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公開番号2024074907
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2024060080,2021150189
出願日2024-04-03,2015-03-05
発明の名称T細胞受容体ベータ定常領域に対する抗原結合ドメインを有するキメラ抗原抗体(CAR)
出願人オートラス リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 19/00 20060101AFI20240524BHJP(有機化学)
要約【課題】TCRベータ定常領域1(TRBC1)またはTRBC2に選択的に結合する抗原結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR);細胞;そのようなCARを含むそのようなT細胞;および対象におけるT細胞リンパ腫または白血病を処置するための、そのような細胞の使用を提供すること。
【解決手段】本発明者らは、対象における悪性T細胞を、顕著な割合の健康なT細胞に影響を及ぼすことなく枯渇させることを可能にする方法を考案した。具体的には、T細胞悪性腫瘍の処置に使用するためのTRBC1特異的キメラ抗原受容体(CAR)およびTRBC2特異的キメラ抗原受容体(CAR)を開発した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
本明細書に記載の対象におけるT細胞リンパ腫または白血病を処置するための方法、物など。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、T細胞リンパ腫または白血病の処置において有用な細胞および作用因子に関する。
続きを表示(約 8,700 文字)【背景技術】
【0002】
発明の背景
リンパ系悪性腫瘍は、T細胞に由来するものまたはB細胞に由来するもののいずれかに大きく分けることができる。T細胞悪性腫瘍は、臨床的かつ生物学的に不均一な障害の群であり、合わせて非ホジキンリンパ腫の10~20%および急性白血病の20%を占める。最も一般的に同定される組織学的サブタイプは、特定不能末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS);血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)および未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)である。全ての急性リンパ芽球性白血病(ALL)のうちの一部20%がT細胞表現型である。
【0003】
これらの状態は、一般には、例えばB細胞悪性腫瘍と比較して攻撃的に挙動し、推定5年生存率はわずか30%である。T細胞リンパ腫の場合では、播種性疾患、好ましくない国際予後指標(IPI:International Prognostic Indicator)スコアおよび節外性疾患の罹患率を示す患者の高い割合を伴う。化学療法単独では通常は有効ではなく、現行の処置で治癒する患者は30%未満である。
【0004】
さらに、B細胞悪性腫瘍が抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブなどの免疫療法によって転帰が劇的に改善されるのとは異なり、T細胞悪性腫瘍を処置するために利用可能な、同等に有効であり、毒性が最小である免疫療法薬は現在存在しない。T細胞障害に対する免疫療法の開発における重要な難しさは、クローンT細胞と正常T細胞のマーカー発現がかなり重複しており、クローン(悪性)細胞を同定することが明白に可能な単一の抗原が存在しないことである。
【0005】
B細胞悪性腫瘍を処置するために汎B細胞抗原を標的とする場合にも同じ問題が存在する。しかし、この場合、B細胞コンパートメントの同時枯渇により、大多数の患者により容易に寛容される比較的軽微な免疫抑制がもたらされる。さらに、特に長期間にわたる正常Bコンパートメントの枯渇が生じる療法では、プールされた免疫グロブリンを投与することによって正常Bコンパートメントの喪失を大きく抑止することができる。T細胞悪性腫瘍を標的とする場合には状況が全く異なる。この場合、T細胞コンパートメントの同時枯渇により、重度の免疫抑制および重度の毒性が生じる。さらに、T細胞コンパートメントの喪失を減らす満足のいく方法は存在しない。
【0006】
毒性は、一部において、治療用モノクローナル抗体アレムツズマブの臨床効果によって例示される。この作用因子は、CD52を発現する細胞を溶解し、T細胞悪性腫瘍においていくらかの有効性がある。この作用因子の有用性は、T細胞の枯渇に大きく起因して細胞免疫不全が極めて大きく、感染のリスクが著しく上昇することによって著しく限定される。
【0007】
したがって、上記の不都合を伴わない、T細胞悪性腫瘍の標的化処置のための新しい方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、αβT細胞受容体/CD3複合体の図である。T細胞受容体は、6つの異なるタンパク質鎖から形成され、細胞表面上に発現するにはこれらが小胞体に集合しなければならない。CD3複合体の4つのタンパク質(CD3ζ、CD3γ、CD3εおよびCD3δ)がT細胞受容体(TCR)を包む。このTCRは、複合体に特定の抗原特異性を与え、2つの鎖:TCRαおよびTCRβで構成される。各TCR鎖は、膜に対して遠位の可変成分および膜に対して近位の定常成分を有する。ほぼ全てのT細胞リンパ腫および多くのT細胞白血病でTCR/CD3複合体が発現する。
図2は、T細胞受容体再構成の間のT細胞受容体β-定常領域(TRBC)-1とTRBC2との分離を示す図である。各TCRベータ鎖は、特定のベータ可変(V)領域、多様性(D)領域、連結(J)領域および定常(TRBC)領域のゲノム組換えにより形成される。ヒトゲノムは、TRBC1およびTRBC2として公知の2つの非常に類似した機能的に同等のTRBC遺伝子座を含有する。TCR遺伝子再構成の間、J領域がTRBC1またはTRBC2のいずれかと再結合する。この再構成は恒久的なものである。T細胞は、それらの表面上に単一のTCRの多くのコピーを発現し、したがって、各T細胞は、β鎖定常領域がTRBC1またはTRBC2のいずれかによってコードされるTCRを発現する。
図3は、ヒトTRBC1およびヒトTRBC2のアミノ酸レベルでのアラインメントを示す図である。TRBC1によってコードされるTCRβ定常鎖とTRBC2によってコードされるTCRβ定常鎖は、4つのアミノ酸の差異でのみ異なる:TRBCの3位においてK/N;TRBCの4位においてN/K;TRBCの36位においてF/Y;TRBCの135位においてV/E。
図4は、JOVI-1抗体がTRBC1には結合するがTRBC2には結合しないことを決定的に実証するグラフである。細胞の遺伝子操作を使用して、JOVI-1モノクローナル抗体がTCRβ定常鎖のTRBC1バリアントを認識することを決定的に実証した。トリシストロン性レトロウイルスカセットを生成した。これは、マイナー組織適合性抗原HA1を認識するヒトTCRのTCRα鎖およびTCRβ鎖の両方を、都合のよいマーカー遺伝子として切断型ヒトCD34と一緒にコードした。HA1 TCRは元来はTRBC2である。TRBC1をTRBC2から弁別するTCRβ定常領域内の4つの残基をTRBC1によってコードされるものに変化させた以外は第1のレトロウイルスカセットと同一である第2のレトロウイルスカセットを生成した。TCRα鎖とTCRβ鎖の両方をノックアウトしたジャーカットT細胞に、いずれかのベクターを用いて形質導入した。これらの細胞を、CD34に対する抗体とコンジュゲートした、汎TCR/CD3抗体またはモノクローナルJOVI-1のいずれかを用いて染色し、フローサイトメーターで分析した。上の列は、汎TCR/CD3抗体対CD34(形質導入のマーカー)を用いた染色を実証し、下の列はJOVI-1対CD34を用いた染色を実証する。形質導入された細胞において同様のTCR/CD3染色が実証されるが、TRBC1+ve細胞のみがJOVI-1で染色される。したがって、JOVI-1はTRBC1に特異的であり、さらに、TRBC1および2種のTCRを区別するために抗体を使用することが可能である。
図5は、JOVI-1 mAbにより、TRBCの残基3および4が認識されることによってTRBC1がTRBC2から弁別されることを示すグラフである。JOVI-1によってどのようにTRBC1がTRBC2から識別されるかを正確に決定するために、上記のHA1 TCR TRBC2構築物を変異させて2種のTRBC1/2ハイブリッドを作製した。TCRβ定常鎖の残基3および4のみをTRBC2のものからTRBC1において見いだされるものに変化させるように追加的なバリアントを生成した。残基36のみをTRBC2において見いだされるものからTRBC1において見いだされるものに変化させたさらなるバリアントを作製した。TCRノックアウトジャーカットT細胞に、これらの新しい構築物を用いて形質導入した。図4に記載されている、TRBC2およびTRBC1を形質導入した元のジャーカットを対照として使用した。ジャーカットT細胞をJOVI-1で染色し、フローサイトメーターを用いて分析した。JOVI-1の染色を形質導入されていないTCRノックアウトジャーカットT細胞の染色の上に重ねている。JOVI-1によりTRBC1 TCRを発現するジャーカットは染色されたが、TRBC2 TCRは染色されなかった。JOVI-1によりTRBC残基3および4のみがTRBC1のものであるTRBC1/2ハイブリッドは染色された。JOVI-1によりTRBC残基36のみがTRBC1のものであるジャーカットT細胞は染色されなかった。
図6は、TRBC1の正常ドナーT細胞発現の例を示すグラフである。正常ドナー末梢血単核細胞をCD3に対する抗体、CD4に対する抗体、CD8に対する抗体およびJOVI-1に対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。CD4+T細胞集団およびCD8+T細胞集団が上のパネルに示されている。この集団の各々をゲーティングし、前方散乱対JOVI-1染色をそれぞれY軸およびX軸に示す。これらのデータから、CD4+コンパートメントおよびCD8+コンパートメントの両方が、TRBC1+veである細胞およびTRBC1-veである細胞を含有することが示される。これは、1ドナーからの代表的なデータである。
図7は、何名かの正常ドナーにおけるTRBC1+T細胞を示すグラフである。10名の正常ドナーから採血し、上の図4に記載の通り末梢血単核細胞を染色した。CD4コンパートメントおよびCD8コンパートメントの両方におけるTRBC1 T細胞の割合の集計データが、中央値および範囲と共に棒グラフに示されている。全てのドナーがTRBC1+コンパートメントおよびTRBC1-コンパートメントを有した。TRBC1+細胞の%中央値=36%。
図8は、JOVI-1で染色されたT細胞悪性腫瘍由来細胞株を示すグラフである。いくつかの細胞株がT細胞悪性腫瘍から誘導されている。これらの細胞株の多くは、依然としてTCRを発現する。ジャーカット(T細胞白血病細胞株)、HPB-ALL(別のT細胞白血病細胞株)およびHD-Mar-2(T細胞リンパ腫細胞株)を試験のために選択した。これらの細胞株を汎TCR/CD3抗体で染色することにより、本発明者らは3種全てがTCRを発現することを実証することができた(左側のパネル、アイソタイプ対照染色の上に重ねた染色)。次に、JOVI-1を用いた染色により、本発明者らはこれらのT細胞株がTRBC1陰性またはTRBC1陽性のいずれかであることを決定することができた。ジャーカット細胞(TRBC1+)のみがJOVI-1で染色され、HPB-ALL細胞またはHD-Mar-2(TRBC2+)細胞はJOVI-1で染色されず、これにより、TRBC1またはTRBC2が排他的に発現されることが裏付けられる。
図9は、JOVI-1 mAbを用いたTRBC1 T細胞の選択的な死滅を示すグラフである。野生型ジャーカットT細胞(CD34-、TRBC1+)を、CD34マーカー遺伝子(CD34+TRBC2+)と共発現させたTRBC2を用いて形質導入したTCRαβノックアウトジャーカットT細胞と混合した。これらの細胞を、1時間にわたり、JOVI-1のみと一緒にインキュベートした、またはJOVI-1および補体と一緒にインキュベートした。細胞を洗浄し、CD34、アネキシンVおよび7-AADについて染色した。細胞をフローサイトメトリーによって分析した。アネキシン-V陰性かつ71AAD暗集団によって定義される生集団におけるCD34発現が下に示されている。(a)JOVI-1のみ;(b)JOVI-1と補体。TRBC1 T細胞の選択的な死滅(CD34-)が観察される。
図10は、ポリクローナルエプスタイン・バーウイルス(EBV)特異的T細胞を2つのほぼ同等のTRBC1/2集団に分割できることを示すグラフである。十分に確立された方法を使用して、発明者らは正常ドナーの末梢血からEBV特異的T細胞を選択的に増大させた。その後の株は、自己由来EBV感染B細胞(自己LCL)に対して高程度に選択的であり、同種異系EBV感染T細胞(非自己LCL)に対しては活性ではなく、また、非特異的NK活性もなかった(K562細胞に対して試験することによって測定した場合)。そのような株は、ドナーのEBV免疫を代表する。(b)JOVI-1を用いて染色したところ、これらのT細胞は、TRBC1およびTRBC2にほぼ同等に分類された。
図11は、JOVI-1 VHおよびVLのアノテートされた配列を示す図である。超可変領域に下線を引き、太字で示した。
図12は、末梢性T細胞リンパ腫はTRBC制限されるが、正常循環T細胞はTRBC制限されないことを実証するグラフである。循環T細胞リンパ腫細胞を有する患者から末梢血T細胞を採取した。末梢単核細胞を単離し、CD5、TCRおよびJOVI-1を含む抗体のパネルを用いて染色した。正常T細胞および悪性T細胞をフローにおいてCD5発現強度によって弁別することができた。CD5明(正常T細胞)は、ほぼ同等のTRBC1集団およびTRBC2集団を有した。CD5中間集団およびCD5暗集団(腫瘍)は全てTRBC2陽性であった。この患者にTRBC2を対象とする療法を行った場合、リンパ腫が根絶され、T細胞のおよそ半分が助かる。
図13は、JOVI-1に由来するVHおよびVLが正しかったこと、およびそれらを単鎖可変断片としてフォールディングさせることができることを実証するグラフである。元のハイブリドーマの上清、組換えJOVI-1抗体およびトランスフェクトされた293T細胞から生成したscFv-Fcを使用して、いくつもの細胞株:ジャーカットTCRノックアウト、野生型ジャーカット、eBFP2を共発現するベクターにおけるTRBC1 TCRを用いて形質導入したジャーカットTCRノックアウト;eBFP2を共発現するベクターにおけるTRBD2 TCRを用いて形質導入したジャーカットTCRノックアウトを染色した。染色をフローサイトメトリーによって分析した。組換え抗体およびscFvのどちらもTRBC2を発現する細胞に結合した。
図14は、異なる構成のJOVI-1に基づくCARを示す図である。CARは、一般には、結合ドメイン、スペーサー、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインで構成される。この試験では、JOVI-1 scFv;CD8ストーク(stalk)、FcR結合を除去する変異を有するヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3ドメインのいずれかに由来するスペーサー;またはヒトIgG1に由来するスペーサーで構成されるCARを生成した。
図15は、JOVI-1に基づくCARの機能を示すグラフである。正常ドナー末梢血T細胞に、上記の異なるCARを用いて形質導入した。また、対照としてCD19特異的CARを用いてT細胞に形質導入した。次いで、これらのT細胞に、標的細胞:ジャーカット-TCRノックアウト細胞およびジャーカット野生型細胞およびラジ細胞(CD19+B細胞リンパ腫株)を負荷した。異なる標的に対するエフェクターのクロム放出データが示されている。JOVI-1 CAR T細胞によりジャーカットは死滅したが、ラジ細胞またはTCRがノックアウトされたジャーカットは死滅しなかった。
図16は、JOVI-1 CAR T細胞培養物の自己パージ(self-purging)を示すグラフである。T細胞は、ほぼ同じ数のTRBC1陽性T細胞またはTRBC2陽性T細胞のいずれかのT細胞で構成されるので、CARの導入後に、培養物の「兄弟殺し」または自己パージが特定の量で起こる可能性がある。これが事実であることが実証された。本実施例では、形質導入後にCAR T細胞を染色し、フローサイトメトリーによって分析した。偽形質導入されたものと形質導入されたものとを比較することにより、T細胞集団がTRBC1陽性T細胞を失うことを観測することができる。
図17は、T細胞大顆粒白血病(T-LGL)のクローン性の調査を示すグラフである-患者A
図18は、T細胞大顆粒白血病(T-LGL)のクローン性の調査を示すグラフである-患者B
図19は、T細胞大顆粒白血病(T-LGL)のクローン性の調査を示すグラフである-患者C
図20は、ポリクローナルT細胞リンパ腫(PCTL)のクローン性の調査を示すグラフである-患者D
図21は、TRBCペプチドファージ選択戦略を示す図である。A)表面上に直接または間接的に固定化したTRBCペプチドに対する2ラウンドの固相ファージディスプレイ選択。B)ビオチン化TRBCペプチドに対する3ラウンドの液相ファージディスプレイ選択。
図22は、TRBCペプチドファージディスプレイ選択からのポリクローナルファージアウトプットの分析を示すグラフである。BSA/OAコンジュゲートとして直接固定化したTRBCペプチドに対して行った固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(A)、ストレプトアビジン/ニュートラアビジンに固定化したTRBCペプチドに対する固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(B)および液相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(C)。
図22は、TRBCペプチドファージディスプレイ選択からのポリクローナルファージアウトプットの分析を示すグラフである。BSA/OAコンジュゲートとして直接固定化したTRBCペプチドに対して行った固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(A)、ストレプトアビジン/ニュートラアビジンに固定化したTRBCペプチドに対する固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(B)および液相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(C)。
図22は、TRBCペプチドファージディスプレイ選択からのポリクローナルファージアウトプットの分析を示すグラフである。BSA/OAコンジュゲートとして直接固定化したTRBCペプチドに対して行った固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(A)、ストレプトアビジン/ニュートラアビジンに固定化したTRBCペプチドに対する固相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(B)および液相選択からのポリクローナルファージを使用したTRF結合アッセイ(C)。
図23は、pSANG10-3Fベクターの略図である。単鎖抗体(scFv)をコードする遺伝子を、T7プロモーターおよびpelBリーダー(ペリプラズム移行のため)の下流のNcoI/NotI部位にクローニングした。当該ベクターは、精製およびトリ-FLAGタグ検出のためにC末端ヘキサ-ヒスチジンタグ(His6)も含有する。
図24は、TRBC1特異的結合物質およびTRBC2特異的結合物質についての一次スクリーニングを示すグラフである。TRBC1選択(A)およびTRBC2選択(B)からの94種のscFvの、ニュートラアビジン(10μg/ml)でコーティングしたNunc Maxisorp(商標)96ウェルプレートに固定化したビオチン化TRBC1およびTRBC2(0.5μg/ml)への結合。ユウロピウムとコンジュゲートした抗FLAG抗体を使用して固定化したペプチドへのscFv結合を検出した。
図25は、TRBC1を用いて免疫したウサギ#13174由来のポリクローナル抗体血清の、TRBC1ペプチドおよびTRBC2ペプチドに対する結合を示すグラフである。TRBC1特異的抗体の(A)3回目の免疫後(B)3回目の免疫および精製後。
図26は、TRBC2ペプチドを用いて免疫したウサギ#17363由来のポリクローナル抗体血清の、TRBC1ペプチドおよびTRBC2ペプチドに対する結合を示すグラフである。TRBC2特異的抗体の(A)3回目の免疫後(B)3回目の免疫および精製後。
図27は、TRBC2ペプチドを用いて免疫したウサギ#17364由来のポリクローナル抗体血清のTRBC1ペプチドおよびTRBC2ペプチドに対する結合を示すグラフである。TRBC2特異的抗体の(A)3回目の免疫後(B)3回目の免疫および精製後。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、対象における悪性T細胞を、顕著な割合の健康なT細胞に影響を及ぼすことなく枯渇させることを可能にする方法を考案した。具体的には、T細胞悪性腫瘍の処置に使用するためのTRBC1特異的キメラ抗原受容体(CAR)およびTRBC2特異的キメラ抗原受容体(CAR)を開発した。
【0010】
したがって、第1の態様では、本発明は、TCRベータ定常領域1(TRBC1)またはTRBC2に選択的に結合する抗原結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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