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公開番号2024073859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184808
出願日2022-11-18
発明の名称ビナフチルカルボン酸の製造方法
出願人本州化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 51/09 20060101AFI20240523BHJP(有機化学)
要約【課題】光学特性に優れる樹脂原料として好適な、色相が良好なビナフチルカルボン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体を出発物質とし、下記(i)~(iii)の工程を順に行うことを特徴とする、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
(i):式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体と式(3)で表されるハロゲン化酢酸エステル体とを、酸素濃度が6容量%以下の雰囲気下又は気流下でエーテル化反応させて、式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を生成させる工程。
(ii):式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を加水分解させ、その後、酸処理する工程。
(iii):晶析することにより、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を得る工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体を出発物質とし、下記(i)~(iii)の工程を順に行うことを特徴とする、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
(i):式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体と式(3)で表されるハロゲン化酢酸エステル体とを、酸素濃度が6容量%以下の雰囲気下又は気流下でエーテル化反応させて、式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を生成させる工程。
(ii):式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を加水分解させ、その後、酸処理する工程。
(iii):晶析することにより、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を得る工程。
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(式中、R

は各々独立して直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数5~10の環状アルキル基又は炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基を表し、mは0又は1~4の整数を示す。)
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(式中、R

、mは、式(1)の定義と同じである。)
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(式中、Xはハロゲン原子を表し、R

は直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基を表す。)
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(式中、R

、mは式(1)の定義と同じであり、R

は各々独立して式(3)の定義と同じである。)
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
工程(iii)の晶析を2回実施することを特徴とする、請求項1に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
【請求項3】
工程(ii)~(iii)全てを不活性ガスの雰囲気下又は気流下で行うことを特徴とする、請求項1に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビナフチルカルボン酸の製造方法に関する。詳しくは、色相が良好な2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を得る製造方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ビナフチルカルボン酸成分を重合成分とする、ポリエステル樹脂やポリエステルカーボネート樹脂は、高屈折率及び低複屈折等の光学特性に優れ、高度の耐熱性を具備することから、光ディスク、透明導電性基盤、光学フィルター等の光学部材の原料として期待されている。中でも、下記化学式で表される、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(以下、「化合物A」という。)を重合成分として製造される樹脂は、特に、光学特性に優れるとして着目されている(例えば、特許文献1~4等)。
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上記式で表される化合物Aの製造方法としては、下記反応式に示すように、1,1’-ビナフタレン-2,2’-ジオールとクロロ酢酸エチル等のハロゲン化酢酸エステルとを反応させて、得られたジエステル体を加水分解する方法が知られている(例えば、特許文献5等)。しかしながら、当該反応により得られた化合物Aは、精製されることなく粗生成物のまま、塩化チオニルや塩化オキサリル等により酸クロライド体に変換されて使用されることが多い。
光学部材の原料としては、屈折率や透過率のみならず色相も課題となることがあり、着色により光学部材への適用が困難となるが、色相が良好なビナフチルカルボン酸の製造方法は未だ報告がない。
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【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-072872号公報
特開2018-002893号公報
特開2018-002894号公報
特開2018-002895号公報
特開2008-024650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した事情を背景としてなされたものであって、光学特性に優れる樹脂原料として好適な、色相が良好なビナフチルカルボン酸の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上述の課題解決のために鋭意検討した結果、酸素濃度を6容量%以下の雰囲気下又は気流下でエーテル化反応させることにより、色相が良好なビナフチルカルボン酸が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明は以下の通りである。
1.式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体を出発物質とし、下記(i)~(iii)の工程を順に行うことを特徴とする、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
(i):式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体と式(3)で表されるハロゲン化酢酸エステル体とを、酸素濃度が6容量%以下の雰囲気下又は気流下でエーテル化反応させて、式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を生成させる工程。
(ii):式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を加水分解させ、その後、酸処理する工程。
(iii):晶析することにより、式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を得る工程。
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(式中、R

は各々独立して直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数5~10の環状アルキル基又は炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基を表し、mは0又は1~4の整数を示す。)
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(式中、R

、mは、式(1)の定義と同じである。)
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(式中、Xはハロゲン原子を表し、R

は直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基を表す。)
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(式中、R

、mは式(1)の定義と同じであり、R

は各々独立して式(3)の定義と同じである。)
2.工程(iii)の晶析を2回実施することを特徴とする、1.に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
3.工程(ii)~(iii)全てを不活性ガスの雰囲気下又は気流下で行うことを特徴とする、1.に記載の2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色相が良好なビナフチルカルボン酸を得ることが可能である。
本発明の製造方法は、樹脂原料等の工業的な使用において非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法における反応では、下記の反応式に示すとおり、式(1)で表される1,1’-ビナフチル-2,2’-ジオール体を出発物質とし、式(3)で表されるハロゲン化酢酸エステル体をエーテル化反応させて、式(4)で表される2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を生成させ、得られた2,2’-ビス(アルコキシカルボニルメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を加水分解した後、酸処理して式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体を得られる。
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【0009】
式(1)、(2)、(4)中のR

は、各々独立して直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数5~10の環状アルキル基又は、炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基を表す。中でも、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~6のアルキル基又は、炭素原子数6又は10の芳香族炭化水素基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1~4のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~2のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチルペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基としては、炭素原子数1~4のアルキル基が置換していてもよく、炭素原子数は置換したアルキル基の炭素原子数も含まれ、具体的には、4-メチルフェニル基、4-イソプロピルフェニル、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
式(1)、(2)、(4)中のmは、0又は1~4の整数を表す。中でも、0又は1、2の整数が好ましい。
式(3)中のXは、ハロゲン原子を表す。具体的には、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、この中でも塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(3)、(4)中のR

は、各々独立して直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1~10のアルキル基を表す。中でも、酸素原子に結合した炭素が第1級又は第2級炭素である直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、第1級炭素である直鎖状又は分岐鎖状アルキル基がより好ましく、中でも直鎖状のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1~8のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1~2のアルキル基がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、イソブチル基、n-ブチル基等が挙げられる。
【0010】
本発明の製造方法における、最終目的物である式(2)で表される2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル体の具体例としては、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-1,1’-ビナフチル(「化合物A」)、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-6,6’-ジフェニル-1,1’-ビナフタレン、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-3,3’-ジメチル-1,1’-ビナフタレン、2,2’-ビス(カルボキシメトキシ)-4,4’-ジメチル-1,1’-ビナフタレン等が挙げられる。
本発明の製造方法における、式(3)で表されるハロゲン化酢酸エステル体の具体例としては、例えば、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸プロピル、ヨード酢酸メチル、ヨード酢酸エチル、ヨード酢酸プロピルなどが挙げられる。式(3)中のR

部分が異なる2種以上のハロゲン化酢酸エステル体を併用してもよいが、工程(ii)を簡便なものとするために、1種類のハロゲン化酢酸エステル体を使用することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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