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公開番号2024075042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-03
出願番号2022186178
出願日2022-11-22
発明の名称ポリウレタン接着剤用ポリオール組成物、ポリウレタン接着剤用プレポリマー及びポリウレタン接着剤、並びにそれらの製造方法
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類C08G 18/82 20060101AFI20240527BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリウレタン樹脂の分解物を原料に用い、市販品と同等のポットライフ及び接着性を有するポリウレタン接着剤を与えるポリオール組成物並びにその製造方法を提供する。本発明はSDGs(Sustainable Development Goals)のGoal12等の達成に貢献し得る。
【解決手段】ポリウレタン樹脂に熱及び/又は分解剤を作用させて得られるポリウレタン樹脂分解物(A)並びにポリエーテルポリオール及びカルボン酸エステルからなる群より選択される希釈剤(B)を配合してなる、ポリウレタン接着剤用ポリオール組成物。ポリウレタン樹脂分解物(A)及び希釈剤(B)の合計100質量%に対し、前記分解物(A)を20質量%以上、希釈剤(B)を0~80質量%配合してなり;前記分解物(A)はポリエーテルポリオール由来の構造を含み;前記組成物の水酸基価が1~120mg-KOH/g、全アミン価が1~50mg-KOH/gである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリウレタン樹脂分解物(A)、並びにポリエーテルポリオール及びカルボン酸エステルからなる群より選択される希釈剤(B)を配合してなる、ポリウレタン接着剤用ポリオール組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂分解物(A)はポリウレタン樹脂に熱及び/又は分解剤を作用させて得られるものであり、
前記ポリウレタン樹脂分解物(A)及び前記希釈剤(B)の合計100質量%に対して、前記ポリウレタン樹脂分解物(A)を20質量%以上、前記希釈剤(B)を0~80質量%配合してなり、
前記ポリウレタン樹脂分解物(A)は、ポリエーテルポリオール由来の構造を含み、
前記ポリオール組成物において、水酸基価が1~120mg-KOH/gであり、全アミン価が1~50mg-KOH/gである、ポリオール組成物。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記ポリウレタン樹脂が、ウレタンフォーム由来の廃材である、請求項1に記載のポリオール組成物。
【請求項3】
前記ポリウレタン樹脂分解物(A)は、芳香族ポリイソシアネート由来の構造をさらに含む、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
【請求項4】
前記希釈剤(B)が、数平均分子量1,000~20,000のポリエーテルポリオールである、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
【請求項5】
前記分解剤が1価のアルコールである、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のポリオール組成物、及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、ポリウレタン接着剤用のプレポリマー。
【請求項7】
請求項6に記載のプレポリマーを含む、ポリウレタン接着剤。
【請求項8】
湿気硬化型である、請求項7に記載のポリウレタン接着剤。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のポリオール組成物の製造方法であって、以下の工程:
工程1:ポリウレタン樹脂に熱及び/又は分解剤を作用させ、ポリウレタン樹脂を分解する工程、並びに
工程2:工程1で得られた分解物を精製して、ポリウレタン樹脂分解物を得る工程
を含む、製造方法。
【請求項10】
前記工程1において、ポリウレタン樹脂に少なくとも分解剤を作用させ、
工程3:工程2で得られたポリウレタン樹脂分解物と前記希釈剤(B)を混合する工程、及び
工程4:工程3で得られた混合物から分解剤を留去する工程
をさらに含む、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン樹脂のリサイクル技術に関し、詳しくはポリウレタン樹脂を化学的に分解して得られた分解物を配合してなるポリウレタン接着剤用ポリオール組成物、ポリウレタン接着剤用プレポリマー及びポリウレタン接着剤、並びにそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
地球環境の保全及び有限な資源の有効利用の立場から、リサイクルは、最も重要な社会的要請の一つである。プラスチックは産業資材及び一般消費資材として広く使われており、そのリサイクルへの取り組みも進んでいる。しかしながら、ポリウレタン樹脂を始めとする熱硬化性プラスチックは、熱を加えても溶融しないために再成形が難しく、加工後の用途が限定されてしまうという問題があった。現状では、ポリウレタン樹脂、特に発泡ポリウレタンの廃材を破砕し、接着剤と混ぜ合わせて成形するマテリアルリサイクルが主流となっている。
【0003】
ポリウレタン樹脂をグリコール分解、アミン分解等によりケミカルリサイクルする方法についても研究されている。例えば、特許文献1では、ウレタン樹脂を主として含む混合樹脂に、ジエタノールアミン等のウレタン樹脂の分解剤を反応させて液状物質にする分解工程と、所定の温度に加熱した状態で前記液状物質から分解物をろ過する工程とを有する、ウレタン樹脂の分解方法が開示されている。特許文献2では、ポリウレタンをメタノール又はエタノール中に入れ、触媒としてメタノラートを使用し、所定の温度及び圧力下でポリウレタンを分解する方法が開示されている。非特許文献1では、ポリウレタンのリサイクルについて概説されており、加水分解、アミノ分解、加リン酸分解、グリコール分解等の手段によりポリウレタンを分解できること;グリコール分解剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の2価のアルコールが使用できることが開示されている。
【0004】
このようにして得られたポリウレタン樹脂の分解物を成形体、接着剤等に使用することも提案されている。例えば、特許文献3では、第1のウレタン樹脂と、第2のウレタン樹脂を化学的に分解して得られたウレタン分解物と、エポキシ基等を2つ以上有する化合物とを混合し反応させてなる成型体が開示されている。特許文献4及び非特許文献2では、ポリウレタンの廃材からアミン分解物を得て、これを最終的にイミド化合物としたうえでホットメルト接着剤とする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-105238号公報
欧州特許第3590999号明細書
特開2006-274042号公報
特開2018-141163号公報
【非特許文献】
【0006】
D. Simon, A.M. Borreguero, A. de Lucas, J.F. Rodriguez. “Recycling of polyurethanes from laboratory to industry, a journey towards the sustainability.”, Waste Management, 76 (2018), 147-171.
真壁浩二、刈込道徳、木村隆夫、「発泡ポリウレタン廃材からのホットメルト接着剤の調製と評価」、廃棄物資源循環学会論文誌、Vol.23、No.3、pp.138-143(2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、ポリウレタン樹脂の廃材を有効利用する方法として、これをケミカルリサイクルし、得られたポリウレタン樹脂分解物をポリウレタン接着剤の原料として使用することを検討した。しかしながら、特許文献1及び2並びに非特許文献1のポリウレタン樹脂分解物をそのまま使用し、ポリイソシアネート化合物と反応させて、ポリウレタン接着剤用のプレポリマーとする場合、前記プレポリマーは固化してしまい、ポリウレタン接着剤とできないという問題があった。
特許文献3及び4並びに非特許文献2は、ポリウレタン樹脂分解物からポリウレタン接着剤を得ることを目的としておらず、これらの文献において開示されるポリウレタン樹脂分解物をポリウレタン接着剤の原料として使用した場合には、同様に、プレポリマーの固化等の問題があった。
【0008】
よって、本発明は、従来難しかったポリウレタン樹脂の分解物を原料に用い、市販品と同等のポットライフ及び接着性を有するポリウレタン接着剤を与えるポリオール組成物、プレポリマー並びにその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討した結果、ポリウレタン樹脂分解物を所定の割合で含み、水酸基価及び全アミン価を所定の範囲としたポリオール組成物を使用することによって、ポリウレタン接着剤とした場合に、ポットライフ及び接着性が大きく改善することを見出し、本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明は、以下に関する。
[1]ポリウレタン樹脂分解物(A)、並びにポリエーテルポリオール及びカルボン酸エステルからなる群より選択される希釈剤(B)を配合してなる、ポリウレタン接着剤用ポリオール組成物であって;前記ポリウレタン樹脂分解物(A)はポリウレタン樹脂に熱及び/又は分解剤を作用させて得られるものであり;前記ポリウレタン樹脂分解物(A)及び前記希釈剤(B)の合計100質量%に対して、前記ポリウレタン樹脂分解物(A)を20質量%以上、前記希釈剤(B)を0~80質量%配合してなり;前記ポリウレタン樹脂分解物(A)は、ポリエーテルポリオール由来の構造を含み;前記ポリオール組成物において、水酸基価が1~120mg-KOH/gであり、全アミン価が1~50mg-KOH/gである、ポリオール組成物。
[2]前記ポリウレタン樹脂が、ウレタンフォーム由来の廃材である、[1]に記載のポリオール組成物。
[3]前記ポリウレタン樹脂分解物(A)は、芳香族ポリイソシアネート由来の構造をさらに含む、[1]又は[2]に記載のポリオール組成物。
[4]前記希釈剤(B)が、数平均分子量1,000~20,000のポリエーテルポリオールである、[1]~[3]のいずれか1つに記載のポリオール組成物。
[5]前記分解剤が1価のアルコールである、[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリオール組成物。
[6][1]~[5]のいずれか1つに記載のポリオール組成物、及びポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、ポリウレタン接着剤用のプレポリマー。
[7][6]に記載のプレポリマーを含む、ポリウレタン接着剤。
[8]湿気硬化型である、[7]に記載のポリウレタン接着剤。
[9][1]~[5]のいずれか1つに記載のポリオール組成物の製造方法であって、以下の工程:工程1:ポリウレタン樹脂に熱及び/又は分解剤を作用させ、ポリウレタン樹脂を分解する工程、並びに工程2:工程1で得られた分解物を精製して、ポリウレタン樹脂分解物を得る工程を含む、製造方法。
[10]前記工程1において、ポリウレタン樹脂に少なくとも分解剤を作用させ、工程3:工程2で得られたポリウレタン樹脂分解物と前記希釈剤(B)を混合する工程、及び工程4:工程3で得られた混合物から分解剤を留去する工程をさらに含む、[9]に記載の製造方法。
[11]前記分解剤が1価のアルコールである、[9]又は[10]に記載の製造方法。
[12]工程1における分解温度及び/又は分解剤の沸点が100~270℃である、[9]~[11]のいずれか1つに記載の製造方法。
[13][9]~[12]のいずれか1つに記載の製造方法で得られたポリオール組成物、及びポリイソシアネート化合物を反応させる工程を含む、ポリウレタン接着剤用のプレポリマーの製造方法。
[14]ポリイソシアネート化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート及び/又はヘキサメチレンジイソシアネートである、[13]に記載の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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