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公開番号2024175022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2024158876,2023104443
出願日2024-09-13,2019-02-27
発明の名称N-アシル-アミノ基含有化合物の製造方法
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C12P 13/00 20060101AFI20241210BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】酵素的方法によるN-アシル-アミノ基含有化合物の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】カルボキシル基およびアミノ基をATP依存的様式において結合させてアミド結合を形成する能力を有する酵素の存在下において、アミノ基含有化合物およびカルボキシル基含有化合物を反応させて、N-アシル-アミノ基含有化合物を生成することを含む、N-アシル-アミノ基含有化合物の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カルボキシル基およびアミノ基をATP依存的様式において結合させてアミド結合を形成する能力を有する酵素の存在下において、アミノ基含有化合物およびカルボキシル基含有化合物を反応させて、N-アシル-アミノ基含有化合物を生成することを含む、N-アシル-アミノ基含有化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記酵素が植物または微生物由来酵素である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記酵素がGH3タンパク質である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記酵素が、グループI、グループII、またはグループIIIのいずれかのグループに属するGH3タンパク質である、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
GH3タンパク質が、下記:
(A)配列番号9、1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(B)配列番号9、1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、もしくは付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、N-アシラーゼ活性を有するタンパク質;または
(C)配列番号9、1~8からなる群から選ばれるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、N-アシラーゼ活性を有するタンパク質;
からなる群から選ばれる、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記酵素がPaaKタンパク質である、請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
PaaKタンパク質が、下記:
(A’)配列番号10または11のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(B’)配列番号10または11のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、もしくは付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、N-アシラーゼ活性を有するタンパク質;または
(C’)配列番号10または11のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、N-アシラーゼ活性を有するタンパク質;
からなる群から選ばれる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
アミノ基含有化合物が、アニオン性基を有するアミノ基含有化合物である、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
アミノ基含有化合物が、アミノ酸またはペプチドである、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
アミノ基含有化合物が、α-アミノ酸、β-アミノ酸、またはγ-アミノ酸、あるいはこれらのジペプチドである、請求項9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アシル-アミノ基含有化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
N-アシル-アミノ基含有化合物(例、Nα-アシルアミノ酸)は、香粧品素材(例、界面活性剤)等として用いられている。N-アシル-アミノ基含有化合物の化学的合成(例、ショッテン・バウマン反応)は、合成反応の副産物による環境負荷の課題を有する。そこで、N-アシル-アミノ基含有化合物の酵素的合成が求められている。N-アシル-アミノ基含有化合物の酵素的合成に関する先行技術がいくつか報告されている。
【0003】
特許文献1では、Bacillus subtilisのサーファクチン生合成酵素を利用した糖からのNα-アシルアミノ酸発酵が報告されている。しかし、Nα-アシルグルタミン酸の生成量は116.8mg/Lと微量であるため、この発酵は工業的スケールでの製造には適していない。
【0004】
特許文献2では、ヒト由来アミノ酸N-アシルトランスフェラーゼ、E.coli由来アシルCoA合成酵素を利用して、アミノ酸と脂肪酸からNα-アシルグリシンを合成する方法について報告されている。しかし、この方法では脂肪酸に直接アミノ酸を結合させることができず、2段階の酵素反応が必要となるため、単一の酵素を利用する反応と比較すると制御が複雑になるという課題がある。
【0005】
非特許文献1では、ブタ腎臓由来アシラーゼを用いて、グリセロールを含む溶液中で、アミノ酸と脂肪酸からNα-アシルアミノ酸を合成する方法が報告されている。本方法は、グリセロールを含む溶液中では、アシラーゼによるNα-アシルアミノ酸の加水分解反応が進行しにくいことを利用している。しかし、グリセロールの大量使用が要求される点、およびグリセロールを含まない水系溶媒中でのNα-アシルアミノ酸合成は低収率となる点に鑑みて、この方法は、工業的製造では低効率となる。
【0006】
非特許文献2では、Streptomyces mobaraensis由来アシラーゼを用いて、グリセロールを含む溶液中で、アミノ酸と脂肪酸からNα-アシルアミノ酸を合成する方法が報告されている。しかし、グリセロールを含まない水系溶媒中でのNα-アシルアミノ酸合成は報告されていないため、この方法の工業的製造への効率性は示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2008/131002号
国際公開第2015/028423号
【非特許文献】
【0008】
Wada et al.,Journal of the American Oil Chemists’ Society,2002,79(1), pp 41-46
Koreishi et al.,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2006,54(1),pp 72-78
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、酵素的方法によるN-アシル-アミノ基含有化合物の効率的な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、カルボキシル基およびアミノ基をATP依存的様式において結合させてアミド結合を形成する能力を有する酵素が、脂肪酸を含めたカルボキシル基含有化合物およびアミノ基含有化合物からN-アシル-アミノ基含有化合物を効率的に生成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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