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公開番号2024081270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022194770
出願日2022-12-06
発明の名称活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及びフィルム
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 290/12 20060101AFI20240611BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ヘイズ等の他の特性を変化・悪化させることなく、防眩性を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物の提供。
【解決手段】本発明は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)及び微粒子(C)を含有し、微粒子(C)が式(1)~(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、有機微粒子(C1)は、有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、有機微粒子(C2)は、有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は有機微粒子(C1)~(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は有機微粒子(C1)~(C2)の屈折率である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)、及び微粒子(C)を含有し、
前記微粒子(C)が、下記式(1)及び下記式(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、
前記有機微粒子(C1)は、前記有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、
前記有機微粒子(C2)は、前記有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の屈折率である。)
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が水酸基を有する化合物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、有機架橋微粒子である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、架橋されたアクリル-スチレン共重合微粒子である、請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の屈折率が、1.48~1.66である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに当該組成物を用いたフィルムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は様々な機能を持つ基材の積層体であり、近年、低コスト化と高精細化との要求が高まっている。
FPD表面(視認側)には各種樹脂フィルムが用いられるが、樹脂フィルムの表面は柔らかく耐擦傷性が低いため、これを補う目的で硬化塗膜(ハードコート層)をフィルム表面に設けることが一般的に行われている。具体的には、ロール状に巻いてあるフィルム原反からフィルムを塗工機へ送り出た後、活性エネルギー線硬化性組成物等からなるハードコート剤をフィルム表面に塗工・乾燥し、紫外線等の活性エネルギー線の照射によりハードコート剤を硬化してハードコート層を形成した後、再度ロール状に巻き取ることにより、ハードコート層を有するフィルム(ハードコートフィルム)が製造される。
【0003】
FPD最表層を形成するハードコート層としては、下層の樹脂フィルムを保護するのみならず、様々な機能を有するものが求められている。
求められる機能の一つとして蛍光灯などの映り込みを軽減する効果(防眩性)がある。ハードコート層に防眩性を付与する方法としては、有機又は無機の微粒子を含有するハードコート剤を用い、ハードコート層表面に微細な凹凸構造を設けて光を乱反射させる方法が知られている。
【0004】
微細な凹凸構造によるギラ付き感やざらつき感を抑制し、ヘイズによる像鮮明度の低下を抑制して高精細ながら適切な範囲の防眩性を発現させ、白ボケ抑制や視認性低下抑制を制御するためには、大きな凹凸と小さな凹凸を組み合わせて用いることが有効であるとされている。
例えば特許文献1には、光透過性基材と、該光透過性基材の少なくとも一方の面上に形成され、表面に凹凸形状を有する拡散層とを有する防眩性フィルムとして、拡散層中の微粒子の50%以上が互いの中心を結ぶ直線が前記光透過性基材の表面に対して傾斜角をなすように凝集した2個の凝集体を形成している防眩性フィルムが開示されている。
特許文献2には、特許文献1と同様の構成を有する防眩性フィルムにおいて、拡散層の有機微粒子2種とバインダー成分との含有量、平均粒子径、屈折率差が特定の数式を充足する防眩性フィルムが開示されている。
また、特許文献3には、少なくとも透明基材フィルムと防眩層とを積層してなる防眩フィルムとして、防眩層が少なくとも屈折率の異なる第1の透光性微粒子及び第2の透光性微粒子を透光性樹脂中に含み、第1の透光性微粒子の屈折率は第2の透光性微粒子の屈折率よりも大きく、透光性樹脂と第1の透光性微粒子の屈折率差が0.04~0.20である防眩フィルムが開示されている。
特許文献4には、重量平均分子量1万以上の光重合性(メタ)アクリル樹脂を含む光重合性成分、平均粒子径1.0~2.8μmの有機及び/又は無機微粒子、並びに、光重合開始剤を含有し、23℃における粘度が1mPa・s以上1000mPa・s以下である光硬化性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-197330号公報
国際公開第2012/046664号
特開2009-86677号公報
特開2016-45448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1~4に記載の発明では1種又は2種の微粒子によって防眩性の制御を試みた発明である。しかしながらこれら特許文献1~4に記載された防眩性制御方法には未だ改良の余地があった。
防眩性の代替評価方法として一般的な透過鮮明度を用いる場合、用いる2種類の粒子量を変えることで透過鮮明度の制御が可能であることが知られている。しかしながら、特許文献1~3の実施例のように屈折率が大きく異なる2種の微粒子を併用した場合、粒子量、粒子比率を変更すると光学特性として重要なヘイズも大きく変化してしまうため、透過鮮明度とヘイズのバランスを取ることが困難となる。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ハードコート層に求められるヘイズ等の他の特性を変化・悪化させることなく、防眩性(透過鮮明度)を容易かつ厳密に制御可能なハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びそれを用いたフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、有機溶剤に対する凝集性・分散性が異なり、且つ特定の関係式を充足する2種の有機微粒子を併用することにより、他の特性を損なうことなく防眩性を制御できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明に関するものである。
[1]活性エネルギー線硬化性化合物(A)、有機溶剤(B)、及び微粒子(C)を含有し、前記微粒子(C)が、下記式(1)及び下記式(2)の関係性を満たす有機微粒子(C1)及び有機微粒子(C2)を含有し、前記有機微粒子(C1)は、前記有機溶剤(B)を構成する全ての有機溶剤中で凝集するものであり、前記有機微粒子(C2)は、前記有機溶剤(B)を構成する少なくとも1以上の有機溶剤中に分散するものであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性組成物。
0.8×dC1≦dC2≦1.2×dC1 (1)
nC1-0.01≦nC2≦nC1+0.01 (2)
(式中、dC1、dC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の平均粒子径であり、nC1、nC2は、それぞれ有機微粒子(C1)、有機微粒子(C2)の屈折率である。)
[2]前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が、側鎖に(メタ)アクリロイル基を含有するアクリル系樹脂である、[1]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記活性エネルギー線硬化性化合物(A)が水酸基を有する化合物である、[1]又は[2]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、有機架橋微粒子である、[1]~[3]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[5]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)が、架橋されたアクリル-スチレン共重合微粒子である、[4]の活性エネルギー線硬化性組成物。
[6]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の平均粒子径が、0.05μm~10μmである、[1]~[5]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[7]前記有機微粒子(C1)及び前記有機微粒子(C2)の屈折率が、1.48~1.66である、[1]~[6]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物。
[8][1]~[7]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
[9][1]~[7]のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有する積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、有機溶剤に対する凝集性・分散性が異なり、且つ特定の関係式を充足する2種の有機微粒子を併用することで、ヘイズを変化させることなく、所望の防眩性を有するハードコート層を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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