TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024073102
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022184120
出願日2022-11-17
発明の名称差動歯車装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 48/40 20120101AFI20240522BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】過大なトルクが作用することをトルクリミット機能によって回避もしくは抑制でき、しかも小型化の可能な差動歯車装置を提供する。
【解決手段】差動機構3がケーシング2の内部に収容され、外部からのトルクを伝達するリングギヤ4がケーシング2によって保持されており、リングギヤ4は、ケーシング2に対して回転可能でかつ回転中心軸線の方向に移動可能にケーシング2に取り付けられ、リングギヤ4とケーシング2との間に、リングギヤ4とケーシング2との相対的な回転を阻止する摩擦力を生じる摩擦部13が設けられ、摩擦部13での摩擦力を増大させる方向にリングギヤ4を押圧する弾性部材12が設けられ、リングギヤ4とケーシング2との間で伝達可能なトルクが、弾性部材12による押圧力および摩擦部13の摩擦力に基づくトルクに設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
差動機構がケーシングの内部に収容され、外部からのトルクを伝達するリングギヤが前記ケーシングによって保持されている差動歯車装置であって、
前記リングギヤは、前記ケーシングに対して回転可能でかつ回転中心軸線の方向に移動可能に前記ケーシングに取り付けられ、
前記リングギヤと前記ケーシングとの間に、前記リングギヤと前記ケーシングとの相対的な回転を阻止する摩擦力を生じる摩擦部が設けられ、
前記摩擦部での摩擦力を増大させる方向に前記リングギヤを押圧する弾性部材が設けられ、
前記リングギヤと前記ケーシングとの間で伝達可能なトルクが、前記弾性部材による押圧力および前記摩擦部の摩擦力に基づくトルクに設定されている
ことを特徴とする差動歯車装置。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
請求項1に記載の差動歯車装置であって、
前記リングギヤは、前記弾性部材を圧縮して前記摩擦部での接触圧力を低下させる方向のスラスト力を、外部から伝達されるトルクに基づいて生じるヘリカルギヤである
ことを特徴とする差動歯車装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の差動歯車装置であって、
前記摩擦部は、互いに面接触して前記摩擦力を発生する第1テーパ面と第2テーパ面とを備えている
ことを特徴とする差動歯車装置。
【請求項4】
請求項3に記載の差動歯車装置であって、
前記ケーシングと一体になって回転する環状部材が、前記リングギヤと同一の軸線上でかつ前記リングギヤに隣接して配置され、
前記第1テーパ面は、前記リングギヤに形成され、
前記第2テーパ面は、前記環状部材に形成されている
ことを特徴とする差動歯車装置。
【請求項5】
請求項4に記載の差動歯車装置であって、
前記差動機構は、前記ケーシングの内部で同一の軸線上で対向して配置された一対のサイドギヤと、前記サイドギヤの間に配置されて前記サイドギヤに噛み合って自転しかつ前記軸線を中心に公転するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを自転可能に保持しかつ前記ケーシングに取り付けられたピニオンシャフトとを有し、
前記環状部材は前記ピニオンシャフトに連結されている
ことを特徴とする差動歯車装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーシングを入力要素とし、そのケーシングの内部に差動機構を収容し、その差動機構から出力するように構成した差動歯車装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
この種の差動歯車装置は、例えば車両の左右の駆動輪に、それらの差動を許容しつつトルクを伝達する終減速機として広く採用されている。特許文献1には、その一例がディファレンシャル構造として記載されている。特許文献1に記載された差動歯車装置は、デフケースを入力要素とするものであって、デフケースには外側に延び出ているフランジ部が設けられている。また、デフケースに取り付けるリングギヤ(デフドライブギヤ)には、内側に延び出ていて前記デフケースにフランジ部に対向して接触するフランジ部が設けられている。そして、これらのフランジ部を面接触させるとともに、それらのフランジ部を貫通するボルトでフランジ部同士を締め付けることにより、リングギヤがデフケースに固定されている。特許文献1に記載された構造では、ボルトの緩みを防止するために、リングギヤとデフケースとが接触する面をテーパ面としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-91449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている差動歯車装置は、車両の終減速機として使用されることがあり、その場合にはリングギヤとデフケースとの間に大きいトルクが作用し、また振動が作用することがある。そのため、特許文献1に記載されているようにボルトの緩みを抑制する構成を採用することが望ましく、それだけでなく強度を十分に大きくすることが望まれる。特に電動機を駆動力源とする電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV,PHEV)などにおいては、慣性トルクを含む瞬時に作用する最大トルクが大きくなるので、それに耐え得る強度を保持させる必要がある。しかしながら、最大トルクに対して余裕を持った強度とするには大型化してしまい、例えば車両に使用する場合には車載性が悪化する可能性がある。また一方、一時的な過大トルクが作用することを避けるためにトルクリミッタを追加して設けることが考えられるが、そのような構成では、強度の増大の要請を低減できるとしても、追加したトルクリミッタが差動歯車装置を大型化させてしまう可能性がある。差動歯車装置は、車両の終減速機として使用する場合、変速機構などと共にトランスアクスルとして一体に構成することがあり、その場合には、小型軽量化の要請が更に大きく、耐久性を損なうことなく小型化するための新たな技術を開発する余地が多分にある。
【0005】
この発明は上述した事情を背景としてなされたものであって、過大なトルクが作用することを回避もしくは抑制でき、しかも小型化の可能な差動歯車装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、差動機構がケーシングの内部に収容され、外部からのトルクを伝達するリングギヤが前記ケーシングによって保持されている差動歯車装置であって、前記リングギヤは、前記ケーシングに対して回転可能でかつ回転中心軸線の方向に移動可能に前記ケーシングに取り付けられ、前記リングギヤと前記ケーシングとの間に、前記リングギヤと前記ケーシングとの相対的な回転を阻止する摩擦力を生じる摩擦部が設けられ、前記摩擦部での摩擦力を増大させる方向に前記リングギヤを押圧する弾性部材が設けられ、前記リングギヤと前記ケーシングとの間で伝達可能なトルクが、前記弾性部材による押圧力および前記摩擦部の摩擦力に基づくトルクに設定されていることを特徴とするものである。
【0007】
この発明では、前記リングギヤは、前記弾性部材を圧縮して前記摩擦部での接触圧力を低下させる方向のスラスト力を、外部から伝達されるトルクに基づいて生じるヘリカルギヤであってよい。
【0008】
この発明では、前記摩擦部は、互いに面接触して前記摩擦力を発生する第1テーパ面と第2テーパ面とを備えていてよい。
【0009】
この発明では、前記ケーシングと一体になって回転する環状部材が、前記リングギヤと同一の軸線上でかつ前記リングギヤに隣接して配置され、前記第1テーパ面は、前記リングギヤに形成され、前記第2テーパ面は、前記環状部材に形成されていてよい。
【0010】
この発明では、前記差動機構は、前記ケーシングの内部で同一の軸線上で対向して配置された一対のサイドギヤと、前記サイドギヤの間に配置されて前記サイドギヤに噛み合って自転しかつ前記軸線を中心に公転するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを自転可能に保持しかつ前記ケーシングに取り付けられたピニオンシャフトとを有し、前記環状部材は前記ピニオンシャフトに連結されていてよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
回転機構
1か月前
個人
配管固定金具
4か月前
個人
脚装置
4か月前
個人
家具
3か月前
丸一株式会社
配管構造
20日前
個人
ジャイロの軸受装置
3か月前
個人
ネジの緩み止め装置
1か月前
個人
アンカーボルト
2か月前
株式会社フジキン
バルブ装置
2か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
5日前
カヤバ株式会社
緩衝器
4か月前
株式会社テイエルブイ
自動弁
2か月前
株式会社フジキン
バルブ装置
1か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
カヤバ株式会社
ダンパ
2か月前
カヤバ株式会社
バルブ
2か月前
マフレン株式会社
自動給脂器
3か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
株式会社ニフコ
留め具
12日前
株式会社TOK
着脱装置
1か月前
個人
圧入成形物の製造法
3か月前
日星電気株式会社
多層チューブ
4か月前
株式会社不二工機
電磁弁
4か月前
株式会社不二工機
電磁弁
15日前
株式会社テイエルブイ
熱応動弁
4か月前
株式会社ナジコ
自在継手
3か月前
株式会社不二工機
電動弁
3か月前
株式会社エステック
減速機
3か月前
株式会社伊藤製作所
連結具
3か月前
株式会社テイエルブイ
複座弁装置
4か月前
カヤバ株式会社
バルブ装置
1か月前
日本精工株式会社
ボールねじ装置
2か月前
帝人株式会社
衝撃吸収部材
20日前
井関農機株式会社
作業車両
2か月前
日東工器株式会社
防振構造
2か月前
続きを見る