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公開番号2024078693
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-11
出願番号2022191188
出願日2022-11-30
発明の名称細胞培養方法
出願人東洋製罐グループホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/10 20060101AFI20240604BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 細胞を未分化の状態でスフェアの形態により増殖させる場合において、スフェアの崩壊を抑制することの可能な細胞培養方法を提供する。
【解決手段】 細胞を未分化の状態で増殖させる細胞培養方法であって、培地への細胞の播種時にROCK阻害剤を培地に添加した後、前記細胞からなるスフェアを形成させ、培地に対して新たな培地の追加又は培地交換を行うにあたり、培地におけるROCK阻害剤の濃度を2μM以上に維持する。また、培地におけるROCK阻害剤の濃度を、2μM以上、10μM以下に維持することが好ましい。さらに、ROCK阻害剤がY-27632であることが好ましい。
【選択図】 図4

特許請求の範囲【請求項1】
細胞を未分化の状態で増殖させる細胞培養方法であって、
培地への前記細胞の播種時にROCK阻害剤を前記培地に添加した後、前記細胞からなるスフェアを形成させ、前記培地に対して新たな培地の追加又は培地交換を行うにあたり、前記培地における前記ROCK阻害剤の濃度を2μM以上に維持する
ことを特徴とする細胞培養方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記培地における前記ROCK阻害剤の濃度を、2μM以上、10μM以下に維持する
ことを特徴とする請求項1記載の細胞培養方法。
【請求項3】
前記ROCK阻害剤が、AZD-5363,Fasudil,GSK-429286A,H89,Pantoprazole,Pantoprazole Sodium Sesquihydrate,RKI-1447,Thiazovivin,Y-27632のうち、一つ以上から選択されることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養方法。
【請求項4】
前記ROCK阻害剤が、Y-27632であることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養方法。
【請求項5】
前記細胞が、iPS細胞、又はES細胞であることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養方法。
【請求項6】
前記細胞の培養を、バイオリアクター、軟包材からなる培養バッグ、又は培養プレートを用いて行うことを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養技術に関し、特にスフェアの形態で細胞を培養する技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、細胞の大量培養の手段として、バイオリアクターなどを用いて、細胞をスフェアの形態で培養することが盛んに行なわれている。
しかし、スフェアを長期間培養していると、その形状が崩れて培養効率が落ちるという現象が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2016/093359号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
A ROCK inhibitor permits survival of dissociated human embryonic stem cells(NATURE BIOTECHNOLOGY VOLUME 25 NUMBER 6 JUNE 2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
具体的には、例えば、30mLバイオリアクターにiPS細胞を250万個播種して培養を行うことによって細胞凝集塊(スフェア)を作成した。培養1日目に2/3の培地交換を1回行い、次いで培養4日目に2/3の培地交換を1回行い、培養5日目と培養6日目に2/3の培地交換を2回行い、培養7日目まで培養を行った。
その結果、一般的に綺麗な形状のスフェアは、図1(A)に示すように球状になっているところ、培養5日目のスフェアは、図1(B)に示すようにやや角張っており、培養7日目のスフェアは、図1(C)に示すように大きく崩壊した形状となっていることが観察された。
【0006】
本発明者らは、その原因について鋭意研究し、細胞と基材の間、又は細胞と細胞の間の接着を失って単個の細胞(シングルセル)になった当該細胞が細胞死を起こすのを阻害するためにその細胞の播種時にのみ培地に添加する試薬であるROCK阻害剤の濃度が、培地交換を重ねるごとに低下して、ある一定以下の濃度になったときにスフェアが崩れるのではないかと推測した。
そして、細胞の播種時にROCK阻害剤を培地に添加した後、培地交換を行うにあたり、培地におけるROCK阻害剤の濃度を、一定以上に制御することによって、スフェアの崩壊を抑制できることを見いだした。
【0007】
ここで、特許文献1には、幹細胞を分化誘導するための分化誘導培地にROCK阻害剤を含有させてスフェアを製造することが開示されている。
また、非特許文献1には、ES細胞を分化誘導させるために、分化誘導の初期6日間にROCK阻害剤を入れ続けることによって、細胞の生存率、増殖率が上昇したことが開示されている。
しかしながら、これらの文献には、細胞を未分化の状態で増殖させる場合に、ROCK阻害剤の濃度を制御することによって、スフェアの崩壊を抑制することについては、記載も示唆もされていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細胞を未分化の状態でスフェアの形態により増殖させる場合において、スフェアの崩壊を抑制することの可能な細胞培養方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の細胞培養方法は、細胞を未分化の状態で増殖させる細胞培養方法であって、培地への前記細胞の播種時にROCK阻害剤を前記培地に添加した後、前記細胞からなるスフェアを形成させ、前記培地に対して新たな培地の追加又は培地交換を行うにあたり、前記培地における前記ROCK阻害剤の濃度を2μM以上に維持する方法としてある。
【0010】
また、本発明の細胞培養方法は、前記培地における前記ROCK阻害剤の濃度を、2μM以上、10μM以下に維持する方法とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養方法は、前記ROCK阻害剤が、AZD-5363,Fasudil,GSK-429286A,H89,Pantoprazole,Pantoprazole Sodium Sesquihydrate,RKI-1447,Thiazovivin,Y-27632のうち、一つ以上から選択される方法とすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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