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公開番号2024042229
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022146802
出願日2022-09-15
発明の名称リポ多糖を含む組成物
出願人ENEOS株式会社
代理人個人,個人
主分類C07H 13/06 20060101AFI20240321BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、所定の構造又は所定の活性を有するグラム陰性菌のLPSを含む組成物の提供を目的とする。
【解決手段】グラム陰性菌のリポ多糖を含む組成物であって、前記リポ多糖がリピドAを有し、前記リピドAが所定の構造を有し、所定のリムルス活性を有する、組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
グラム陰性菌のリポ多糖を含む組成物であって、前記リポ多糖がリピドAを有し、
前記リピドAのグルコサミン骨格に、炭素数8~16の3-ヒドロキシアシル鎖が4本結合し、かつ、1又は2本の前記3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に炭素数8~13のアシル鎖がさらに結合し、
リムルス活性が30000EU/mg以上である、組成物。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記リピドAのグルコサミン骨格に、炭素数10~14の3-ヒドロキシアシル鎖が4本結合し、かつ、グルコサミン骨格の2位に結合する炭素数10~14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に炭素数12のアシル鎖がさらに結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記炭素数12のアシル鎖が、非還元末端側のグルコサミンの2位に結合する炭素数14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に結合し、還元末端側のグルコサミンの2位に結合する炭素数14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に結合しない、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記リピドAが、式(I)の構造:
TIFF
2024042229000010.tif
83
89
を有する、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
グラム陰性菌がパラコッカス属に属する細菌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グラム陰性菌のリポ多糖を含む組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
リポ多糖(以下、「LPS」又は「リポポリサッカライド」ともいう)は、大腸菌等のグラム陰性菌の細胞壁を構成する成分である。グラム陰性菌の死滅や破壊によりグラム陰性菌から遊離したLPSによって哺乳動物の発熱反応等の反応が引き起こされ、多量に与えられると死に至ることもあることから、LPSは内毒素(エンドトキシン)とも呼称される。
【0003】
LPSの基本構造は、脂質部分であるリピドA部分と多糖部分を含む。多糖部分はさらにコアとO抗原多糖側鎖で構成されている。通常、LPSは、リピドAが外膜に埋め込まれ、O抗原多糖側鎖が外に突き出た形で細胞壁に組み込まれており、細胞壁からは容易には遊離しない。グラム陰性菌が死滅して細胞が溶菌すると、LPSは遊離し、それが例えば動物細胞に作用することで様々な生理活性が発現する。
【0004】
遊離したLPSは標的細胞の細胞膜上のTLR4(toll like receptor 4)を介して作用を発現する。TLR4にLPSが結合すると細胞内シグナル伝達系を介してTNFα、IL-6、IL-12といった炎症性サイトカインの産生やI型インターフェロン(IFN)の産生が引き起こされる(非特許文献1)。特に、大腸菌等のLPSは、これらのシグナルを同時にかつ強力に活性化するために強い炎症が惹起される。
【0005】
このようにLPSはTLR4のシグナル伝達系を介してサイトカインの産生を促進する作用を有する。サイトカインの産生は、一般に、強い免疫賦活活性に繋がり細菌感染の防御のための生体防御反応に一定の役割を果たす。
【0006】
このように、LPSは免疫賦活活性を有することが知られていることから、LPSの免疫賦活活性を医薬品、化粧品、食品、飼料等に利用することも検討されている。しかしながら、通常の方法でグラム陰性菌からLPSを取得する場合には、高濃度又は高活性のLPSを取得することが難しい。
【0007】
また、LPSの基本構造は、グラム陰性菌で似通っているものの、由来するグラム陰性菌の種類によりLPSの構造は異なることが知られている。しかし、一般に、グラム陰性菌のLPSの構造を決定することは容易ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
生化学, 79, 769-776, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、グラム陰性菌のLPSを含有する組成物であって、前記LPSが所定の構造又は活性を有する前記組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意研究を行い、所定の構造又は所定の活性を有するグラム陰性菌のLPSを含む組成物を見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
グラム陰性菌のリポ多糖を含む組成物であって、前記リポ多糖がリピドAを有し、
前記リピドAのグルコサミン骨格に、炭素数8~16の3-ヒドロキシアシル鎖が4本結合し、かつ、1又は2本の前記3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に炭素数8~13のアシル鎖がさらに結合し、
リムルス活性が30000EU/mg以上である、組成物。
[2]
前記リピドAのグルコサミン骨格に、炭素数10~14の3-ヒドロキシアシル鎖が4本結合し、かつ、グルコサミン骨格の2位に結合する炭素数10~14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に炭素数12のアシル鎖がさらに結合する、請求項1に記載の組成物。
[3]
前記炭素数12のアシル鎖が、非還元末端側のグルコサミンの2位に結合する炭素数14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に結合し、還元末端側のグルコサミンの2位に結合する炭素数14の3-ヒドロキシアシル鎖の3位の水酸基に結合しない、請求項2に記載の組成物。
[4]
前記リピドAが、式(I)の構造:
TIFF
2024042229000001.tif
84
84
を有する、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
[5]
グラム陰性菌がパラコッカス属に属する細菌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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