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公開番号2024072774
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-28
出願番号2023133694
出願日2023-08-18
発明の名称エチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス及び装置
出願人天津大学
代理人個人
主分類C07C 67/54 20060101AFI20240521BHJP(有機化学)
要約【課題】エチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス及び装置を提供する。
【解決手段】酢酸ビニル合成区域でエチレン膜回収組立体を増設することにより、循環システム中の窒素等の不活性成分の含有量を制御し、非凝縮性ガス中のエチレンガスを回収し、エチレンの回収率は58%以上に達する。酢酸ビニル精製区域の精製VAC塔でサイドカットを追加し、純度99.98%を超える酢酸ビニル製品が得られ、酢酸の質量分率≦20ppm、アセトアルデヒドの質量分率≦20ppm、水の質量分率≦100ppmとなる。酢酸ビニル合成及び精製工程中で、循環水直列冷却塔頂凝縮器と凝縮水冷却器及び冷水並列冷却テールガス凝縮器の冷却方式を用い、循環水冷却能力のカスケード使用熱交換プロセスを実現する。合成・精製システムからの精製ガスを酢酸塔及びアルデヒドエステル濃縮塔の塔底部から吹き込むことにより、重合を抑制でき、かつ一定の防食効果を奏する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスであって、
(a)吸収塔気液分離タンクの非凝縮性ガスをエチレン回収膜組立体に送り、膜分離により非凝縮性ガス中のエチレンを回収する工程を含む方法と、
(b)重合禁止剤及び高沸点不純物を含む酢酸ビニルを精製VAC塔に送り、精製VAC塔でサイドカットから抜き出し、高純度VAC製品を得る工程を含む方法と、
(c)酢酸塔の塔頂蒸気と粗VAC塔の塔頂蒸気をそれぞれ、循環水で直列に冷却される塔頂凝縮器と凝縮水冷却器及び冷水で冷却されたテールガス凝縮器を通過した後留出液相分離タンクに入る工程を含む方法と
を包括することを特徴とする、エチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記方法(a)は、吸収塔気液分離タンク(107)とフレア装置との間にエチレン回収膜組立体(110)を追加することであることを特徴とする、請求項1に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス。
【請求項3】
前記方法(b)は、精製VAC塔上部の理論段3段目から7段目までの位置にサイドカット流を追加することであることを特徴とする、請求項1に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス。
【請求項4】
前記方法(c)は、酢酸塔(204)の塔頂と在粗VAC塔(210)の塔頂において、それぞれ元の塔頂凝縮器と凝縮水冷却器の各自独立した冷却を前記循環水による直列冷却の冷却方法に改良することであることを特徴とする、請求項1に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス。
【請求項5】
前記酢酸塔(204)及びアルデヒドエステル濃縮塔(221)の塔底部において、合成・精製システムからの精製ガスを吹き込み、前記酢酸塔(204)の塔底液の一部は合成区域に送られ、一部が合成・精製システムからの精製ガスと一緒に酢酸塔リボイラー(205)を経て前記酢酸塔(204)の下部に戻され、前記アルデヒドエステル濃縮塔(221)の塔底液の一部は抽出精留塔相分離タンク(237)の留出液と一緒に前記粗VAC塔(210)の塔頂に戻され、一部が合成精製システムからの精製ガスと一緒にアルデヒドエステル濃縮塔リボイラー(223)を経て前記アルデヒドエステル濃縮塔(221)の下部に戻されることを特徴とする、請求項1に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス。
【請求項6】
請求項2に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスを実現する装置であって、前記エチレン回収膜組立体(110)は、凝集装置と膜設備の2つの部分を含み、前記吸収塔気液分離タンク(107)の塔頂出口ストリームは2本に分かれ、前記エチレン回収膜組立体(110)の入口及び精製ガス熱交換器(109)の冷却側入口とそれぞれ接続し、前記エチレン回収膜組立体(110)の出口は前記フレア装置の入口及び回収ガス圧縮機(112)の入口とそれぞれ接続することを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項3に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスを実現する装置であって、精製VAC塔(211)の塔頂出口は、精製VAC塔凝縮器(214)の冷却側入口と接続し、前記精製VAC塔凝縮器(214)の冷却側出口が精製VAC塔凝縮水冷却器(218)の冷却側入口と接続し、前記精製VAC塔凝縮水冷却器(218)の冷却側出口は精製VAC塔還流タンク(219)と接続し、前記循環水は前記精製VAC塔凝縮水冷却器(218)の加熱側入口に流入し、前記精製VAC塔凝縮水冷却器(218)の加熱側出口は前記精製VAC塔凝縮器(214)の加熱側入口と接続し、前記循環水が前記精製VAC塔凝縮器(214)の加熱側出口から流出し、前記精製VAC塔(211)側部出口はVAC製品凝縮器(215)の冷却側入口と接続し、前記VAC製品凝縮器(215)の冷却側出口はVAC製品タンクと接続し、冷水は前記VAC製品凝縮器(215)の加熱側入口から流入し、前記VAC製品凝縮器(215)の加熱側出口から流出し、前記精製VAC塔(211)の釜部出口は前記酢酸塔(204)の上端の入口と接続することを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項6に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスの方法(c)を実現する装置であって、前記酢酸塔(204)の塔頂出口は、酢酸塔凝縮器(206)の冷却側入口と接続し、前記酢酸塔凝縮器(206)の冷却側出口は酢酸塔凝縮水冷却器(208)の冷却側入口及び酢酸塔テールガス凝縮器(209)の冷却側入口とそれぞれ接続し、前記酢酸塔テールガス凝縮器(209)の冷却側出口は前記回収ガス圧縮機(112)の入口及び酢酸塔留出液相分離タンク(207)の入口とそれぞれ接続し、前記酢酸塔凝縮水冷却器(208)の冷却側出口は前記酢酸塔留出液相分離タンク(207)の入口と接続し、循環水入口は前記酢酸塔凝縮水冷却器(208)の加熱側入口と接続し、前記酢酸塔凝縮水冷却器(208)の加熱側出口は前記酢酸塔凝縮器(206)の加熱側入口と接続し、前記酢酸塔凝縮器(206)の加熱側出口は循環水出口と接続し、冷水入口は前記酢酸塔テールガス凝縮器(209)の加熱側入口と接続し、前記酢酸塔テールガス凝縮器(209)の加熱側出口は冷水出口と接続することを特徴とする、装置。
【請求項9】
請求項4に記載のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスを実現する装置であって、前記粗VAC塔(210)の塔頂出口及び脱水塔(232)の塔頂出口は、いずれも粗VAC塔凝縮器(213)の冷却側入口と接続し、前記粗VAC塔凝縮器(213)の冷却側出口はそれぞれ粗VAC塔凝縮水冷却器(217)の冷却側入口及び粗VAC塔テールガス凝縮器(220)の冷却側入口と接続し、前記粗VAC塔テールガス凝縮器(220)の冷却側出口はそれぞれ回収ガス圧縮機(112)の入口及び粗VAC塔留出液相分離タンク(216)の入口と接続し、前記粗VAC塔凝縮水冷却器(217)の冷却側出口は前記粗VAC塔留出液相分離タンク(216)の入口と接続し、冷水入口は前記粗VAC塔テールガス凝縮器(220)の加熱側入口と接続し、前記粗VAC塔テールガス凝縮器(220)の加熱側出口は冷水出口と接続し、循環水入口は前記粗VAC塔凝縮水冷却器(217)の加熱側入口と接続し、前記粗VAC塔凝縮水冷却器(217)の加熱側出口は前記粗VAC塔凝縮器(213)の加熱側入口と接続し、前記粗VAC塔凝縮器(213)の加熱側出口は循環水出口と接続することを特徴とする、装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酢酸ビニルの製造プロセスに関し、特に、高純度製品のエチレン法による酢酸ビニルの製造プロセス及び装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
酢酸ビニルエステル(酢酸ビニル、Vacと略称する)は、分子式CH

COOCH=CH

で表される不飽和カルボン酸エステルであり、化学工業において経済価値の高いビニルエステル類化合物である。酢酸ビニルは刺激臭のある無色透明の引火性液体である。様々な有機液体と完全に相溶し、水とは部分的に相溶することができる。空気中での爆発限界は2.65~38%(体積)で、水、メタノール、イソプロパノールと共沸混合物を形成することができる。
【0003】
現在、エチレン法による酢酸ビニルの製造技術は、世界の酢酸ビニル生成の主流エ方法となっている。中国はエチレン、酢酸ビニル、及びこれらの派生化学物質の大消費国であり生産国でもある。中国は長年にわたり、エチレンから酢酸ビニルへの先端な製造技術を習得していない。中国は1970年代に日本からエチレン法による酢酸ビニルの製造技術を導入し、製造装置を構築したが、現段階では、技術水準は国際的な先端技術に遠く及ばず、中国における酢酸ビニルの重要な下流製品であるポリビニルアルコール及び関連産業の開発を制限している。
【0004】
非特許文献1では、ポリビニルアルコールの製造過程における不純物成分は、主に反応物である酢酸ビニルによってもたらされると指摘している。重合反応は不純物に非常に敏感で、微量の不純物の存在でも製品の品質に重大な悪影響を与えることがよくある。エチレン法による酢酸ビニル製品は精製されているが、アセトアルデヒド、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチルなどの不純物が依然として含まれている。非特許文献2では、これらの不純物には、重合反応において直接反応に関与するもの、連鎖移動に働くもの、重合阻害に働くものがあることが指摘されている。中でもアセトアルデヒドの阻害係数は非常に高く、アセトアルデヒドの含有量の増加に伴い、ポリビニルアルコールの平均重合度が低下し、アセトアルデヒド、酢酸メチル、酢酸は連鎖移動剤であり、これらの不純物含有量の増加に伴い、ポリビニルアルコールの平均重合度が低下する。なお、アセトアルデヒドのカルボニル基がポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル高分子に結合して共役二重結合を形成するが、これがポリビニルアルコール製品の黄変の重要な原因の一つである。酢酸ビニルによってもたらされるアセトアルデヒドに加えて、ポリビニルアルコールの生成反応中にもアセトアルデヒド生成反応が発生し、すなわち、酢酸ビニルと水、酢酸ビニルと溶媒メタノールはいずれも反応してアセトアルデヒドを生成できる。酢酸ビニル製品の中に含まれる微量の水分も酢酸ビニルと反応してアセトアルデヒドを生成できる。
【0005】
ポリビニルアルコールメーカーは、エチレン法による酢酸ビニル中の不純物の含有量を定める。ポリビニルアルコールメーカーは、エチレン法による酢酸ビニル中の不純物の含有量を定める。非特許文献3では高品質酢酸ビニル製品の純度≧99.90%(w)以上、このうち酢酸≦40ppm、アセトアルデヒド≦40ppmであると定めている。非特許文献4では、高品質酢酸ビニル製品の純度≧99.96%(w)以上、このうち酢酸≦50ppm、アセトアルデヒド≦80ppmであると定めている。非特許文献5では、酢酸ビニル製品中の酢酸≦50ppm、アセトアルデヒド≦50ppmであると定めている。
【0006】
特許文献1では、高純度酢酸ビニル分離システムが開示されている。その発明は純度99.90%(w)以上の精製酢酸ビニル製品が得られ、酢酸ビニル製品中の酢酸を20mg/kg以下に、水を150mg/kg以下に制御している。
【0007】
非特許文献6では、上海石油化工股▲フン▼有限公司の従来のBayer法・エチレン法による酢酸ビニルの製造プロセスで得られる酢酸ビニル製品の純度が99.80%(w)であると述べている。
【0008】
なお、エチレン法による酢酸ビニルの製造過程では、原料の1パス転化率が低く、未反応のエチレンを多量に含む混合ガスが圧縮機で加圧されて反応器に戻されて再利用される。原料ガスに含まれる窒素、水素、メタンなどの不活性ガスがプロセス循環ガス中に徐々に蓄積し、反応の正常な進行に影響を与えるのを避けるため、循環ガスの一部をフレア装置に継続的に排出して焼却する必要がある。循環ガスにはエチレンが多く含まれているため、直接焼却すると経済的損失が発生するだけでなく、大量の温室効果ガスが発生して環境を汚染し、企業の環境保全負担が増大する。酢酸ビニル製品中の含水率が厳しく要求され、相分離と脱水の効果を確保するため、原料を冷却する必要があり、現在、工程ではプレート式熱交換器が使用され、循環水により完全対向流で熱交換する。
【0009】
要するに、現段階のエチレン法による酢酸ビニルの製造エ方法には主に次の問題がある。
【0010】
(1)現在、エチレン法による酢酸ビニルのプロセスから排出される3つの廃棄物は大量であり、合成区域から排出される非凝縮性ガスにはエチレンが多く含まれており、直接焼却すると経済的損失が発生するだけでなく、大量の温室効果ガスが発生し、環境を汚染する。
(【0011】以降は省略されています)

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