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公開番号2024008383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-19
出願番号2022110215
出願日2022-07-08
発明の名称締結具
出願人イワブチ株式会社
代理人個人
主分類F16B 37/08 20060101AFI20240112BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】1回転未満の回転でも確実に締結(ロック)を完了して締結作業の作業負担を軽減することができると共に、締結が完了したことを容易かつ確実に確認する。
【解決手段】ピン部材11とナット部材12とを備え、ナット部材12のロック用孔部12bにピン部材11のロック用軸部11cを挿入して回転させた際、ロック用軸部11cに設けた一対の突起11c1,11c1が回転許容内周面12b1,12b1に対向しながら移動してナット部材12の一対の突起嵌合用凹部12c,12cに嵌合する直前ではロック用軸部11cの一対の突起11c1,11c1が回転許容内周面12b1,12b1に接触(摺接)して回転許容内周面12b1,12b1側や突起11c1,11c1側が伸縮する等の弾性変形したり、あるいは削れたり凹む等の塑性変形してナット部材12の一対の突起嵌合用凹部12c,12cに嵌合してロックする。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
ロック用軸部の外周面に所定の高さを有し、かつ、当該ロック用軸部の軸心方向に所定の長さを有する複数の突起が設けられたピン部材と、
前記ピン部材の前記ロック用軸部を通すロック用孔部を有するナット部材と、を備え、
前記ロック用孔部の内周面には、前記ロック用軸部の複数の突起がそれぞれ嵌る複数の突起嵌合用凹部が設けられ、
前記ロック用孔部における隣接する前記突起嵌合用凹部の中間点である隣接凹部中間点は、前記ロック用軸部の前記突起を当該隣接凹部中間点に対向させて前記ピン部材の前記ロック用軸部を前記ロック用孔部に通した際、前記ロック用軸部の複数の突起との間に間隙を有する内径である一方、
前記隣接凹部中間点から前記突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面として、前記ロック用軸部の複数の突起が当該ロック用孔部の内周面に接触した後、前記突起嵌合用凹部に嵌合するまで前記ピン部材または前記ナット部材の少なくとも一方の回転を許容する内径を有する回転許容内周面を有しており、
前記ナット部材のロック用孔部に前記ピン部材のロック用軸部を挿入して前記突起が前記回転許容内周面を介し前記突起嵌合用凹部に向けて回転させると、前記ピン部材の前記各突起は前記突起嵌合用凹部に嵌合する前に前記回転許容内周面に接触して前記各突起と前記ロック用孔部の少なくとも一方が変形して前記ナット部材の前記各突起嵌合用凹部に嵌合してロックされるように構成されていることを特徴とする締結具。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1記載の締結具において、
前記ナット部材における前記複数の突起嵌合用凹部の前後で前記ロック用孔部の内周面の内径が異なっており、
前記隣接凹部中間点に前記突起を対向させた状態で前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が大きい方に近付くように回転させた際、当該隣接凹部中間点から当該突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面は、前記回転許容内周面である一方、
前記隣接凹部中間点に前記突起を対向させた状態で前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が小さい方に近付くように回転させた際、前記隣接凹部中間点から前記突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面は、前記突起が前記突起嵌合用凹部に嵌合するまでの前記ピン部材または前記ナット部材の少なくとも一方の回転を禁止する内径を有する回転禁止内周面であり、
前記ナット部材のロック用孔部に前記ピン部材のロック用軸部を挿入して前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が大きい方に近付くように回転させた際、前記ピン部材の前記各突起は前記回転許容内周面に対向しながら移動して、前記突起嵌合用凹部に嵌合する前に前記回転許容内周面に接触して前記各突起と前記回転許容内周面の少なくとも一方が変形することにより前記ナット部材の前記各突起嵌合用凹部に嵌合し、その後、前記各突起嵌合用凹部を超えて前記回転禁止内周面側に向かう回転は禁止され前記ピン部材と前記ナット部材とがロックされることを特徴とする締結具。
【請求項3】
請求項1記載の締結具において、
前記ナット部材と前記ピン部材の強度が異なることを特徴とする締結具。
【請求項4】
請求項1記載の締結具において、
前記ナット部材の外周面における前記隣接凹部中間点の近傍には、前記ロック用軸部を当該ロック用孔部に挿入する際、前記各突起の挿入位置を示すと共に、締結完了時にずれることで締結完了の位置の目安を示す目印が設けられていることを特徴とする締結具。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載の締結具において、
前記ナット部材の軸方向には、前記ナット部材の長径より大きい直径を有する挿入ロック用孔部が設けられ、
前記ロック用孔部は、前記挿入ロック用孔部の内周面にロック用孔部形成凸部を突出させることにより形成されており、
前記ロック用孔部形成凸部は、前記挿入ロック用孔部の内周面に前記ロック用孔部の軸方向に対し螺旋状に傾斜して設けられていることを特徴とする締結具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少ない回転量で締結(ロック)することができると共に、締結完了時にクリック音やクリック感等によって締結完了を容易かつ確実に確認することができる締結具に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、締結具として、ネジ山が形成されたボルトと、ネジ溝が形成されたナットが広く利用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-221068号公報
特開2016-13006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1,2に記載の締結具では、通常、ネジ山が形成されたボルトの軸部をナットのボルト通し孔に螺合させた後、ナットまたはボルトを数回転させる必要があるため、締結が完了するまで時間を要し、手間がかかり、作業性が悪いという問題があった。
【0005】
また、ネジ山とネジ溝との螺合による締結であるため、熟練者でない作業員にとっては確実に締結が完了していることの確認が難しく、締結忘れが発生し易いという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、1回転未満の回転でも確実に締結(ロック)を完了して締結作業の作業負担を軽減することができると共に、締結が完了したことを容易かつ確実に確認することができる締結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る締結具は、ロック用軸部の外周面に所定の高さを有し、かつ、当該ロック用軸部の軸心方向に所定の長さを有する複数の突起が設けられたピン部材と、前記ピン部材の前記ロック用軸部を通すロック用孔部を有するナット部材と、を備え、前記ロック用孔部の内周面には、前記ロック用軸部の複数の突起がそれぞれ嵌る複数の突起嵌合用凹部が設けられ、前記ロック用孔部における隣接する前記突起嵌合用凹部の中間点である隣接凹部中間点は、前記ロック用軸部の前記突起を当該隣接凹部中間点に対向させて前記ピン部材の前記ロック用軸部を前記ロック用孔部に通した際、前記ロック用軸部の複数の突起との間に間隙を有する内径である一方、前記隣接凹部中間点から前記突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面として、前記ロック用軸部の複数の突起が当該ロック用孔部の内周面に接触した後、前記突起嵌合用凹部に嵌合するまで前記ピン部材または前記ナット部材の少なくとも一方の回転を許容する内径を有する回転許容内周面を有しており、前記ナット部材のロック用孔部に前記ピン部材のロック用軸部を挿入して前記突起が前記回転許容内周面を介し前記突起嵌合用凹部に向けて回転させると、前記ピン部材の前記各突起は前記突起嵌合用凹部に嵌合する前に前記回転許容内周面に接触して前記各突起と前記ロック用孔部の少なくとも一方が変形して前記ナット部材の前記各突起嵌合用凹部に嵌合してロックされるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る締結具では、前記ナット部材における前記複数の突起嵌合用凹部の前後で前記ロック用孔部の内周面の内径が異なっており、前記隣接凹部中間点に前記突起を対向させた状態で前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が大きい方に近付くように回転させた際、当該隣接凹部中間点から当該突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面は、前記回転許容内周面である一方、前記隣接凹部中間点に前記突起を対向させた状態で前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が小さい方に近付くように回転させた際、当該隣接凹部中間点から当該突起嵌合用凹部までの前記ロック用孔部の内周面は、前記突起が前記突起嵌合用凹部に嵌合するまでの前記ピン部材または前記ナット部材の少なくとも一方の回転を禁止する内径を有する回転禁止内周面であり、前記ナット部材のロック用孔部に前記ピン部材のロック用軸部を挿入して前記ピン部材の前記突起が前記ナット部材の前記突起嵌合用凹部の前後の内で内周面の内径が大きい方に近付くように回転させた際、前記ピン部材の前記各突起は前記回転許容内周面に対向しながら移動して、前記突起嵌合用凹部に嵌合する前に前記回転許容内周面に接触して前記各突起と前記回転許容内周面の少なくとも一方が変形することにより前記ナット部材の前記各突起嵌合用凹部に嵌合し、その後、前記各突起嵌合用凹部を超えて前記回転禁止内周面側に向かう回転は禁止され前記ピン部材と前記ナット部材とがロックされることも特徴とする。
また、本発明に係る締結具では、前記ナット部材と前記ピン部材の強度が異なることも特徴とする。
また、本発明に係る締結具では、前記ナット部材の外周面における前記隣接凹部中間点の近傍には、前記ロック用軸部を当該ロック用孔部に挿入する際、前記各突起の挿入位置を示すと共に、締結完了時にずれることで締結完了の位置の目安を示す目印が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る締結具では、前記ナット部材の軸方向には、前記ナット部材の長径より大きい直径を有する挿入ロック用孔部が設けられ、前記ロック用孔部は、前記挿入ロック用孔部の内周面にロック用孔部形成凸部を突出させることにより形成されており、前記ロック用孔部形成凸部は、前記挿入ロック用孔部の内周面に前記ロック用孔部の軸方向に対し螺旋状に傾斜して設けられていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る締結具によれば、ナット部材のロック用孔部にピン部材のロック用軸部を挿入してピン部材の突起がナット部材の回転許容内周面を介し突起嵌合用凹部に向かうようにピン部材やナット部材を回転させると、ピン部材の各突起は突起嵌合用凹部に嵌合する前に回転許容内周面に接触して各突起とロック用孔部の少なくとも一方が弾性変形や塑性変形してナット部材の各突起嵌合用凹部に嵌合してロックされる。
尚、ナット部材のロック用孔部やピン部材の突起が伸縮する等の弾性変形する場合は、ピン部材およびナット部材を合成樹脂等で成形した場合に起こり易く、それらが削れたり凹む等の塑性変形する場合は、ピン部材およびナット部材を合成樹脂等で成形した場合でも起こるが主に金属で成形した場合に起こり易い。
そのため、ピン部材とナット部材とがロックするまでの回転数はピン部材の各突起がナット部材の各突起嵌合用凹部に嵌合するまでの1回転未満になるので、締結作業の作業負担を軽減することができる。
また、ピン部材をナット部材に挿入して回転させてピン部材の各突起それぞれがナット部材の各突起嵌合用凹部に嵌合する際、クリック感やクリック音等も得られるため、作業者は締結作業時に手に伝わるクリック感等の感触やクリック音等から締結が完了したことを容易かつ確実に確認することができ、熟練者でなくても確実に締結作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具の斜視図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するピン部材の斜視図である。
(a)~(d)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するピン部材の平面図、正面図、側面図、底面図である。
本発明に係る実施形態1の締結具を構成するピン部材の拡大底面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するナット部材の斜視図である。
(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するナット部材の平面図、正面図、側面図である。
(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するナット部材の底面図、A-A線断面図、B-B線断面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具を構成するナット部材の拡大底面図、C部分の要部拡大図である。
本発明に係る実施形態1の締結具においてナット部材のロック用孔部にピン部材のロック用軸部を通した状態を示す断面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具においてナット部材のロック用孔部にピン部材のロック用軸部を通した後、ナット部材を図9に示す状態から時計回りに45度回転させた状態を示す断面図、D部分の要部拡大断面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具においてナット部材のロック用孔部にピン部材のロック用軸部を通した後、ナット部材を図9に示す状態から時計回りに85度回転させた状態を示す断面図、E部分の要部拡大断面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具においてナット部材のロック用孔部にピン部材のロック用軸部を通した後、ナット部材を図9に示す状態から時計回りに90度回転させた状態を示す断面図、F部分の要部拡大断面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態1の締結具にけるピン部材の突起の別の形状の一例がナット部材の突起嵌合用凹部に嵌合する直前と、嵌合した状態を示す要部拡大図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態2の締結具を構成するピン部材の特徴を示す平面図、ナット部材の特徴を示す平面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態2の締結具においてナット部材にピン部材を挿入した状態を示す平面図、ナット部材の突起嵌合用凹部にピン部材の突起が嵌合した状態を示す平面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態3の締結具を構成するピン部材の特徴を示す平面図、ナット部材の特徴を示す平面図である。
(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態3の締結具においてナット部材にピン部材を挿入した状態を示す平面図、ナット部材の突起嵌合用凹部にピン部材の突起が嵌合した状態を示す平面図である。
本発明に係る実施形態4の締結具を構成するナット部材の突起嵌合用凹部の特徴を示す参考断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る締結具の実施形態1~4について、図面を参照して説明する。なお、下記に説明する実施形態1~4はあくまで本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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