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公開番号2024002107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-11
出願番号2022101103
出願日2022-06-23
発明の名称玉軸受
出願人株式会社ジェイテクト
代理人
主分類F16C 33/41 20060101AFI20231228BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】外輪が回転して潤滑油で潤滑される玉軸受において内輪軌道面のスミアリングの発生を防止する。
【解決手段】玉軸受10は、外周に内輪軌道面28を有し回転不能の内輪12と、内周に外輪軌道面18を有し回転自在の外輪11と、複数の玉13と、保持器14と、を備える。内輪12は、外周に、第1の円筒面33aと、段面33bと、第2の円筒面31と、を備える。保持器14は、玉13に沿って配置される環状体37と、玉13の間を通って軸方向に延在する複数のつの38を備える。環状体37は、内周に、つの38と周方向に重なる位置で径方向外方に窪んで軸方向に延在する油溝45と、前記第2の円筒面31より軸方向の第1の側に配置され軸方向の第2の側に向かうほど拡径する拡径部43と、を備え、油溝45の少なくとも一部が、第2の円筒面31より軸方向の第2の側に開口する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外周に内輪軌道面を有し回転不能に固定された内輪と、
内周に外輪軌道面を有し前記内輪に対して回転自在の外輪と、
前記内輪軌道面と前記外輪軌道面の間で転動自在の複数の玉と、
前記玉を保持する保持器と、を備えた玉軸受であって、
前記内輪は、外周に、軸方向の第1の側の内輪側面から軸方向の第2の側に延在する第1の円筒面と、前記第1の円筒面から径方向外方に延在する段面と、前記段面から軸方向の第2の側に延在して前記内輪軌道面の軸方向の第1の側の端部とつながる第2の円筒面と、を備え、
前記保持器は、複数の前記玉に沿って軸方向の第1の側の側に配置される環状体と、前記環状体から前記玉と前記玉との間を通って軸方向の第2の側に延在する複数のつのを備え、
前記環状体は、内周に、前記つのと周方向に重なる位置で径方向外方に窪んで軸方向に延在する油溝と、前記第2の円筒面より軸方向の第1の側に配置され軸方向の第2の側に向かうほど拡径する拡径部と、を備え、
前記油溝の少なくとも一部が、前記第2の円筒面より軸方向の第2の側に開口することを特徴とする玉軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、玉軸受、特に、外輪回転で使用し、潤滑油を供給して軌道面を潤滑する形式の玉軸受に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、図7に矢印Cで示すように、自動車のトランスアクスル81に組み込まれて、外輪回転で使用される玉軸受83を開示する。
玉軸受83bは、内輪85がケース(軸)88bに固定されており、外輪84がカウンタドライブギア(ハウジング)82とともに回転する。遊星機構92が、カウンタドライブギア82の内側に組み込まれている。遊星機構92は、トランスアクスル81の動力を伝達する組み込まれている。潤滑油が、遊星機構92の各ギアに供給されている。玉軸受83bは、この潤滑油によって軌道面が潤滑されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-061046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7のトランスアクスル81において、潤滑油は、玉軸受83bの外輪84と内輪85との間の環状の空間を通って流出する。このとき外輪84が回転しているので、潤滑油は、遠心力が作用することによって外輪84の内周に沿って流動する。このため、内輪85の軌道面は、潤滑油の供給が少なくなって潤滑性能が低下するおそれがある。潤滑性能が低下すると、内輪85の軌道面は、スミアリングを発生する場合がある。スミアリングは、玉軸受の損傷の一形態である。スミアリングは、転動体86と軌道面との間で滑り接触が生じたときに潤滑油膜が切れて、軌道面の表面が荒れた状態になることをいう。
【0005】
そこで、本発明は、外輪が回転する用途で使用される玉軸受に潤滑油を供給する場合に、玉と内輪の軌道面との接触領域に潤滑油を確実に供給して、内輪軌道面のスミアリングの発生を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、外周に内輪軌道面を有し回転不能に固定された内輪と、内周に外輪軌道面を有し前記内輪に対して回転自在の外輪と、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面の間で転動自在の複数の玉と、前記玉を保持する保持器と、を備えた玉軸受であって、前記内輪は、外周に、軸方向の第1の側の内輪側面から軸方向の第2の側に延在する第1の円筒面と、前記第1の円筒面から径方向外方に延在する段面と、前記段面から軸方向の第2の側に延在して前記内輪軌道面の軸方向の第1の側の端部とつながる第2の円筒面と、を備え、前記保持器は、複数の前記玉に沿って軸方向の第1の側の側に配置される環状体と、前記環状体から前記玉と前記玉との間を通って軸方向の第2の側に延在する複数のつのを備え、前記環状体は、内周に、前記つのと周方向に重なる位置で径方向外方に窪んで軸方向に延在する油溝と、前記第2の円筒面より軸方向の第1の側に配置され軸方向の第2の側に向かうほど拡径する拡径部と、を備え、前記油溝の少なくとも一部が、前記第2の円筒面より軸方向の第2の側に開口することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、外輪が回転する用途で使用される玉軸受に潤滑油を供給する場合に、潤滑油を玉と内輪の軌道面との接触領域に確実に供給することができるので、内輪軌道面のスミアリングの発生を防止して、玉軸受を長期にわたって使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態である玉軸受の軸方向断面図である。
玉軸受を図1の矢印Xの向きに見た断面図である。
つのの位置で径方向内方からみた保持器単体の形態を示す模式図である。
保持器単体のつのの周方向の中央を通る断面図である。
本発明の一形態としての玉軸受の潤滑油の流れを説明する説明図である。
従来の玉軸受における潤滑油の流れを説明する説明図である。
公知のトランスアクスルの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態である玉軸受10の軸方向断面図である。図2は、玉軸受10を軸方向の中央において図1の矢印Xの向きに見た断面図である。なお、図1は、図2のY1-Y1の位置で矢印の向きに見たときの径方向の一方の断面を示している。
玉軸受10は深溝玉軸受であり、例えば、図7の矢印Cに示すように、自動車用トランスアクスル81に組み込まれて、カウンタドライブギア82を回転支持する用途で使用される。図7は、公知のトランスアクスルの軸方向断面図である。
以下の説明において、玉軸受10の回転中心である中心軸mと平行となる方向は、軸方向であり、中心軸mと直交する方向は、径方向であり、中心軸mの周りは、周回する方向を周方向である。
【0010】
図1を参照する。玉軸受10は、外輪11、内輪12、複数の転動体としての玉13及び保持器14を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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