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公開番号
2024070191
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-05-22
出願番号
2023002446
出願日
2023-01-11
発明の名称
ビスマレイミドおよびその製造方法
出願人
ユニチカ株式会社
代理人
主分類
C07D
207/448 20060101AFI20240515BHJP(有機化学)
要約
【課題】ダイマジアミンのアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドであって、硬化性樹脂等の他剤と配合した際に混合相溶性およびハンドリング性を充分に高められたビスマレイミドおよびその製造方法の提供。
【解決手段】
ダイマジアミンのアミノ基がマレイミド化された以下の特徴を有するビスマレイミド。
1)前記ビスマレイミドの酸価が、2mg-KOH/g以下である。
2)前記ビスマレイミドの、25℃でのB型粘度計により測定した粘度が、3.0Pa・s以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ダイマジアミンのアミノ基がマレイミド化された以下の特徴を有するビスマレイミド。
1)前記ビスマレイミドの酸価が、2mg-KOH/g以下である。
2)前記ビスマレイミドの、25℃でのB型粘度計により測定した粘度が、3.0Pa・s以下である。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
1
H-NMRにおいて、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値(A)およびマレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値(B)を用いて量的対比を行った場合に、B/Aが、0.80超である請求項1記載のビスマレイミド。
【請求項3】
以下の工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載のビスマレイミドの製造方法。
1)pKaが1未満の酸とpKaが1以上の酸とを触媒として、ダイマジアミンのモルに対し115モル%以上用い、酸価が2mg-KOH/g超の粗ビスマレイミド溶液を準備する工程。
2)前記溶液中の酸成分を、カルボジイミド化合物(CDI)と反応させることにより酸価を2mg-KOH/g以下とする工程。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスマレイミドおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、ノート型パソコン等の電子機器に用いられる電子部品は高密度集積化、高密度実装化等が進んでいる。これらの電子部品に用いられる接着剤、封止材等の樹脂材料には、吸水率が低く信頼性に優れた耐熱性の材料が求められる。これらの接着剤、封止材等に用いられる組成物の成分として、ダイマジアミン(炭素数24~48のダイマ酸から誘導される脂肪族ジアミンであり、以下、「DDA」と略記することがある)のアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、LED素子の実装用の接着剤組成物の成分としてマレイミドを用いる方法が開示されている。特許文献2には、プリント配線基板用の異方性導電性接着剤組成物の成分としてビスマレイミドを用いる方法が開示されている。
【0003】
脂肪族ビスマレイミドは、特許文献3~5等に開示された公知の方法により得ることができる。すなわち、例えば、溶媒中、酸触媒下、ジアミンと、無水マレイン酸とを反応させ、イミド化し、精製することにより製造することができる。またこれらビスマレイミドは、Designer Molecules Inc.(DMIと略称されることがある)から、BMI-689、BMI-1500、BMI-1700、BMI-3000等の商品名で市販もされている。これらの脂肪族ビスマレイミドには、未閉環であるマレアミック酸、フマルアミック酸、マイケル付加体(MAAにアミンがマイケル付加反応して生成する化合物にさらに無水マレイン酸が反応して生成する化合物)等の酸成分が微量残留しているため、酸価としては、2mg-KOH/gを大幅に超えるものであった。これらの酸成分は、電子部品に用いた際に、電気特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0004】
前記問題の解決策として、特許文献6には、酸成分の残留した比較的酸価の高いビスマレイミド(粗ビスマレイミド)を製造した後、カルボジイミド化合物(CDI)との反応により不純物
であるマレアミック酸等を除去し、酸価を2mg-KOH/g以下とする製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-31227号公報
特開2015-193725号公報
米国法定発明登録H424号
米国公開20080262191号公報
特表平10-505599号公報
特開2018-115156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マレアミック酸等の酸由来の不純物を低減し酸価を2mg-KOH/g以下としたビスマレイミドにおいても、依然として課題があった。すなわち、ビスマレイミドの粘度が充分に低減されていないことから、硬化性樹脂組成物等の他剤と配合する際に、混ざりづらく、ハンドリング性が損なわれる。そこで本発明は、上記課題を解決するものであって、副生物由来の酸成分を充分に低減させたうえで、さらに粘度が充分に低減されたビスマレイミドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の酸触媒を2種類併用して粗ビスマレイミドを製造し、、これにカルボジイミド化合物を反応させることで、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
本発明は下記を趣旨とするものである。
ダイマジアミンのアミノ基がマレイミド化された以下の特徴を有するビスマレイミド。
1)前記ビスマレイミドの酸価が、2mg-KOH/g以下である。
2)前記ビスマレイミドの、25℃でのB型粘度計により測定した粘度が、3.0Pa・s以下である。
【0009】
本発明は更に、
1
H-NMRにおいて、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値(A)およびマレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値(B)を用いて量的対比を行った場合に、B/Aが、0.80超である前記ビスマレイミドに関する。
【0010】
本発明は更に、以下の工程を含むことを特徴とする前記ビスマレイミドの製造方法に関する。1)pKaが1未満の酸とpKaが1以上の酸とを触媒として、ダイマジアミンのモルに対し15モル%以上用い、酸価が2mg-KOH/g超の粗ビスマレイミド溶液を準備する工程。2)前記溶液中の酸成分を、カルボジイミド化合物(CDI)と反応させることにより酸価を2mg-KOH/g以下とする工程。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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