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公開番号
2024085314
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-26
出願番号
2022199781
出願日
2022-12-14
発明の名称
エステル樹脂
出願人
味の素株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
C07D
207/416 20060101AFI20240619BHJP(有機化学)
要約
【課題】良好な誘電特性と良好な耐熱性を併せて呈する硬化物をもたらす新規なエステル樹脂を提供する。
【解決手段】下記式(I)で表されるエステル樹脂。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024085314000057.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">29</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式(I)中、X
A
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(a)を含有する1価の有機基を表し、X
B
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(b)を含有する2価の有機基を表し、X
C
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(c)を含有する2価の有機基を表し、X
A
、X
B
、X
C
のうち少なくも1つが、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有し、nは、0以上の整数を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(I)で表されるエステル樹脂。
TIFF
2024085314000053.tif
28
170
(式(I)中、
X
A
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(a)を含有する1価の有機基を表し、
X
B
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(b)を含有する2価の有機基を表し、
X
C
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(c)を含有する2価の有機基を表し、
X
A
、X
B
、X
C
のうち少なくも1つが、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有し、
nは、0以上の整数を表す。)
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
X
C
が、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有する、請求項1に記載のエステル樹脂。
【請求項3】
X
A
が、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有する、請求項1に記載のエステル樹脂。
【請求項4】
X
A
、X
B
、X
C
のうち少なくも1つが、下記式(II)で表される構造を含む、請求項1に記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000054.tif
28
170
(式(II)中、
★及び*は結合手を表し、結合手★は、芳香環(a)、芳香環(b)又は芳香環(c)に結合している。)
【請求項5】
X
A
が、下記式(II-A)で表される構造を含む、請求項1に記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000055.tif
32
170
(式(II-A)中、
環Ar
A1
は、芳香環を表し、
R
s
は、それぞれ独立に、置換基を表し、
k1は、環Ar
A1
で表される芳香環の置換可能な水素原子の数をp個としたとき、0≦k1≦(p-1)を満たす整数を表し、
★は結合手を表し、該結合手★は、芳香環(a)に結合している。)
【請求項6】
X
c
が、下記式(II-C)で表される構造を含む、請求項1に記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000056.tif
31
170
(式(II-C)中、
Zは、2価の有機基を表し、
★は結合手を表し、該結合手★は、それぞれ芳香環(c)に結合している。)
【請求項7】
芳香環(c)が、ベンジル基、α-メチルベンジル基及びナフチルメチル基からなる群から選択される1個以上の置換基を有する、請求項1に記載のエステル樹脂。
【請求項8】
芳香環(c)が、ナフタレン環である、請求項1に記載のエステル樹脂。
【請求項9】
芳香環(c)1個に対し、ベンジル基、α-メチルベンジル基及びナフチルメチル基からなる群から選択される置換基が、平均して1個~6個結合している、請求項1に記載のエステル樹脂。
【請求項10】
n=0体の含有量が20質量%以上である、請求項1に記載のエステル樹脂。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エステル樹脂に関する。さらには、該エステル樹脂の製造方法、樹脂架橋剤、該エステル樹脂を含む樹脂組成物、樹脂シート、硬化物、プリント配線板、半導体チップパッケージ、及び半導体装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂等の架橋性樹脂とその架橋剤(硬化剤)を含む樹脂組成物は、絶縁性、耐熱性、密着性などに優れる硬化物をもたらすことから、半導体パッケージやプリント配線板などの電子部品材料として広く使われてきた。
【0003】
一方、第5世代移動通信システム(5G)などの高速通信では、高周波環境で作動させる際の伝送損失が問題になる。そのため誘電特性(低誘電率、低誘電正接)に優れた絶縁材料が必要となる。また、高周波環境での作動時は電子部品の発熱量が増大する傾向にあり、高速通信用途に使用される絶縁材料には耐熱性のさらなる向上も求められている。
【0004】
誘電特性に優れる絶縁樹脂材料として、例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂の架橋剤として、芳香族性ヒドロキシ化合物と芳香族性ジ酸クロリド類との反応物である活性エステル樹脂が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-235165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の活性エステル樹脂は、従来のフェノール系架橋剤などと比較すると大幅に誘電特性が優れるが、5G用途で求められる伝送損失に関しては、十分満足できる水準にはない。また、活性エステル樹脂を用いて得られる硬化物は、耐熱性が十分に得られない場合がある。
【0007】
本発明の課題は、良好な誘電特性と良好な耐熱性を併せて呈する硬化物をもたらす新規なエステル樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有するエステル樹脂によれば、良好な誘電特性と良好な耐熱性を併せて呈する硬化物をもたらすことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 下記式(I)で表されるエステル樹脂。
TIFF
2024085314000001.tif
28
170
(式(I)中、
X
A
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(a)を含有する1価の有機基を表し、
X
B
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(b)を含有する2価の有機基を表し、
X
C
は、それぞれ独立に、少なくとも1個の芳香環(c)を含有する2価の有機基を表し、
X
A
、X
B
、X
C
のうち少なくも1つが、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有し、
nは、0以上の整数を表す。)
[2] X
C
が、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有する、[1]に記載のエステル樹脂。
[3] X
A
が、チオエーテル基及び環状イミド構造を含有する、[1]又は[2]に記載のエステル樹脂。
[4] X
A
、X
B
、X
C
のうち少なくも1つが、下記式(II)で表される構造を含む、[1]~[3]の何れかに記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000002.tif
29
170
(式(II)中、
★及び*は結合手を表し、結合手★は、芳香環(a)、芳香環(b)又は芳香環(c)に結合している。)
[5] X
A
が、下記式(II-A)で表される構造を含む、[1]~[4]の何れかに記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000003.tif
30
170
(式(II-A)中、
環Ar
A1
は、芳香環を表し、
R
s
は、それぞれ独立に、置換基を表し、
k1は、環Ar
A1
で表される芳香環の置換可能な水素原子の数をp個としたとき、0≦k1≦(p-1)を満たす整数を表し、
★は結合手を表し、該結合手★は、芳香環(a)に結合している。)
[6] X
c
が、下記式(II-C)で表される構造を含む、[1]~[5]の何れかに記載のエステル樹脂。
TIFF
2024085314000004.tif
29
170
(式(II-C)中、
Zは、2価の有機基を表し、
★は結合手を表し、該結合手★は、それぞれ芳香環(c)に結合している。)
[7] 芳香環(c)が、ベンジル基、α-メチルベンジル基及びナフチルメチル基からなる群から選択される1個以上の置換基を有する、[1]~[6]の何れかに記載のエステル樹脂。
[8] 芳香環(c)が、ナフタレン環である、[1]~[7]の何れかに記載のエステル樹脂。
[9] 芳香環(c)1個に対し、ベンジル基、α-メチルベンジル基及びナフチルメチル基からなる群から選択される置換基が、平均して1個~6個結合している、[1]~[8]の何れかに記載のエステル樹脂。
[10] n=0体の含有量が20質量%以上である、[1]~[9]の何れかに記載のエステル樹脂。
[11] 実質的にn=0体からなる、[1]~[10]の何れかに記載のエステル樹脂。
[12] 下記(x1)成分と下記(x2)成分との縮合反応物であって(x1)成分及び(x2)成分の何れか1つ以上がチオエーテル基及び環状イミド構造を含有するか、又は
下記(x1)成分と下記(x2)成分と下記(x3)成分との縮合反応物であって、(x1)成分、(x2)成分及び(x3)成分の何れか1つ以上がチオエーテル基及び環状イミド構造を含有する、[1]~[11]の何れかに記載のエステル樹脂。
(x1)1価芳香族ヒドロキシ化合物
(x2)2価芳香族カルボン酸化合物又は2価芳香族カルボン酸ハライド化合物
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、良好な誘電特性と良好な耐熱性を併せて呈する硬化物をもたらす新規なエステル樹脂を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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