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公開番号2024074028
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022185073
出願日2022-11-18
発明の名称ころ軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 33/51 20060101AFI20240523BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】樹脂の射出成形品であるセグメントについて、スムーズに離型可能としつつ、その強度低下を抑制する。
【解決手段】セグメント10は、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部13と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部13を介して連結された一対の弧状部11,12と、柱部13に設けられた爪部15,16とを一体に有する樹脂材料の射出成形品であり、かつその周方向寸法に対応する円周角θが5°以上30°以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪の軌道面間に介在する複数のころと、複数のころを周方向に間隔を空けて保持する円環状の保持器とを備え、
前記保持器は、複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成され、
前記セグメントが、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部を介して連結された一対の弧状部と、柱部に設けられ、隣り合う2つの柱部と前記一対の弧状部とで形成されるポケットに収容されたころと接触して当該ころの径方向移動を規制する爪部と、を一体に有する樹脂材料の射出成形品であるころ軸受において、
前記セグメントの周方向長さに対応する円周角θを5°以上30°以下にしたことを特徴とするころ軸受。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
柱部のうちポケットを形成するポケット面は、当該ポケット面が形成するポケットの周方向中央部を通って径方向に延びるポケット中心線に対して傾斜した勾配を有し、この勾配の傾斜角αが15°以下である請求項1に記載のころ軸受。
【請求項3】
前記樹脂材料が、炭素繊維又はガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンを主原料としたものである請求項1に記載のころ軸受。
【請求項4】
複数のセグメントを円環状に連結した環状の連結部材を有し、
前記セグメントに、前記連結部材が着脱自在に係合される係合部が設けられ、該係合部が、前記一対の弧状部の何れか一方の周方向両端部に設けられている請求項1に記載のころ軸受。
【請求項5】
前記ころを円すいころとし、前記一対の弧状部のうちの一方を大径弧状部とし、前記一対の弧状部のうちの他方を前記大径弧状部よりも曲率半径が小さい小径弧状部とし、
前記大径弧状部に、前記係合部を有する突出部が一体に設けられている請求項4に記載のころ軸受。
【請求項6】
前記小径弧状部に、複数のセグメントを円環状形態に保持する環状治具の取り付け部が設けられている請求項5に記載のころ軸受。
【請求項7】
風力発電機の主軸支持に用いられる、前記外輪の外径が1m以上である請求項1に記載のころ軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ころ軸受に関し、特に、風力発電機の主軸等、径が大きい大型の軸を回転自在に支持するために用いられるころ軸受に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ころ軸受は、内輪及び外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在する複数の転動体(ころ)と、ころを収容する複数のポケットが軸受の周方向に間隔を空けて設けられた円環状の保持器とを備える。このようなころ軸受のうち、例えば、風力発電機や産業機械などといった大型の機械装置の主軸支持用のころ軸受は、大荷重を支持する必要があることから、その構成部材も当然に大型となり、軸受外径(外輪外径)が1mを超えるような場合もある。この場合、保持器を円環状の一部材で構成するとなると、それ自体を精度良くかつ効率良く生産するのが容易ではなく、また、運搬や内外輪間への組み込み等に手間が掛かる。そこで、特に外径が1mを超えるような大型のころ軸受用の保持器には、例えば特開2009-52746号公報(特許文献1)に記載されているように、円弧状(扇状)をなした複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成される、いわゆるセグメント保持器が好適に使用される。
【0003】
セグメントの一例を図23に示す。このセグメント100は、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部101と、軸受の軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部101を介して連結された一対の弧状部102とを備え、隣り合う2つの柱部101と一対の弧状部102との間にころ105の収容部となるポケット103が形成されている。このセグメント100は、ポケット103に収容されたころがポケット103外に移動(脱落)するのを規制する爪部104を有している。爪部104は、保持器の案内方式に応じて柱部101の径方向外側及び/又は径方向内側の端部に設けられる。図示例のセグメント100は、爪部104が径方向外側(図中上側)及び内側(図中下側)の端部双方に設けられた、転動体(ころ)案内方式の保持器を構成するセグメントである。このような構成を有するセグメント100は、効率良く量産することができる樹脂の射出成形品とされるのが一般的である。
【0004】
図23に示す樹脂製のセグメント100は、図24に概念的に示すように、セグメント100の周方向中央部を通って径方向に延びる直線(セグメント中心線)CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型(内径側金型111及び外径側金型112)を用いて射出成形されるのが一般的である。この場合、金型111,112からのセグメント100の抜き方向は、図中白抜き矢印で示す方向(径方向)となることから、セグメント100の形状・サイズ等によってはアンダーカット部が出来、金型111,112からのセグメント100の抜き取り(離型)が、セグメント100の一部を変形(弾性変形)させなければセグメント100を抜き取ることができない、いわゆる無理抜きとなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-52746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、外径が1mを超えるような大型のころ軸受用のセグメント100を樹脂の射出成形品とする場合、セグメント100に大荷重に耐えるための機械的強度を付与するためには、例えば、弾性率の大きいスーパーエンプラを主原料とした樹脂材料を使用する、セグメント各部の肉厚を極力大きくする、などといった対策が講じられる。しかしながらこのような対策が講じられると、セグメント100が弾性変形し難くなる(セグメント各部の弾性変形量が小さくなる)ことから、セグメント100が成形金型111,112から無理抜きされた際には、セグメント100に割れや欠けなどの欠陥が生じ易くなる。
【0007】
図23-24に示すセグメント100の場合、無理抜きの要因となるアンダーカット部は、一部の柱部101のうち、ポケット103を形成する側面(ポケット面)の一部となる。具体的には、図24中白丸で囲う部分であり、計4箇所ある。そこで、上記ポケット面にいわゆる抜き勾配を設ければ、無理抜きを回避することが可能となる。しかしながら、抜き勾配を設けると、これを設けない場合に比べて柱部101の断面積(肉厚)が減少する分、柱部101、ひいてはセグメント100の強度低下を招く。上記のような成形金型111,112を用いてセグメント100を射出成形する場合、セグメント中心線CLsから周方向に離れた位置にある柱部101は、そのポケット面に大きな抜き勾配を設ける必要が生じるために、断面積の減少に由来する強度低下が使用上問題が生じるレベルに至るおそれがある。
【0008】
上記の実情に鑑み、本発明は、保持器を構成する樹脂材料の射出成形品であるセグメントについて、スムーズに離型可能としつつ、強度低下を使用上問題がない範囲に抑制可能とし、これを通じて、支持すべき軸を長期間にわたって精度良く支持することのできるころ軸受を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、
内輪及び外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在する複数のころと、複数のころを周方向に間隔を空けて保持する円環状の保持器とを備え、
保持器が、複数のセグメントを周方向に並べて配置することで形成され、
上記セグメントが、周方向に間隔を空けて配置された複数の柱部と、軸方向に間隔を空けて配置され、複数の柱部を介して連結された一対の弧状部と、柱部に設けられ、隣り合う2つの柱部と一対の弧状部とで形成されるポケットに収容されたころと接触して当該ころの径方向移動を規制する爪部と、を一体に有する樹脂材料の射出成形品とされたころ軸受において、
セグメントの周方向長さに対応する円周角θを5°以上30°以下にしたことを特徴とする。
【0010】
上記のように、複数の柱部、一対の弧状部及び爪部を一体に有する樹脂材料の射出成形品であるセグメントの円周角θを30°以下にすれば、セグメント中心線CLsに沿って相対的に接近及び離反移動する一組の成形金型を用いてセグメントを樹脂で射出成形する場合に無理抜き回避のためのいわゆる抜き勾配を柱部(を成形する部分)に設けたとしても、柱部の断面積減少に由来するセグメントの強度低下を、使用上問題のない範囲に抑制することができる。一方、上記円周角θが5°未満であると、所望の負荷容量を具備したころを収容するためのポケットを形成できなくなる。従って、上記セグメントの円周角θを5°以上30°以下とすれば、上記セグメントをスムーズに離型可能としつつ、上記セグメントの強度低下を使用上問題がない範囲に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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