性率の比率が0.6以上であり、290℃における弾性率が3.0MPa以上であり、25℃における弾性率が170MPa以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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