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公開番号2024085264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199703
出願日2022-12-14
発明の名称ニオブ含有酸化物粉末、それを用いた電極、及び蓄電デバイス
出願人UBE株式会社
代理人弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類H01M 4/485 20100101AFI20240619BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】非水電解質蓄電デバイスの電極材料として用いられ、エネルギー密度向上と放電レート特性改善、ならびに低温領域での電池性能改善や全固体電池における性能を改善することができるニオブ含有酸化物粉末、それを用いた電極、及び蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】一般式Ti1-x/2Nb2O7-x(0≦x<2)で表されるニオブ含有酸化物粉末であって、前記ニオブ含有酸化物粉末の一次粒子の表面に元素M1(M1は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、セリウム(Ce)、およびモリブデン(Mo)からなる元素群から選ばれるいずれか一つ以上)が局所的に存在し、一次粒子のD10が0.40μm以上、であり、一次粒子のD90が4.3μm以下であり、かつ、次式(I)を満たすことを特徴とする非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末。
log10(D90)-log10(D10)≦0.8 (I)
(なお、D90とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が90%となる点の粒径を示し、D10とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が10%となる点の粒径を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式Ti
1-x/2
Nb


7-x
(0≦x<2)で表されるニオブ含有酸化物粉末であって、前記ニオブ含有酸化物粉末の一次粒子の表面に元素M1(M1は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、セリウム(Ce)、およびモリブデン(Mo)からなる元素群から選ばれるいずれか一つ以上)が局所的に存在し、一次粒子のD10が0.40μm以上、であり、一次粒子のD90が4.3μm以下であり、かつ、次式(I)を満たすことを特徴とする非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末。
log
10
(D90)-log
10
(D10)≦0.8 (I)
(なお、D90とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が90%となる点の粒径を示し、D10とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が10%となる点の粒径を示す。)
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記ニオブ含有酸化物粉末において、ニオブ含有酸化物粉末全体に占める元素M1の含有率(質量%)が0.2以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末。
【請求項3】
前記ニオブ含有酸化物粉末において、次式(II)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末。
0.42≦log
10
(D90)-log
10
(D10)≦0.8 (II)
(なお、D90とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が90%となる点の粒径を示し、D10とは粒度分布において一次粒子の粒径の累積体積分布が10%となる点の粒径を示す。)
【請求項4】
前記ニオブ含有酸化物粉末において、CuKα線をX線源とする広角X線回折法による回折ピークについて、次式(III)を満たす事を特徴とする請求項3に記載の非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末。


/I

×100≦0.1 (III)
(I

:2θ=27.4°±0.2°の範囲内に現れるTiO

ルチル相に帰属されるピークの強度、I

:2θが24.0°±0.1°の範囲内または26.0±0.1°の範囲内に現れる一般式Ti
1-x/2
Nb


7-x
(0≦x<2)で表されるニオブ含有酸化物のメインピークの強度)
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のニオブ含有酸化物粉末を含むことを特徴とする非水電解質蓄電デバイス用の電極。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載のニオブ含有酸化物粉末と、無機固体電解質とを含む非水電解質蓄電デバイス用の負極活物質組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の電極を含むことを特徴とする非水電解質蓄電デバイス。
【請求項8】
正極層、負極層および固体電解質層を備えた全固体二次電池であって、前記負極層が請求項6に記載の負極活物質組成物を含む層である全固体二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの電極材料等として好適なニオブ含有酸化物粉末、それを用いた電極、及び蓄電デバイスに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車用の蓄電デバイスには、燃費または電費向上の観点から高いエネルギー密度が求められ、特にリチウムイオン電池は、電気自動車や電力貯蔵用の電源として広く使用されている。リチウムイオン電池の電極材料として種々の材料が研究されており、チタン酸リチウムは入出力特性に優れる点があるものの、エネルギー密度が175mAh/gに留まるため、更なる高エネルギー化には課題が残る。そこで代替候補として、380mAh/gと高いエネルギー密度を持つチタン酸ニオブを中心とするニオブ含有酸化物を負極材料として活用する動きが見られている。
【0003】
また、現在市販されているリチウムイオン電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時に備えて温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止の構造が必要になる。このような状況下で有機電解液に代えて、無機固体電解質を用いた全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は正極、負極および電解質すべてが固体からなるため、有機電解液を用いた電池の課題である安全性、信頼性を大きく改善できる可能性があり、また安全装置の簡略化が図れることから高エネルギー密度化が可能となるため、電気自動車や大型蓄電池等への応用が期待されている。
【0004】
特許文献1には、A

TiM

Nb
2―y

7±z
(0≦x≦5、0≦y≦0.5、-0.3≦z≦0.3、MはTi及びNb以外の少なくとも一種類の金属、AはLiまたはNa、前記Mは、Mg、Al、V、Fe、Mo、Sn及びWよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属)で表される単斜晶型のニオブチタン複合酸化物が開示されている。特許文献1によれば、蓄電デバイスの電極材料として適用した場合に、高容量で大電流放電性能とサイクル寿命性能に優れた活物質を提供することができるとされている。
【0005】
特許文献2には、レーザー回折散乱法によって得られる粒度分布チャートにおいて、D50に対するD10の比(D10/D50)が0.10~0.60の範囲内にあり、且つ、D50に対するD90の比(D50/D90)が0.20~0.50の範囲内にあるニオブチタン複合酸化物粒子と、前記ニオブチタン複合酸化物が開示されている。特許文献2によれば、放電容量、急速充放電特性及びサイクル寿命特性に優れる蓄電デバイスが得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-224625号公報
特開2021-190250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のチタン酸ニオブを負極材料として適用した蓄電デバイスでは、置換元素量が多いと電池の初期容量(電池容量)が低下するという課題があった。なお、電池容量を上げるメリットとして、単位重量または単位面積(単位体積)あたりのエネルギー密度向上に繋がるので、電気自動車の走行距離延長や蓄電池の設置スペース確保に繋がる点などが挙げられる。
【0008】
特許文献2の活物質では、電解液との副反応抑制や電極の集電体からの剥離または電極の柔軟性、さらに電極密度の観点から、ニオブチタン複合酸化物粒子の粒度分布でのD50に対するD10の比(D10/D50)やD50に対するD90の比(D50/D90)が一定の範囲に規定されているが、表面処理を施したチタン酸ニオブに関する知見は一切開示されておらず、また低温特性の改善に関する知見も示されていない。加えて、ニオブチタン複合酸化物を全固体二次電池に適用した場合の性能に関する記載は一切見られない。
【0009】
以上の点から、特許文献1や特許文献2の負極活物質や電極を使用した蓄電デバイスでは、エネルギー密度向上と放電レート特性改善、ならびに低温領域での電池性能改善や全固体電池におけるレート特性の改善を両立することはできない。
【0010】
そこで本発明では、非水電解質蓄電デバイスの電極材料として用いられ、エネルギー密度を維持しながら放電レート特性、及び、低温入力特性に優れ、さらに全固体電池でもレート特性の改善が期待できる非水電解質蓄電デバイスの電極用ニオブ含有酸化物粉末、それを用いた電極、及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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