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公開番号2024072937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022183835
出願日2022-11-17
発明の名称紙用撥水剤の製造方法及び紙の製造方法
出願人星光PMC株式会社
代理人個人
主分類D21H 21/16 20060101AFI20240522BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】
本発明は、機械的安定性に優れ、撥水性を紙に付与でき、塗工後ライナーを段ボールシートに加工する工程で熱処理しても、撥水性が著しく低下してしまうことのない紙用撥水剤組成物の製造方法及び紙の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
疎水性モノマー(a1)40~80質量%及びカルボキシル基を有するモノマー(a2)20~60質量%を含むモノマー混合物を重合して得られるアニオン性高分子のアルカリ塩(A)存在下で、ビニル系モノマー(c)を乳化重合することにより得られるエマルションであって、前記ビニル系モノマー(c)がガラス転移温度40℃以上の疎水性ハードモノマー(c1)と、0℃以下の疎水性ソフトモノマー(c2)とを含み、ビニル系モノマー(c)の共重合体(C)のガラス転移温度が-30~40℃であることを特徴とする紙用撥水剤の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
疎水性モノマー(a1)40~80質量%及びカルボキシル基を有するモノマー(a2)20~60質量%を含むモノマー混合物を重合して得られるアニオン性高分子のアルカリ塩(A)存在下で、ビニル系モノマー(c)を乳化重合することにより得られるエマルションであって、前記ビニル系モノマー(c)がガラス転移温度40℃以上の疎水性ハードモノマー(c1)と、0℃以下の疎水性ソフトモノマー(c2)とを含み、ビニル系モノマー(c)の共重合体(C)のガラス転移温度が-30~40℃であることを特徴とする紙用撥水剤の製造方法。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
さらにセラック及び/又はそのアルカリ塩(B)共存下でビニル系モノマー(c)を乳化重合することを特徴とする請求項1に記載の紙用撥水剤の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紙用撥水剤の製造方法で得られる紙用撥水剤を少なくとも片面に0.1~5g/m

塗工することを特徴とする紙の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は紙用撥水剤の製造方法、及び該紙用撥水剤を用いた紙の製造方法に関し、更に詳細には、原紙表面に塗工することにより優れた撥水性を付与する撥水剤の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、撥水紙には、ポリエチレン等のラミネート紙、フィルム貼合紙が用いられてきた。しかしながら、このタイプの撥水紙は、プラスチックとの複合材料であることから、離解性(古紙回収性)がないため、最近では、資源回収が容易な撥水紙が望まれている。
このような撥水紙としては、撥水成分を水に分散させた撥水剤を紙の表面に塗布したものが知られている。用いられる撥水剤としては、アクリル系エマルション(フッ素系、非フッ素系)やポリエステル系エマルションなどが挙げられる(特許文献1、2参照)。
【0003】
一方、段ボール原紙や白板紙等の板紙表面には、撥水性のほか、耐摩耗強度、印刷適性、防滑性等が求められる。これら前述の性能を改良する方法としては、撥水原体としてパラフィンワックス、粘着付与剤及び乳化剤を含む混合物エマルションと、ガラス転移温度(Tg)が-10℃~60℃の範囲にある合成樹脂エマルションを含有することを特徴とする紙用撥水剤組成物(特許文献3参照)などが提案されている。しかし、これらの手段では、撥水性、耐摩耗強度、印刷適性、防滑性等が従来のものよりも優れるものの、特に、撥水性、防滑性は未だ十分に満足のいくものとはいえなかった。撥水性については、例えば段ボール原紙を段ボールシートに加工する際に加える熱により著しく低下してしまうという課題もあった。また、近年抄紙機の高速化やロッドメタリングコーターの普及等により撥水剤への機械的安定性向上の要求は高まっているが、従来の撥水剤は機械的なシェアに弱く、塗工時にエマルションが破壊され、塗工機が汚れやすい欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-057689号公報
特開2005-009016号公報
特開2004-183165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、機械的安定性に優れ、撥水性を紙に付与でき、塗工後ライナーを段ボールシートに加工する工程で熱処理しても、撥水性が著しく低下してしまうことのない紙用撥水剤組成物の製造方法、及び紙の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、撥水剤とは求められる作用効果や目的が異なることから設計思想が全く異なる紙用サイズ剤の検討において、偶然にも、特定の紙用サイズ剤を一定量紙に塗工することで、塗工紙が撥水性を発現することを見い出した。具体的には、通常紙用サイズ剤として用いる場合の塗工量よりも多い撥水剤としての塗工量を紙表面に塗工した場合において、塗工紙は撥水性を発現した。そこで発明者らは、従来の撥水剤における前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、アニオン性高分子のアルカリ塩の存在下に、特定のビニル系モノマーを乳化重合した共重合体を含有する撥水剤が、所望するレベルの撥水性を満足するだけでなく、機械的安定性に優れ、加えて、前記撥水剤を塗工した紙に熱処理をかけても、撥水性が低下しないことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、
<1>疎水性モノマー(a1)40~80質量%及びカルボキシル基を有するモノマー(a2)20~60質量%を含むモノマー混合物を重合して得られるアニオン性高分子のアルカリ塩(A)存在下で、ビニル系モノマー(c)を乳化重合することにより得られるエマルションであって、前記ビニル系モノマー(c)がガラス転移温度40℃以上の疎水性ハードモノマー(c1)と、0℃以下の疎水性ソフトモノマー(c2)とを含み、ビニル系モノマー(c)の共重合体(C)のガラス転移温度が-30~40℃であることを特徴とする紙用撥水剤の製造方法、
<2>さらにセラック及び/又はそのアルカリ塩(B)共存下でビニル系モノマー(c)を乳化重合することを特徴とする前記<1>に記載の紙用撥水剤の製造方法、
<3>前記<1>又は<2>に記載の紙用撥水剤の製造方法で得られる紙用撥水剤を少なくとも片面に0.1~5g/m

塗工することを特徴とする紙の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法により得られる紙用撥水剤は機械的安定性に優れ、紙用撥水剤を使用することにより、撥水性を紙に付与することができる。また、本発明の製造方法で得られる紙用撥水剤を板紙の製造に適用した場合は、塗工したライナーを段ボールシートに加工する工程で熱処理を伴うが、その熱処理で撥水性が低下してしまうことのない紙の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る紙用撥水剤は、疎水性モノマー(a1)40~80質量%及びカルボキシル基を有するモノマー(a2)20~60質量%を含むモノマー混合物を重合して得られるアニオン性高分子のアルカリ塩(A)存在下で、ビニル系モノマー(c)を乳化重合することにより得ることができる。このとき、前記ビニル系モノマー(c)は、後述する理由により、ガラス転移温度40℃以上の疎水性ハードモノマー(c1)と、0℃以下の疎水性ソフトモノマー(c2)とを含み、ビニル系モノマー(c)の共重合体(C)のガラス転移温度が-30~40℃である必要がある。
【0010】
尚、本発明における共重合体(C)のガラス転移温度(Tg)とは、下記式で計算される温度(℃)をいう。
1/(Tg+273)=Σ{Wi/(Tgi+273)}
Wi:各共重合モノマーの重量組成比
Tgi:各共重合モノマーのホモポリマーのガラス転移温度
(【0011】以降は省略されています)

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