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公開番号2024068972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-21
出願番号2022179691
出願日2022-11-09
発明の名称バイオマス処理システム
出願人イーセップ株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 29/151 20060101AFI20240514BHJP(有機化学)
要約【課題】バイオマス原料からメタノールとジメチルエーテル混合物を高収率で転換することができるバイオマス処理システムを提供する。
【解決手段】バイオマス処理システム100は、バイオマスからCO2と水素を生成するガス供給部200と前記ガス供給部から供給されるCO2と水素を原料として反応させメタノールとジメチルエーテルに転換させるCO2転換部300とを備える。CO2転換部300は、メタノール合成触媒と分離膜と前記分離膜を支持し多孔質材料で形成された支持体とメタノール転化触媒とがこの順で積層された積層体を備える。前記分離膜はSi/Al比10~20のZSM-5型ゼオライト膜であり、ゼオライト骨格中のAlの交換カチオンサイトにCO2や水素に対してメタノール及び水を選択的に吸着する金属カチオンが固定されており、CO2及び水素よりもメタノールと水を選択的に透過させるように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマスからCO

と水素を生成するガス供給部と、
前記ガス供給部から供給されるCO

と水素を原料として反応させメタノールとジメチルエーテルに転換させるCO

転換部と、
を備え、
前記CO

転換部は、
メタノール合成触媒と、
分離膜と、
前記分離膜を支持し、多孔質材料で形成された支持体と、
メタノール転化触媒と、がこの順で積層された積層体、
を備え、
前記分離膜は、Si/Al比10~20のZSM-5型ゼオライト膜であり、ゼオライト骨格中のAlの交換カチオンサイトに、CO

や水素に対してメタノール及び水を選択的に吸着する金属カチオンが固定されており、CO

及び水素よりもメタノールと水を選択的に透過させるように構成されており、
前記メタノール合成触媒によりCO

と水素からメタノールと水を生成させ、次いでCO

と水素を含む反応系から、生成したメタノールと水を前記分離膜により選択的に膜透過させ、前記メタノール転化触媒によってメタノールとジメチルエーテルと水の混合物を得る、バイオマス処理システム。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
前記ガス供給部は、
バイオマスを加熱してガス化するガス化部を含み、
前記ガス化部にバイオマスとともに酸素が供給される、請求項1に記載のバイオマス処理システム。
【請求項3】
車両に搭載されている、請求項1または2に記載のバイオマス処理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス処理システムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
2050年でのカーボンニュートラル達成を目指し、2020年を境に、世界的にカーボンニュートラルに向けたグリーン技術開発投資が加速し、自動車から化学、環境、エネルギーなど殆どの分野で、その事業環境は一変した。天然ガスや石炭などの化石資源ではなく、カーボンニュートラルとなる再生可能なバイオマス由来、あるいは回収されたCO

を原料とする化学品や燃料の新規合成方法の開発や改良が急務となった。以下の反応に示すように、従来の化石資源由来の原料では一酸化炭素(CO)と水素の混合ガスである合成ガスを経由した合成(式1)がメインであったが、CO

を原料とする場合、特に式2~4を考慮する必要がある。
CO+2H

⇔MeOH (発熱反応) (式1)
CO

+H

⇔CO+H

O (吸熱反応) (式2)
CO

+3H

⇔MeOH+H

O (発熱反応) (式3)
2MeOH⇔DME+H

O (発熱反応) (式4)
1/2nDME→(CH

)n+1/2nH

O (発熱反応、nは2以上) (式5)
(式1)~(式4)までは平衡反応であるが、(式5)は平衡の制約は受けない。そのため一旦DMEまで転換できれば、炭素数2以上のオレフィンやガソリンへの転換技術は、既存技術が利用できる。式5によりDMEがオレフィンやガソリン等に転換されると(式4)でMeOHからのDME転換が促進される。そのため、CO

からMeOHとDMEの混合物を得るまでの工程が、現状のボトルネック工程と判断される。
【0003】
例えば特許文献1には、排熱を高効率利用して、CO

回収装置も備えたメタノールを経由してガソリン又はジメチルエーテルを製造する方法が開示されている。一方で、使用する原料は天然ガスであり、CO

を多く含むバイオマス由来、あるいは回収されたCO

を原料とする場合には、そのままの適用は困難である。
【0004】
特許文献2では、CO

と水素を反応させメタノールを経由して炭素数2以上の炭化水素を製造する方法が記載されている。しかしCO

転化率が20%程度と低く、更なる改良が必要である。
【0005】
特許文献3では、CO

の転化率向上のため、メタノール合成触媒とメタノール転化触媒を複合させた新規触媒を開発し、CO

と水素を含む混合ガスから炭素数2以上の炭化水素を製造する方法が記載されている。
しかしCO

転化による生成物の65%以上はCOであり、目的とする炭素数2以上の炭化水素の収率は10%未満と低い。
【0006】
非特許文献1、2では、CO

と水素を原料とする反応系から、分離膜により水のみを選択的に膜透過させることで、式3のMeOH生成及び式4のDME生成を促進させることで、CO

転化率83%、DME収率54.5%と大幅な性能向上を報告している。一方で、MeOHとDMEを合算しても収率は60%程度であり、実用化を見据えると更なる性能向上は必須である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5863421号公報
特開2015-44926号公報
特許第6338218号公報
【非特許文献】
【0008】
Li et al., Science 367, 667-671 (2020).
Li et al., J. Mater.Che.A, 9, 2678-2682 (2021).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
バイオマス由来のCO

を原料とする化学品や燃料の合成については、その合成工程で多量のエネルギーを消費してしまうことはカーボンニュートラルの観点からは本末転倒であり、より一層の省エネ化、高効率化が必要である。
バイオマス由来のCO

からMeOHとDMEの混合物を得るまでのボトルネック工程についても、CO

転化率を高効率化することができるシステムの設計・開発が必須である。
【0010】
本発明は上述のような課題を鑑みたものであり、バイオマス原料からメタノールとジメチルエーテル混合物を高収率で転換することができるバイオマス処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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