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公開番号2024053649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022159983
出願日2022-10-04
発明の名称オレフィンの製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C07C 6/04 20060101AFI20240409BHJP(有機化学)
要約【課題】 オレフィンメタセシス反応蒸留装置によりエチレン及び/又はプロピレンを製造する際に、高効率かつ長期安定的な運転を可能とするエチレン及び/又はプロピレンの製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも2種類のオレフィンメタセシス触媒をそれぞれ独立して少なくとも2相に分離充填した蒸留装置を有する反応蒸留装置に、炭素数3以上のオレフィンを含む原材料を供給し、蒸留装置底部と蒸留装置頂部の温度差100℃以上の反応条件でオレフィンメタセシス反応を行い、エチレン及び/又はプロピレンの製造を行うことを特徴とするオレフィンの製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも2種類のオレフィンメタセシス触媒をそれぞれ独立して少なくとも2相に分離充填した蒸留装置を有する反応蒸留装置に、炭素数3以上のオレフィンを含む原材料を供給し、蒸留装置底部と蒸留装置頂部の温度差100℃以上の反応条件でオレフィンメタセシス反応を行い、エチレン及び/又はプロピレンの製造を行うことを特徴とするオレフィンの製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
オレフィンメタセシス触媒が、レニウム、モリブデン、タングステン、ルテニウムからなる群より選択される少なくとも1種類の金属を含むオレフィンメタセシス触媒であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィンの製造方法。
【請求項3】
炭素数3以上のオレフィンが、炭素数3以上6以下のオレフィンであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィンの製造方法。
【請求項4】
蒸留装置底部の温度を150℃以上とする反応条件でオレフィンメタセシス反応を行うことを特徴とする請求項1に記載のオレフィンの製造方法。
【請求項5】
蒸留装置が、下記(1)に示す第1相としてレニウムを含有したオレフィンメタセシス触媒にて充填した相と、下記(2)に示す第2相としてタングステンを含有したオレフィンメタセシス触媒にて充填した相とを有する蒸留装置であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィンの製造方法。
(1)第1相とは、蒸留装置の高さに対して蒸留装置頂部から0%~30%以上70%未満の範囲を占める蒸留装置の頂部に位置する相である。
(2)第2相とは、蒸留装置の高さに対して蒸留装置頂部から30%を越えて70%~100%の範囲を占める蒸留装置の底部に位置する相である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は炭素数3以上のオレフィンを含むものを原材料とする、蒸留装置中でのオレフィンメタセシス反応によるオレフィンの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、蒸留装置底部と蒸留装置頂部の運転温度の差が100℃以上となる運転条件に付し、かつ、蒸留装置中の触媒として少なくとも2種類のオレフィンメタセシス触媒を少なくとも2相に分離して充填することにより、高効率かつ安定的にエチレン及び/又はプロピレンを製造することを可能とするものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
オレフィンメタセシス反応は、二分子のオレフィンの二重結合の組み換え反応である。その触媒は一般に均一又は不均一の遷移金属化合物、特に、5~8族の遷移金属の化合物である。不均一触媒の代表的な例として、シリカ上の酸化タングステン、アルミナ上の酸化モリブデン、アルミナ上の酸化レニウムが挙げられる。また、シリカ上の酸化タングステンは300℃以上の高温でのみ動作するが、ゼオライト上の酸化タングステンが100℃程度の中温領域でも動作することが示されている(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
本反応は工業的には、エチレン及び2-ブテンを原料とするプロピレンの製造に用いられている。エチレンを原料として用いずに、ブテン類のみからプロピレンを製造する方法も提案されている(例えば特許文献1,2参照。)。この際のオレフィンメタセシス反応はプロピレンのみでなく、エチレン及び炭素数が5以上のオレフィンも併産する。所望の生成物がプロピレンである場合には、エチレンはリサイクルに付される。このように、エチレン及び/又はプロピレンの製造方法として、3以上の炭素数をもつオレフィンを原料とするオレフィンメタセシス反応は工業上有用である。
【0004】
しかしながら、オレフィンメタセシス反応は平衡反応であるため、炭素数が3以上のオレフィンを原料としたときのエチレン及び/又はプロピレンの収率は低いものに留まり、未反応の原料オレフィンをリサイクルするため、運転コストは増加する。とくに、オレフィンメタセシス反応の原理上、原料オレフィンの炭素数が大きいほど、この傾向は顕著となる。
【0005】
これに対し、反応蒸留装置を用いて生成したエチレン及び/又はプロピレンを系外へと排出することで、平衡を生成系に移動させ、効率よくエチレン及び/又はプロピレンを製造する技術として、例えば、レニウム触媒を充填した蒸留塔中にブテン類を導入することで、高収率でのエチレン及び/又はプロピレンを製造する方法が提案され(例えば特許文献3参照。)、コンデンサー温度に代表される運転条件を簡単に調整するだけで、生成するオレフィン流のエチレン/プロピレン比を変更することが可能であることも示されている。
【0006】
また、蒸留塔頂部区間中にオレフィンメタセシス触媒を、蒸留塔底部区間中にメタセシス触媒及びオレフィン二重結合異性化触媒を導入することによるエチレン及びプロピレンの製造方法、また、併せて失活した触媒の再生方法が提案されている(例えば特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-72612号公報
特表2015-528500号公報
米国特許第4709115号
特表平08-502955号公報
【非特許文献】
【0008】
Journal of the American Chemical Society 第140巻、6661頁(2018年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、高いエチレン及び/又はプロピレン収率を達成することは、カラム底部流のオレフィン成分の平均炭素数と原料オレフィン成分の平均炭素数の差を大きくすることと理論上同義である。そのためにはカラム底部の運転温度を高温にする必要がある。したがって、それに伴う触媒の劣化により、長時間にわたっての連続運転が困難であるという課題を有しており、特許文献1~4においても、反応蒸留装置の安定的な連続運転に関する技術については何ら提案されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、蒸留装置底部と蒸留装置頂部の運転温度の差が100℃以上となる運転条件かつ、蒸留装置中に少なくとも2種類の触媒を運転温度域に応じて充填することで、高収率かつ長期安定的にエチレン及び/又はプロピレンを製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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