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公開番号2024086378
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022201474
出願日2022-12-16
発明の名称電圧調整装置
出願人株式会社ダイヘン
代理人個人,個人
主分類H01F 29/04 20060101AFI20240620BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】予め整定された基準電圧に近接するように効率的に目標タップ位置を決定する電圧調整装置を提供する。
【解決手段】電圧調整装置100は、直列変圧器2と、調整変圧器3と、調整変圧器の複数の巻線夫々が有するタップを切り換えて選択するための切換スイッチS1~S6、SSを備えるタップ切替器4とを有する。タップ切換器は、タップに関する処理を行う制御部を備える。制御部は、電源側における三相の線間電圧それぞれを示す1次側電圧値又は負荷側における三相の線間電圧夫々を示す2次側電圧値を取得し、取得した1次側電圧値又は2次側電圧値と、予め定められている基準電圧値とに基づき、タップの切り換えにて決定されるタップ位置に応じた偏差を含む伝達関数行列を用いて、三相それぞれにおける基準電圧値に対応する目標タップ位置それぞれを決定し、決定した三相それぞれの目標タップ位置に応じて、調整変圧器におけるタップを切り換える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
三相交流を電源から負荷に配電する配電線に二次巻線が直列に接続される直列変圧器と、
前記配電線に一次巻線が並列に接続された調整変圧器と、
前記調整変圧器の複数の巻線それぞれが有するタップを切り換えて選択するための切換スイッチを備え、前記巻線それぞれについて選択されたタップを結線して交流を出力する負荷時タップ切換器とを含む電圧調整装置であって、
前記負荷時タップ切換器は、前記タップに関する処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記電源側における三相の線間電圧それぞれを示す1次側電圧値、又は前記負荷側における三相の線間電圧それぞれを示す2次側電圧値を取得し、
前記取得した1次側電圧値又は2次側電圧値と、予め定められている基準電圧値とに基づき、前記タップの切り換えにて決定されるタップ位置に応じた偏差を含む伝達関数行列を用いて、三相それぞれにおける前記基準電圧値に対応する目標タップ位置それぞれを決定し、
決定した三相それぞれの前記目標タップ位置に応じて、前記調整変圧器における前記タップを切り換える
電圧調整装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記伝達関数行列の成分は、前記タップ位置に対する素通しタップからの偏差を含み、
前記偏差に対する係数は、前記直列変圧器の変圧比と、前記調整変圧器における1タップ分の変圧比差とを含む
請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項3】
三相それぞれにおける前記目標タップ位置を決定するための算式それぞれは、前記伝達関数行列における複数の成分を含み、
前記算式それぞれに含まれる複数の成分は、前記伝達関数行列における同じ行の成分である
請求項2に記載の電圧調整装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記1次側電圧値又は前記2次側電圧値の一方を入力側電圧値として取得した場合、他方を出力側電圧値として取得し、
三相の線間電圧それぞれにおける前記基準電圧値と前記出力側電圧値とに基づき、三相それぞれにおける昇降圧方向の組合せを導出し、
前記昇降圧方向の組合せに応じたタップ組合せを定義する正規化伝達関数を用いて、導出した三相の前記昇降圧方向の組合せに対応する複数の候補タップ組合せを抽出し、
抽出した複数の候補タップ組合せそれぞれを適用した場合の出力側電圧値と入力側電圧値との比率を算出し、
前記算出した比率と、前記基準電圧値と前記取得した入力側電圧値との比率に基づき、三相それぞれにおける前記目標タップ位置を決定する
請求項3に記載の電圧調整装置。
【請求項5】
前記制御部は、
三相それぞれにおいて、前記候補タップ組合せによる出力側電圧値が、前記基準電圧値に対し整定されている不感帯に属するか否かを判定し、
前記判定結果に基づき、複数の前記候補タップ組合せの内、不感帯に属する相が最多となる候補タップ組合せを、前記目標タップ位置として決定する
請求項4に記載の電圧調整装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記不感帯に属する相が最多となる候補タップ組合せが複数存在する場合、該候補タップ組合せにて算出される出力側電圧値と基準電圧値との偏差が最小となる候補タップ組合せを、前記目標タップ位置として決定する
請求項5に記載の電圧調整装置。
【請求項7】
前記調整変圧器の一次巻線がデルタ結線され、前記調整変圧器の二次巻線がY結線され、前記直列変圧器の一次巻線がデルタ結線されており、
逆送電状態において、前記伝達関数行列は、以下にて示される
請求項2に記載の電圧調整装置。
TIFF
2024086378000042.tif
20
170
但し、
Ns:直列変圧器の変圧比
Nt(nu):u相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nv):v相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nw):w相における素通しタップからタップ位置までの偏差
【請求項8】
前記調整変圧器の一次巻線がV結線され、前記調整変圧器の二次巻線がV結線され、前記直列変圧器の一次巻線がデルタ結線されており、
逆送電状態において、前記伝達関数行列は、以下にて示される
請求項2に記載の電圧調整装置。
TIFF
2024086378000043.tif
20
170
但し、
Ns:直列変圧器の変圧比
Nt(nu):u相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nv):v相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nw):w相における素通しタップからタップ位置までの偏差
【請求項9】
前記調整変圧器の一次巻線がV結線され、前記調整変圧器の二次巻線がV結線され、前記直列変圧器の一次巻線がY結線されており、
逆送電状態において、前記伝達関数行列は、以下にて示される
請求項2に記載の電圧調整装置。
TIFF
2024086378000044.tif
20
170
但し、
Ns:直列変圧器の変圧比
Nt(nu):u相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nv):v相における素通しタップからタップ位置までの偏差
Nt(nw):w相における素通しタップからタップ位置までの偏差
【請求項10】
順送電状態における伝達関数行列は、前記逆送電状態の伝達関数行列の逆行列にて示される
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の電圧調整装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧調整装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
いわゆる間接切換方式による電圧調整装置は、二次巻線が配電線に直列に接続される直列変圧器と、一次巻線が配電線に並列に接続され、二次巻線に複数のタップが設けられた調整変圧器と、該複数のタップを切り換えて直列変圧器の一次巻線に接続するタップ切換器とを備えている。
【0003】
タップ切換器は、直列変圧器の一次巻線に接続するタップを切り換えるための切換スイッチと、タップ切換を行う過程でタップ間に流れる矯絡電流を制限する限流抵抗器等の限流素子と、該限流素子のタップ間への接続及び切り離しを行う矯絡用スイッチとを有する。限流抵抗器及び矯絡用スイッチは直列に接続されている。タップ切換器は、切換スイッチ及び矯絡用スイッチを所定のシーケンスでオンオフすることにより、調整変圧器から直列変圧器の一次巻線に印加する調整電圧の大きさ及び極性を切り換える。
【0004】
限流抵抗器及び矯絡用スイッチの直列回路には、機械接点を有する電磁接触器等の開閉器が並列に接続されている(特許文献1参照)。この開閉器は、切換スイッチが制御不能になった場合及び配電線における短絡事故等の原因によってタップ切換器に大電流が流れた場合に閉路されるようになっている。この場合の機械接点としては、電源喪失の場合に閉路されるようにb接点(常閉接点)が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-312612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された開閉器は、出力電圧が、予め整定された基準電圧に近接するように効率的に目標タップ位置を決定する観点について考慮されていない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、予め整定された基準電圧に近接するように効率的に目標タップ位置を決定することが可能な電圧調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る電圧調整装置は、三相交流を電源から負荷に配電する配電線に二次巻線が直列に接続される直列変圧器と、前記配電線に一次巻線が並列に接続された調整変圧器と、前記調整変圧器の複数の巻線それぞれが有するタップを切り換えて選択するための切換スイッチを備え、前記巻線それぞれについて選択されたタップを結線して交流を出力する負荷時タップ切換器とを含む電圧調整装置であって、前記負荷時タップ切換器は、前記タップに関する処理を行う制御部を備え、前記制御部は、前記電源側における三相の線間電圧それぞれを示す1次側電圧値、又は前記負荷側における三相の線間電圧それぞれを示す2次側電圧値を取得し、前記取得した1次側電圧値又は2次側電圧値と、予め定められている基準電圧値とに基づき、前記タップの切り換えにて決定されるタップ位置に応じた偏差を含む伝達関数行列を用いて、三相それぞれにおける前記基準電圧値に対応する目標タップ位置それぞれを決定し、決定した三相それぞれの前記目標タップ位置に応じて、前記調整変圧器における前記タップを切り換える。
【0009】
本態様にあたっては、三相の交流電圧を配電する配電線に設けられる電圧調整装置は、直列変圧器、調整変圧器、及び負荷時タップ切換器を含み、負荷時タップ切換器は、調整変圧器のタップを切り換えて選択するための切換スイッチと、切換スイッチをオン又はオフして前記タップを切り換える制御を行う制御部を備える。これにより、負荷時タップ切換器の制御部が、調整変圧器のタップを切り換えることにより、三相における配電線(u相、v相、w相)それぞれの電圧を調整することができる。制御部は、電圧調整装置に接続される電源の側における電圧を示す1次側電圧値と、電圧調整装置に接続される負荷の側における電圧を示す2次側電圧値とを、取得する。電源側の配電線は、U相の配電線、V相の配電線及びW相の配電線を含み、これら配電線の間には、計測用変圧器が設けられている。電源側の計測用変圧器それぞれにより、電源側のUV相間の線間電圧値(UV)、VW相間の線間電圧値(VW)、及びWU相間の線間電圧値(WU)が計測(検出)される。又、負荷側の配電線は、u相の配電線、v相の配電線及びw相の配電線を含み、これら配電線の間には、計測用変圧器が設けられている。負荷側の計測用変圧器それぞれにより、負荷側のuv相間の線間電圧値(uv)、vw相間の線間電圧値(vw)、及びwu相間の線間電圧値(wu)が計測(検出)される。制御部は、電圧調整装置に接続される電源の側における電圧を示す1次側電圧値と、電圧調整装置に接続される負荷の側における電圧を示す2次側電圧値の少なくとも一方を、入力側の計測電圧値(入力側計測電圧値)として取得し、他方を出力側の計測電圧値(出力側計測電圧値)として取得する。制御部が有するROM等の記憶部に記憶されている各相における線間電圧それぞれに対応する基準電圧値を取得する。当該基準電圧値は、電圧調整装置の装置特性又は仕様に応じて、又は操作者の操作等により予め整定されており、出力側の基準電圧値に相当する。制御部は、各相における線間電圧それぞれにおいて、入力側計測電圧値として取得した1次側電圧値又は2次側電圧値と、基準電圧値とに基づき、記憶部に予め記憶されている伝達関数行列とを用いて、各相それぞれにおける目標タップ位置を決定し、当該目標タップ位置にて調整変圧器におけるタップを切り換える。間接切換方式による電圧調整装置においては、1次側と2次側の電圧比には一定の法則性があるため、電源側電圧(1次側電圧)が変動するとタップ毎の負荷側電圧(2次側電圧)は変動し、タップ位置を1タップ毎に切り換えた際の電圧(1タップ電圧)は、一様にならないことが想定される。すなわち、1タップ電圧を所定値に正規化した上での計算によっては最適な目標タップ位置に到達することが困難となり、現時点におけるタップ位置をより効率的に検出することが求められる。これに対し、各相における線間電圧において、タップの切り換えにて決定されるタップ位置に応じた偏差(素通しタップからの偏差)を含む伝達関数行列とを用いることにより、効率的に目標タップ位置を決定することができる。すなわち、間接切換方式の電圧調整装置を、伝達関数行列を用いて制御モデル化し、当該制御モデルにおいて、基準電圧値からの三相の偏差が最小となる目標タップ位置を効率的に決定(導出)することができる。
【0010】
本開示の一態様に係る電圧調整装置は、前記伝達関数行列の成分は、前記タップ位置に対する素通しタップからの偏差を含み、前記偏差に対する係数は、前記直列変圧器の変圧比と、前記調整変圧器における1タップ分の変圧比差とを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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