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公開番号2024135424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046096
出願日2023-03-23
発明の名称塗工紙および紙製緩衝体
出願人日本製紙株式会社
代理人個人,個人
主分類D21H 19/20 20060101AFI20240927BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】実用的な緩衝材とすることができる塗工紙と、この塗工紙からなる紙製緩衝体を提供すること。
【解決手段】紙基材上に、ガスバリア層、ヒートシール層をこの順で有し、前記紙基材のKES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが、0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下であり、前記ガスバリア層が、アクリル系樹脂を含有し、アクリル系樹脂100重量部に対する顔料の配合が20重量部以下であり、塗工量が3g/m2以上であり、全体としての王研式透気抵抗度が10万秒以上である塗工紙と、この塗工紙からなり、気体が封入されている紙製緩衝体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材上に、ガスバリア層、ヒートシール層をこの順で有し、
前記紙基材のKES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが、0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下であり、
前記ガスバリア層が、アクリル系樹脂を含有し、アクリル系樹脂100重量部に対する顔料の配合が20重量部以下であり、塗工量が3g/m

以上であり、
全体としての王研式透気抵抗度が10万秒以上であることを特徴とする塗工紙。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記ガスバリア層が、スチレン-アクリル系共重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
【請求項3】
前記ヒートシール層が、スチレン-アクリル系共重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
【請求項4】
前記ガスバリア層とヒートシール層が、いずれも全体に対する顔料の配合割合が1重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の塗工紙からなり、気体が封入されていることを特徴とする紙製緩衝体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工紙と、この塗工紙からなる紙製緩衝体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
柔軟なプラスチック製フィルムを袋状とし、内部に空気を封入したエアー緩衝体が、例えば製品を運送する際に衝撃等から保護するために用いられている。エアー緩衝体は、軽量で安価であり、また、使用後は孔を開けて空気を抜けば大幅に減容することができ、廃棄コストを抑えることができるため、広く用いられている。
一方、近年、プラスチック廃棄物や地球温暖化等の環境問題に端を発して脱石油、脱プラスチックの風潮が高まっており、工業製品における化石資源に由来する樹脂材料や非生分解性の樹脂材料の使用量を極力低減することが望まれている。そして、プラスチックの代替材料として紙が注目されている。
【0003】
紙を用いた緩衝材料として、特許文献1には、紙基材の一面に水溶性のポリビニルアルコール層を積層した緩衝部材用ラミネート紙が提案されている。特許文献1の緩衝部材用ラミネート紙は、リサイクル性、生分解性には優れているが、空気が抜けやすく、使用直前に空気を封入する必要があり、また、ヒートシール強度に劣るため衝撃を受けた際に破れやすいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-262935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、実用的な緩衝材とすることができる塗工紙と、この塗工紙からなる紙製緩衝体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1.紙基材上に、ガスバリア層、ヒートシール層をこの順で有し、
前記紙基材のKES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが、0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下であり、
前記ガスバリア層が、アクリル系樹脂を含有し、アクリル系樹脂100重量部に対する顔料の配合が20重量部以下であり、塗工量が3g/m

以上であり、
全体としての王研式透気抵抗度が10万秒以上であることを特徴とする塗工紙。
2.前記ガスバリア層が、スチレン-アクリル系共重合体を含有することを特徴とする1.に記載の塗工紙。
3.前記ヒートシール層が、スチレン-アクリル系共重合体を含有することを特徴とする1.または2.に記載の塗工紙。
4.前記ガスバリア層とヒートシール層が、いずれも全体に対する顔料の配合割合が1重量%以下であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の塗工紙。
5.1.~4.のいずれかに記載の塗工紙からなり、気体が封入されていることを特徴とする紙製緩衝体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の塗工紙は、屈曲時のバリア性の低下が小さい。そのため、この塗工紙からなる本発明の紙製緩衝体は、空気が抜けにくく、長期間に亘って保管することができる。
本発明の塗工紙は、ヒートシール強度に優れている。そのため、この塗工紙からなる本発明の紙製緩衝体は、衝撃を受けても破れにくく、緩衝体としての実用性を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
・塗工紙
本発明の塗工紙は、紙基材上に、ガスバリア層、ヒートシール層をこの順で有し、
紙基材のKES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが、0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下であり、
ガスバリア層が、アクリル系樹脂を含有し、アクリル樹脂100重量部に対する顔料の配合が20重量部以下であり、塗工量が3g/m

以上であり、
全体としての王研式透気抵抗度が10万秒以上である。
【0009】
なお、KES法とは、Kawabata Evaluation Systemの略称であり、不織布や布帛等の柔軟なものの物性を測定するための方法の一つであり、引張特性、曲げ特性、せん断特性を客観評価することができる。KES法による曲げのヒステリシス2HBは、例えば、カトーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機KES-FB2-Sにより測定することができる。曲げ特性である曲げのヒステリシス2HBは、曲げ変形時の曲げモーメント(M)と曲率(K)の関係から算出することができる。曲げのヒステリシス2HBは、曲げて戻すときの曲げモーメントの差を表し、M-Kカーブの往復時の差から算出される。また、曲げ特性である曲げ剛性Bは、曲率(K)の増加に対する曲げモーメント(M)の増加、すなわちM-Kカーブの傾きから算出される。
【0010】
(紙基材)
本発明の紙基材は、KES法によるMD方向の曲げのヒステリシス2HBが0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下である。ヒステリシス2HBは、値が小さいほど曲げた後に元に戻りやすいことを示す。このヒステリシス2HBが0.001g・cm/cm以上0.5g・cm/cm以下である紙基材は、加工性に優れるとともに、加工時や衝撃を受けた際にバリア層が割れにくいため、バリア性が低下しにくい。本発明の紙基材において、このヒステリシス2HBは、0.002g・cm/cm以上であることが好ましく、0.004g・cm/cm以上であることがより好ましく、0.006g・cm/cm以上であることがさらに好ましく、0.008g・cm/cm以上であることがよりさらに好ましく、また、0.46g・cm/cm以下であることが好ましく、0.42g・cm/cm以下であることがより好ましく、0.38g・cm/cm以下であることがさらに好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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