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公開番号
2025106798
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-16
出願番号
2024215391
出願日
2024-12-10
発明の名称
紙糸原紙
出願人
日本製紙パピリア株式会社
,
日本製紙株式会社
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
D21H
11/20 20060101AFI20250709BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】消臭、抗菌の他、抗ウイルス性を有し、撚糸適性に優れた紙糸原紙を提供すること。
【解決手段】パルプと、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属イオン及び/または金属粒子を含有する金属含有アニオン変性セルロース系繊維を含み、
坪量が5~40g/m
2
、縦方向引張強度が12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度が3.0N/15mm以上、引張強度および湿潤引張強度の横/縦比が25%以下である紙糸原紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
パルプと、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属イオン及び/または金属粒子を含有する金属含有アニオン変性セルロース系繊維を含み、
坪量が5~40g/m
2
、縦方向引張強度が12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度が3.0N/15mm以上、引張強度および湿潤引張強度の横/縦比が25%以下であることを特徴とする紙糸原紙。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
前記金属含有アニオン変性セルロース系繊維が、Cu含有アニオン変性セルロース系繊維であることを特徴とする請求項1に記載の紙糸原紙。
【請求項3】
Cu含有量が0.25質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙糸原紙。
【請求項4】
前記パルプが、少なくとも針葉樹パルプ、麻パルプのいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の紙糸原紙。
【請求項5】
両性乾燥紙力剤および湿潤紙力剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の紙糸原紙。
【請求項6】
パルプおよび金属含有アニオン変性セルロース系繊維の合計に対し、アルミニウム水溶性塩の含有量が0.3質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙糸原紙。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙糸(紙からなる糸)を製造するための紙糸原紙に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
布地にはいろいろな繊維が使用されており、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの化学合成繊維、コットン、ウールなどの天然繊維、天然繊維と合成繊維の2種以上を混ぜて撚り合わせた混紡繊維が存在する。合成繊維は、天然繊維と比較して様々な機能を付与することが容易であることから、現在では合成繊維が主流となっている。
合成繊維は非常に優れた素材ではあるが、洗濯機で洗濯すると大量の極めて小さいマイクロファイバーが発生する。このマイクロファイバーは、洗濯排水として河川・海洋に流出するため、マイクロプラスチックの一種として環境への影響が懸念されている。
そのため、自然界で分解する天然素材に注目が集まっているが、合成繊維のように高い機能性を付与することが困難である。例えば、特許文献1には、消臭効果を有する金属担持した撚糸が開示されているが、撚糸適性などが不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-053396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、消臭、抗菌の他、抗ウイルス性を有し、撚糸適性に優れた紙糸原紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1]パルプと、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属イオン及び/または金属粒子を含有する金属含有アニオン変性セルロース系繊維を含み、
坪量が5~40g/m
2
、縦方向引張強度が12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度が3.0N/15mm以上、引張強度および湿潤引張強度の横/縦比が25%以下であることを特徴とする紙糸原紙。
[2]前記金属含有アニオン変性セルロース系繊維が、Cu含有アニオン変性セルロース系繊維であることを特徴とする[1]に記載の紙糸原紙。
[3]Cu含有量が0.25質量%以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の紙糸原紙。
[4]前記パルプが、少なくとも針葉樹パルプ、麻パルプのいずれかを含むことを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の紙糸原紙。
[5]両性乾燥紙力剤および湿潤紙力剤を含むことを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の紙糸原紙。
[6]パルプおよび金属含有アニオン変性セルロース系繊維の合計に対し、アルミニウム水溶性塩の含有量が0.3質量%以下であることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の紙糸原紙。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、消臭、抗菌の他、抗ウイルス性を有し、撚糸適性に優れた紙糸原紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(紙糸原紙)
本発明の紙糸原紙は、パルプと、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属イオン及び/または金属粒子を含有する金属含有アニオン変性セルロース系繊維を含み、
坪量が5~40g/m
2
、縦方向引張強度が12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度が3.0N/15mm以上、引張強度および湿潤引張強度の横/縦比が25%以下である。
本明細書において、「A~B」(A,Bは数値や比率)との記載は、その両端を含む数値範囲を意味する。
【0008】
本発明の紙糸原紙の坪量は、5~40g/m
2
である。坪量が5g/m
2
未満である紙糸原紙は、十分な強度を有していないため、撚糸時に糸切れが多発する。一方、坪量が40g/m
2
を超えると、紙糸原紙を撚糸した紙糸が硬くなり取扱いにくくなる。紙糸原紙の坪量は、7g/m
2
以上が好ましく、10g/m
2
以上がより好ましい。また、35g/m
2
以下が好ましく、20g/m
2
以下がより好ましく、18g/m
2
以下がさらに好ましい。
【0009】
本発明の紙糸原紙は縦方向引張強度が12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度が3.0N/15mm以上である。紙糸は、紙糸原紙を細くスリットしテープ状に加工し、これを撚ることにより製造される。紙糸原紙の縦方向引張強度を12N/15mm以上、縦方向湿潤引張強度を3.0N/15mm以上とすることで、撚糸工程、撚糸された後の染色工程での糸切れの発生を抑制でき、織物にした時の耐洗濯性に高い効果が発現する。本発明の紙糸原紙の縦方向引張強度は、20N/15mm以上が好ましく、25N/15mmがより好ましい。また、本発明の紙糸原紙の縦方向湿潤引張強度は、5.0N/15mm以上が好ましく、8.0N/15mm以上がより好ましい。
本発明の紙糸原紙は、引張強度および湿潤引張強度の横/縦比が25%以下である。この引張強度比を満足することにより、テープ状に加工する際の加工性の低下、断紙、スリット刃の摩耗を抑制することができ、十分な強度を有する撚糸を得ることができる。
【0010】
(金属含有アニオン変性セルロース系繊維)
本発明の金属含有アニオン変性セルロース系繊維は、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn及びCuの群から選ばれる1種以上の金属イオン及び/または金属粒子を含有する。金属含有アニオン変性セルロース系繊維は、アニオン基を有するセルロース系繊維に金属イオンがイオン結合している。アニオン変性セルロース系繊維を用いることで、金属イオンが化学的に結合して脱離しにくくなるとともに、アニオン基によって湿潤時および乾燥時の紙力が向上するため、紙糸用原紙として十分な強度を有することができる。アニオン変性セルロース系繊維としては、例えば、酸化セルロース、エーテル化セルロース(カルボキシメチル化セルロース等)、エステル化セルロース(リン酸エステル化セルロース等)、スルホン化セルロース等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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