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公開番号2024073655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2024048250,2021523510
出願日2024-03-25,2019-11-05
発明の名称ポリエチレンテレフタレートの酵素分解法
出願人キャルビオス,CARBIOS
代理人弁理士法人 津国
主分類C08J 11/22 20060101AFI20240522BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、特にプラスチック材料に含まれるポリエチレンテレフタレート(PET)の酵素的解重合の方法に関する。本発明によるプロセスは、特に、工業規模または半工業規模で実施することができる。
【解決手段】PETが、最大25%の初期結晶化度を有し、解重合工程が、前記PETのTg±10℃に等しい温度Tで実施され、酵素は、前記酵素によるPETの解重合時間(tD)が、前記PETの結晶化時間(tR)よりも厳密に短くなるように選択され、ここで、時間tDは、前記温度Tで前記酵素が少なくとも80%解重合するために前記酵素に必要な時間を表し、及び時間tRは、前記温度Tで最大で35%の結晶化度に到達するために前記PETに必要な時間を表すことを特徴とする
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
PETを、前記PETを解重合することができる酵素と接触させることによるポリエチレンテレフタレート(PET)の酵素的解重合のための方法であって、
-PETが、最大25%の初期結晶化度を有し、
-解重合工程が、前記PETのTg±10℃に等しい温度Tで実施され、
-酵素は、前記酵素によるPETの解重合時間(tD)が、前記PETの結晶化時間(tR)よりも厳密に短くなるように選択され、ここで、時間tDは、前記温度Tで前記酵素が少なくとも80%解重合するために前記酵素に必要な時間を表し、及び
時間tRは、前記温度Tで最大で35%の結晶化度に到達するために前記PETに必要な時間を表す
ことを特徴とする、前記方法。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
温度Tが、PETのTg-10℃とTg+5℃との間に含まれることを特徴とする、請求項1記載の解重合方法。
【請求項3】
温度Tが、66℃から80℃の間、優先的には68℃から73℃の間に含まれることを特徴とする、請求項1又は2記載の解重合方法。
【請求項4】
前記PETのサンプルについて、解重合工程の前に、PETの結晶化時間が測定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項5】
選択された酵素が、20時間以下の時間tDを有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項6】
酵素が、温度Tよりも厳密に高い融解温度(Tm)を有する酵素から選択されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項7】
酵素が、温度T+10℃以上、優先的には温度T+15℃以上、より優先的にはT+20℃以上のTmを有する酵素から選択されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項8】
25%未満の初期結晶化度を有するPETが選択されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項9】
PETの初期結晶化度が、20%未満であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項記載の解重合方法。
【請求項10】
解重合時間(tD)が、1時間から16時間の間、優先的には1時間から10時間の間に含まれることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項記載の解重合方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、特にプラスチック材料に含まれるポリエチレンテレフタレート(PET)の酵素的解重合の方法に関する。本発明によるプロセスは、特に、工業規模または半工業規模で実施することができる。
続きを表示(約 2,200 文字)【0002】
背景技術
プラスチック製品は耐久性があり安価な素材であり、さまざまな用途(食品包装、衣料用繊維など)のさまざまな製品の製造に使用できる。その結果、プラスチックの生産はここ数十年で劇的に増加した。ほとんどが短期間の用途に使用されるため、プラスチック廃棄物が蓄積し、その処理が必要になる。これらのプラスチックを構成するさまざまなポリマーには、テレフタル酸とエチレングリコールから製造された芳香族ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。これは、食品包装(ボトル、フラスコ、ジャー、トレイ、ポーチ)、衣類、装飾(カーペット)、家庭用リネンなどのテキスタイルの製造などの多くの用途で使用される。
【0003】
廃棄物の蓄積という環境的および経済的問題に対処するために、リサイクルまたはエネルギー回収技術が開発されてきた。機械的リサイクルプロセスは今日でも最も一般的に使用されているが、多くの欠点がある。確かに、それは実装するために洗練された費用のかかる選別を必要とし、より低い価値(より低い分子量、添加剤の制御されていない存在)の用途を目的とした品質の低下した再生プラスチックの生産につながる。さらに、これらの再生プラスチックは、石油由来のバージンプラスチックと競合しない。
【0004】
最近、プラスチック製品の酵素的リサイクルのための革新的なプロセスが開発され、特に特許出願WO2014/079844、WO2015/097104、WO2015/173265、およびWO2017/198786に記載されている。従来の機械的リサイクルプロセスとは異なり、これらの酵素プロセスは、プラスチックに含まれるポリマーの酵素的解重合によって、ポリマーの主成分(モノマー)に戻ることを可能にする。次に、得られたモノマーを精製し、新しいポリマーを再重合するために使用することができる。これらの酵素プロセスは、酵素の特異性を介して、コストのかかるプラスチックの選別を回避することを可能にするだけでなく、油由来のポリマーと同等の品質のリサイクルポリマーをもたらす無限のリサイクルを提案することも可能にする。特に、これらのプロセスにより、PETからテレフタル酸とエチレングリコールを製造することが可能になる。
【0005】
発明の概要
出願人は、PETの酵素的解重合のプロセスに取り組むことにより、PETを含むプラスチックをこのPETのTgに近い温度で酵素的に解重合するための最適化されたプロセスを開発し、ポリマーの鎖にアクセスしやすくすることに成功した。解重合酵素により、解重合速度が向上する。
【0006】
そのようなプロセスを達成するために、発明者はアンチノミック問題に取り組む必要があった。実際、ポリマーを解重合できる酵素は、半結晶性ポリマーよりもアモルファスポリマーに対してほとんど活性がある。ポリマーのTgに近い温度での解重合プロセスは、このポリマー鎖の移動度の増加を介して、解重合される前記ポリマー鎖への酵素のアクセス可能性を理論的には改善することができるが、ポリマーがTgに近いかそれ以上の温度に付されると、後者はより急速に再結晶化する傾向があるため、ポリマーが酵素の解重合をより困難にする。
【0007】
したがって、本発明者は、一方で、解重合前にPETの結晶化度が十分に低いことを確実にすることにより、前記PETのTgに近いまたはそれを超える温度でPET解重合プロセスを実行することが可能であることを実証した。他方、このPETを、酵素解重合と両立しない結晶化度に到達するのに必要な時間よりも短い解重合時間で解重合することができる酵素を選択することによって、本発明者によって開発されたプロセスは、工業規模の実施と互換性のある反応器内で解重合速度を維持することを可能にする。一例として、本発明者は、72℃の温度、10時間未満で90%を超えるPETを解重合することに成功した。有利には、本発明のプロセスは、PETを含むプラスチックの解重合および/またはリサイクルのために実施することができる。
【0008】
したがって、本発明は、その目的として、前記PETが最大25%の初期結晶化度を有することを特徴とする、前記PETを解重合することができる酵素と接触させることによるポリエチレンテレフタレート(PET)の酵素解重合のためのプロセスを有する。解重合工程は、前記PETのTg±10℃に等しい温度Tで実施され、酵素は、前記酵素によるPETの解重合時間(tD)が結晶化時間よりも厳密に短くなるように選択される、ここで、時間tDは、前記酵素が前記温度Tで前記PETの少なくとも80%を解重合するのに必要な時間を表し、時間tRは、前記PETが前記温度Tでほとんど35%の結晶化度に達するのに必要な時間を表す。
【0009】
解重合工程は、66℃から80℃、優先的には68℃から73℃を含む温度Tで優先的に実施され、時間tDは20時間以下、優先的には16時間未満である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
異なる温度での前記材料のインキュベーション中のプラスチック材料に含まれるPETの再結晶動態である。
(【0011】以降は省略されています)

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