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公開番号2024124582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2024111345,2023531456
出願日2024-07-10,2022-03-31
発明の名称表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物
出願人DIC株式会社,GreenEarthInstitute株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 77/04 20060101AFI20240905BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物の提供。
【解決手段】架橋ポリアスパラギン酸組成物の粒子を含み、前記粒子の表面が無機粒子で修飾されている、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。前記架橋ポリアスパラギン酸組成物が、ポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物又はポリスクシンイミド組成物の架橋反応物の加水分解物であり、前記ポリアスパラギン酸組成物が、前記ポリスクシンイミド組成物の加水分解物であり、前記ポリスクシンイミド組成物が、アスパラギン酸組成物の重合反応物であり、前記アスパラギン酸組成物が、アスパラギン酸と、不純物と、を含み、前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記不純物の含有量が0.02質量%以上1.1質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋ポリアスパラギン酸組成物の粒子を含み、前記粒子の表面が無機粒子で修飾されている、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物であって、
前記架橋ポリアスパラギン酸組成物が、ポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物又はポリスクシンイミド組成物の架橋反応物の加水分解物であり、
前記ポリアスパラギン酸組成物が、前記ポリスクシンイミド組成物の加水分解物であり、
前記ポリスクシンイミド組成物が、アスパラギン酸組成物の重合反応物であり、
前記アスパラギン酸組成物が、
アスパラギン酸と、不純物と、を含み、
前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記不純物の含有量が0.02質量%以上1.1質量%以下である、
表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸を含む、請求項1に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項3】
前記アスパラギン酸が、微生物により生産されたものである、請求項1又は2に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項4】
架橋ポリアスパラギン酸組成物の粒子を含み、前記粒子の表面が無機粒子で修飾されている、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物であって、
前記架橋ポリアスパラギン酸組成物が、ポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物又はポリスクシンイミド組成物の架橋反応物の加水分解物であり、
前記ポリアスパラギン酸組成物が、前記ポリスクシンイミド組成物の加水分解物であり、
前記ポリスクシンイミド組成物が、
ポリスクシンイミドと、不純物と、を含み、
前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記不純物の含有量が、0.001質量%以上1.1質量%以下である、
表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項5】
前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸を含む、請求項4に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項6】
架橋ポリアスパラギン酸組成物の粒子を含み、前記粒子の表面が無機粒子で修飾されている、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物であって、
前記架橋ポリアスパラギン酸組成物が、ポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物であり、
前記ポリアスパラギン酸組成物が、
ポリアスパラギン酸と、不純物と、を含み、
前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、及び有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記不純物の含有量が、0.001質量%以上1.1質量%以下である、
表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項7】
前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸又はその塩を含む、請求項6に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
【請求項8】
請求項1、4、又は6に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物を含む、架橋ポリアスパラギン酸含有製品。
【請求項9】
前記架橋ポリアスパラギン酸含有製品が、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、又は徐放剤である、請求項8に記載の架橋ポリアスパラギン酸含有製品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラギン酸組成物、並びにポリアスパラギン酸組成物、架橋ポリアスパラギン酸組成物、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物、及びそれらの製造方法に関する。また、ポリスクシンイミド組成物、架橋ポリスクシンイミド組成物、及びそれらの製造方法に関する。さらに、架橋ポリアスパラギン酸含有製品、及び架橋ポリアスパラギン酸含有製品の製造方法に関する。
本願は、2021年6月29日に、日本に出願された特願2021-107638号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアスパラギン酸は、生分解性を有するポリカルボン酸であり、化学構造がポリアクリル酸に類似している。そのため、ポリアスパラギン酸は、ポリアクリル酸を代替する保水性の高い生分解性素材として期待されている。ポリアスパラギン酸を得る方法としては、アスパラギン酸の脱水縮合反応によりポリスクシンイミドを得た後、ポリスクシンイミドをアルカリ加水分解する方法等が知られている(特許文献1)。
【0003】
ポリスクシンイミドの原料となるアスパラギン酸は、工業的には、石油由来のフマル酸とアンモニアを原料として、アスパルターゼを用いて合成される。しかしながら、石油資源の枯渇等の問題から、微生物を利用したバイオプロセスによりアスパラギン酸を製造する方法が検討されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-176312号公報
国際公開第2020/208842号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、アスパラギン酸からポリアスパラギン酸を得る工程では、中間体であるポリスクシンイミドの重合反応速度が遅いと認識していた。アスパラギン酸からポリアスパラギン酸を得る工程を効率化するためには、中間体であるポリスクシンイミドの重合反応速度を速くし、高分子量のポリマーとすることが望ましい。また、アスパラギン酸を用いて、保水性の高い架橋ポリアスパラギン酸を効率的に得られることが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、架橋ポリアスパラギン酸組成物の効率的な製造に使用可能なアスパラギン酸組成物を提供することを課題とする。また、前記アスパラギン酸組成物から得られる、高分子量のポリスクシンイミドを含有するポリスクシンイミド組成物、及び、保水性の高い架橋ポリアスパラギン酸組成物等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]アスパラギン酸と、不純物と、を含み、前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記不純物の含有量が0.02質量%以上1.1質量%以下である、アスパラギン酸組成物。
[2]前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸を含む、[1]に記載のアスパラギン酸組成物。
[3]前記アスパラギン酸が、微生物により生産されたものである、[1]又は[2]に記載のアスパラギン酸組成物。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載のアスパラギン酸組成物を用いて、前記アスパラギン酸の重合反応を行うことを含む、ポリスクシンイミドの製造方法。
[5]前記重合反応が混錬装置内で行われる、[4]に記載のポリスクシンイミドの製造方法。
[6]ポリスクシンイミドと、不純物と、を含み、前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記不純物の含有量が、0.001質量%以上1.1質量%以下である、ポリスクシンイミド組成物。
[7]前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸を含む、[6]に記載のポリスクシンイミド組成物。
[8][1]~[3]のいずれか1つに記載のアスパラギン酸組成物の重合反応物である、ポリスクシンイミド組成物。
[9][6]~[8]のいずれか1つに記載のポリスクシンイミド組成物の加水分解物である、ポリアスパラギン酸組成物。
[10]ポリアスパラギン酸と、不純物と、を含み、前記不純物が、アスパラギン酸以外のアミノ酸、及び有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記不純物の含有量が、0.001質量%以上1.1質量%以下である、ポリアスパラギン酸組成物。
[11]前記不純物が前記アスパラギン酸以外のアミノ酸又はその塩を含む、[10]に記載のポリアスパラギン酸組成物。
[12][9]~[11]のいずれか1つに記載のポリアスパラギン酸組成物の架橋反応物である、架橋ポリアスパラギン酸組成物。
[13][6]~[8]のいずれか1つに記載のポリスクシンイミド組成物の架橋反応物である、架橋ポリスクシンイミド組成物。
[14][13]に記載の架橋ポリスクシンイミド組成物の加水分解物である、架橋ポリアスパラギン酸組成物。
[15][12]又は[14]に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物の粒子を含み、前記粒子の表面が無機粒子で修飾されている、表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物。
[16][12]又は[14]に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物、又は[15]に記載の表面修飾架橋ポリアスパラギン酸組成物を含む、架橋ポリアスパラギン酸含有製品。
[17]前記架橋ポリアスパラギン酸含有製品が、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、又は徐放剤である、[15]に記載の架橋ポリアスパラギン酸含有製品。
[18][1]~[3]のいずれか1つに記載のアスパラギン酸組成物を用いて、前記アスパラギン酸の重合反応を行い、ポリスクシンイミドを含むポリスクシンイミド組成物を得る工程と、前記ポリスクシンイミド組成物を用いて、前記ポリスクシンイミドの加水分解反応を行い、ポリアスパラギン酸を含むポリアスパラギン酸組成物を得る工程と、を含む、ポリアスパラギン酸組成物の製造方法。
[19][18]に記載のポリアスパラギン酸組成物の製造方法により、ポリアスパラギン酸組成物を得る工程と、前記ポリアスパラギン酸組成物を用いて、前記ポリアスパラギン酸の架橋反応を行い、架橋ポリアスパラギン酸を含む架橋ポリアスパラギン酸組成物を得る工程と、を含む、架橋ポリアスパラギン酸組成物の製造方法。
[20][1]~[3]のいずれか1つに記載のアスパラギン酸組成物を用いて、前記アスパラギン酸の重合反応を行い、ポリスクシンイミドを含むポリスクシンイミド組成物を得る工程と、前記ポリスクシンイミド組成物を用いて、前記ポリスクシンイミドの架橋反応を行い、架橋ポリスクシンイミドを含む架橋ポリスクシンイミド組成物を得る工程と、前記架橋ポリスクシンイミド組成物を用いて、前記架橋ポリスクシンイミドの加水分解反応を行い、架橋ポリアスパラギン酸を含む架橋ポリアスパラギン酸組成物を得る工程と、を含む、架橋ポリアスパラギン酸組成物の製造方法。
[21][19]又は[20]に記載の架橋ポリアスパラギン酸組成物の製造方法により、架橋ポリアスパラギン酸組成物を得る工程と、前記架橋ポリアスパラギン酸組成物を用いて、架橋ポリアスパラギン酸含有製品を製造する工程と、を含む、架橋ポリアスパラギン酸含有製品の製造方法。
[22]前記架橋ポリアスパラギン酸含有製品が、界面活性剤、増粘剤、減粘剤、膨潤剤、吸水剤、ゲル化剤、結合剤、成膜剤、凝集剤、接着剤、表面改質剤、又は徐放剤である、[21]に記載の架橋ポリアスパラギン酸含有製品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アスパラギン酸組成物が、所定量のアミノ酸、有機酸等の不純物を含有することにより、当該アスパラギン酸組成物を用いて重合反応を行うことで、高分子量のポリスクシンイミドを含有するポリスクシンイミド組成物を得ることができる。また、前記ポリスクシンイミド組成物から、保水性の高い架橋ポリアスパラギン酸組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
アスパラギン酸組成物の重合反応で生成されるポリスクシンイミドの重量平均分子量(Mw)を経時的に測定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。本明細書において、「~」は、「~」という記載の前の値以上、「~」という記載の後の値以下を意味する。
[アスパラギン酸組成物]
一態様において、本発明は、ポリスクシンイミドを製造するためのアスパラギン酸組成物を提供する。前記アスパラギン酸組成物は、アスパラギン酸と、不純物と、を含む。前記不純物は、アスパラギン酸以外のアミノ酸、有機酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む。前記アスパラギン酸組成物における前記不純物の含有量は、0.02質量%以上1.1質量%以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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