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公開番号2024117028
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-28
出願番号2023022959
出願日2023-02-16
発明の名称印刷用塗工紙
出願人三菱製紙株式会社
代理人
主分類D21H 19/44 20060101AFI20240821BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】課題は、白紙部に対して印刷画像部の程良い光沢感を有し、白紙部の白色性及び人物画像の肌色に代表される色調再現性に優れる印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】課題は、紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記片面において塗工層の総塗工量が乾燥固形分として3g/m2以上9g/m2以下、前記紙基材が蛍光増白剤を含有し、紙基材を基準として最外に位置する最外塗工層が無機顔料、バインダー及び蛍光増白剤を含み、前記無機顔料の少なくとも一種にカオリンを含み、最外塗工層において前記カオリンが無機顔料に対して67質量%以上であり、前記紙基材の蛍光強度が6.0以上及び前記最外塗工層を有する側の表面で測定した蛍光強度が6.0以上である印刷用塗工紙によって達成される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、
紙基材の前記片面において塗工層の総塗工量が乾燥固形分として3g/m

以上9g/m

以下であり、
前記紙基材が蛍光増白剤を含有し、
前記紙基材を基準として最外に位置する最外塗工層が無機顔料、バインダー及び蛍光増白剤を含み、前記無機顔料の少なくとも一種にカオリンを含みかつ最外塗工層において前記カオリンが無機顔料に対して67質量%以上であり、
前記紙基材の蛍光強度が6.0以上及び前記最外塗工層を有する側の表面で測定した蛍光強度が6.0以上である、
印刷用塗工紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、白紙部に対して印刷画像部の程良い光沢感を有し、及び人物画像の肌色に代表される色調再現性に優れる印刷用塗工紙に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
印刷機メーカー各社がデジタル印刷機を発表する中、印刷業においては、依然としてオフセット印刷機を、雑誌、書籍、画集、写真集、アート集、美術書、MOOK本、冊子、カタログ、チラシ及びパンフレット等の商業印刷物の生産に活用する。商業印刷物に使う用紙は、光沢紙及びマット紙だけに限らない。近年の用紙は、光沢感及び艶消し感、平滑の程度、色合い、手触り感等において様々な品質が存在する。イラスト、絵画、写真画像、アート作品及び美術品等を印刷する印刷品質を重視する印刷物では、従来、高い白色性度及び高い光沢感を有する印刷用塗工紙を使用する。しかしながら、高い光沢感を有する印刷用塗工紙は、印刷画像部細部の視認性及び印刷文字の視認性が劣る。この理由は、印刷画像部において光の反射が起こるからである。近時では、印刷品質を重視する印刷物に、白色性が良好であり、白紙部の光沢感を抑え、及び印刷画像部の程良い光沢感を有する印刷用塗工紙が顧客から望まれる傾向にある。
【0003】
印刷用塗工紙分野では、カオリンを含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙がある。
原紙の両面に顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた坪量が60g/m

以下、塗工紙不透明度86%以上、塗工紙白色度78%以上である印刷用塗工紙において、顔料としてカオリンクレーを必須成分とし、そのカオリンクレーが顔料100重量部当たり20~65重量部であり、そのアスペクト比(厚さ:直径)が1:10~1:45であり、塗工紙白色度は原紙白色度より高く、またその差が7~15%であり、原紙の吸収係数が18cm

/g以上であることを特徴とする印刷用塗工紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。前記印刷用塗工紙は、低米坪でありながら白色度、不透明度等の白紙品質が良好で、面質も良い。
また、原紙の両面に顔料及び接着剤からなる塗工層が設けられた坪量が55g/m

以下、塗工紙不透明度86%以上、塗工紙白色度71%以上78%未満である印刷用塗工紙において、顔料としてカオリンクレーを必須成分とし、そのカオリンクレーが顔料100重量部当たり20~65重量部であり、そのアスペクト比(厚さ:直径)が1:10~1:45であり、塗工紙白色度は原紙白色度より高く、またその差が7~15%であり、原紙の吸収係数が35cm

/g以上、であることを特徴とする印刷用塗工紙が公知である(例えば、特許文献2参照)。前記印刷用塗工紙は、低米坪でありながら白色度、不透明度等の白紙品質が良好で、面質も良い。
また、パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に、白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを含有する塗工層を有する印刷用塗工紙であって、前記塗工層の塗工量が基紙の片面あたり固形分換算で1~5g/m

であり、前記白色顔料の5~35質量%がカオリンであり、前記白色顔料に対して接着剤として重合度が1000~2000のポリビニルアルコールを4.5~11質量%含有し、前記白色顔料に対して接着剤を20~40質量%含有することを特徴とする印刷用塗工紙が公知である(例えば、特許文献3参照)。前記印刷用塗工紙は、十分な白色度とインク着肉性を有し、印刷強度に優れる。
【0004】
人物画像を有する印刷物では、知覚する肌色は、当該人物の与える印象を左右する(例えば、非特許文献1参照)。従って、印刷物において、肌色の色調は重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-141754号公報
特開2014-152430号公報
特開2017-057528号公報
【非特許文献】
【0006】
「肌画像における肌色の弁別特性」(濱田一輝ら著、日本色彩学会誌、第42巻第2号、2018年50~58頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
塗工紙分野で利用するアルミナ、アルミナ水和物、コロイダルシリカ及びシリカのような無機顔料を含有する塗工層は、これら鉱物がガラス的であって白色性、光沢感及び色調再現性に優れる。しかしながら、これら無機顔料は材料費が高額である。
印刷用塗工紙は、顧客からの用紙コスト削減要求から、塗工量を減量する傾向にある。なおかつ、塗工層に使用する無機顔料を材料費的に有利である炭酸カルシウムを使用する傾向にある。しかしながら、炭酸カルシウムは、印刷画像部の光沢感に劣る。
【0008】
カオリンは、炭酸カルシウムほどではないものの、アルミナ、アルミナ水和物、コロイダルシリカ及びシリカのような無機顔料よりも安価である。なおかつ、カオリンを含有する塗工層は、材料費的に有利である炭酸カルシウムを含有する塗工層に比べて、カレンダー処理のような平滑化処理を過度に実施しなくとも平滑性を得易いために光沢感に優位である。この効果は、カオリンの板状形状に由来する。
一方で、カオリンは、他の無機顔料に比べて白色性に劣る。この理由は、カオリンの属性により、有機物及び/又は鉄イオン等の不純物を結晶構造中に取り込み易いからと推察する。特に、塗工量が少ない場合に紙基材が含有するパルプの色の影響も受けて顕著になる。また、カオリンは、印刷画像部の光沢感に有利になるけれども他の無機顔料に比べて印刷物の間で見かけの色調が変化して色調再現性に劣る。この理由は、塗工層中において板状形状のカオリン粒子が平行に積層した状態が望ましいところ、現実的に平行にならず積層するカオリン粒子が存在するために板状形状の向きによって光の経路が変化するからと推察する。色調再現性において特に、人物画像を有する印刷物として肌色は人物の印象が変化するため、人は、肌色の色調再現性を重要視する。また、肌色は、淡い色であって見かけの色調変化が知覚し易い。
【0009】
以上から、本発明の目的は、白紙部に対して印刷画像部の程良い光沢感を有し、白紙部の白色性及び人物画像の肌色に代表される色調再現性に優れる印刷用塗工紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、紙基材と、紙基材を基準として最外に位置する最外塗工層とについて鋭意構成の検討を重ねた結果、本発明に至った。本発明の目的は、以下の印刷用塗工紙によって達成される。
紙基材と、前記紙基材の少なくとも片面に対して1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記片面において塗工層の総塗工量が乾燥固形分として3g/m

以上9g/m

以下、前記紙基材が蛍光増白剤を含有し、紙基材を基準として最外に位置する最外塗工層が無機顔料、バインダー及び蛍光増白剤を含み、前記無機顔料の少なくとも一種にカオリンを含み、最外塗工層において前記カオリンが無機顔料に対して67質量%以上であり、前記紙基材の蛍光強度が6.0以上及び前記最外塗工層を有する側の表面で測定した蛍光強度が6.0以上である印刷用塗工紙。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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