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公開番号
2024124631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023032436
出願日
2023-03-03
発明の名称
顔料塗工紙
出願人
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D21H
19/10 20060101AFI20240906BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約
【課題】本発明の課題は、操業性を悪化させることなく、優れた印刷用塗工紙を製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明においては、(1)炭酸カルシウムを含有する顔料塗工層を原紙の片面に塗工する工程、(2)澱粉系接着剤を含有するクリア塗工層を、顔料塗工層とは反対側の面に塗工する工程、(3)塗工紙表面を平滑化する工程、を含む方法によって片面顔料塗工紙を製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原紙の片面に顔料塗工層を備えた片面顔料塗工紙を製造する方法であって、
(1)炭酸カルシウムを含有する顔料塗工層を原紙の片面に塗工する工程と、
(2)澱粉系接着剤を含有するクリア塗工層を、顔料塗工層とは反対側の面に塗工する工程と、
(3)塗工紙表面を平滑化する工程と、
を含む、上記方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記澱粉系接着剤がデキストリンを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記顔料塗工層の顔料のうち、炭酸カルシウムが30重量%以上である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記炭酸カルシウムのメジアン径(D50)が1.0μm以下、アスペクト比が2未満である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
顔料塗工層がさらにクレーを含有し、顔料塗工層に含まれる炭酸カルシウムとクレーの重量比が8:2~1:9である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
顔料塗工層が、接着剤としてラテックスと澱粉系接着剤を含有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
顔料塗工層の塗工速度が300m/min以上である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
(a)原紙、
(b)原紙の片面に設けられた、炭酸カルシウムを含有する顔料塗工層、
(c)顔料塗工層とは反対側の面に設けられた、澱粉系接着剤を含有するクリア塗工層、
を備えた片面顔料塗工紙。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原紙の片面に顔料塗工層を設けた塗工紙に関する。特に本発明に係る塗工紙は、顔料塗工層が炭酸カルシウムを含有する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【技術背景】
【0002】
顔料塗工層を片面に設けた塗工紙は、塗工面にグラビア印刷などを施すことが多く、包装紙などに広く使用されてきた。特に、包装紙に使用する場合は、顔料塗工面に印刷を施し、裏面の原紙側にはバリア性を高めるためのアルミ貼合やラミネートなどの後加工を施される。
【0003】
グラビア印刷などの印刷においては、印刷品質を優れたものとするため、版面と用紙との密着性を高めることが有効と考えられている。版面と用紙との密着性を高めるには、原紙の観点からは、平滑性と弾力性を高めることが効果的であり、広葉樹クラフトパルプ(LKP)の配合量を増やして平滑性を高める手法(特許文献1)や、機械パルプ(MP)を配合して弾力性を高める手法(非特許文献1)が提案されている。また、塗料配合の観点からは、塗工紙表面の平滑性を向上させて版面と用紙との密着性を高めるために、アスペクト比の高い顔料(デラミネーテッドクレー、タルクなど)を用いることが提案されている(特許文献2~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-251994号公報
特開2002-088679号公報
特開2021-161595号公報
【非特許文献】
【0005】
紙パ技協誌第52巻第9号111~118ページ(1998年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アスペクト比の高い顔料を使用すると塗工紙表面の平滑性を向上させることができるものの、アスペクト比の高い顔料を多く配合すると塗工液(塗料)の粘度が上昇するため、調液時のハンドリングが難しく、ストリーク、スクラッチ等の塗工不良の原因になりやすい。このため、塗工層を設けるための塗工液の固形分濃度をあまり高くできないのが現状であるが、濃度を低くした塗工液(水分の高い塗工液)を用いると、塗工後の乾燥時間を長く確保する必要があり、高速での操業が難しくなる。また、塗工液の濃度を低くすると、塗工液の付着量が少なくなるという問題が生じやすくなる。
【0007】
また、塗工液の粘度を低下させるために、アスペクト比の低い炭酸カルシウムを多く使用した場合、塗工液中の炭酸カルシウムが原紙に沈み込み、裏側の非塗工面まで透過してしまうことで、塗工後のカレンダー処理時にカレンダー汚れが発生することがあった。
【0008】
このような状況を踏まえて、本発明の目的は、炭酸カルシウムを含有する塗工層を設けた顔料塗工紙において、顔料が裏面に透過することを抑制し、製造時のカレンダー汚れを低減しつつ、優れた顔料塗工紙を製造する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、顔料塗工層とは反対側に澱粉系接着剤を含むクリア塗工層を設けることによって炭酸カルシウムを含む顔料塗工液が原紙へ深く浸透することを抑制し、操業性を悪化させることなく、優れた顔料塗工紙を製造することができた。
【0010】
本発明は、これに限定されるものはないが、以下の発明を包含する。
[1] 原紙の片面に顔料塗工層を備えた片面顔料塗工紙を製造する方法であって、
(1)炭酸カルシウムを含有する顔料塗工層を原紙の片面に塗工する工程と、
(2)澱粉系接着剤を含有するクリア塗工層を、顔料塗工層とは反対側の面に塗工する工程と、
(3)塗工紙表面を平滑化する工程と、
を含む、上記方法。
[2] 前記澱粉系接着剤がデキストリンを含有する、[1]に記載の方法。
[3] 前記顔料塗工層の顔料のうち、炭酸カルシウムが30重量%以上である、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記炭酸カルシウムのメジアン径(D50)が1.0μm以下、アスペクト比が2未満である、[1]または[2]に記載の方法。
[5] 顔料塗工層がさらにクレーを含有し、顔料塗工層に含まれる炭酸カルシウムとクレーの重量比が8:2~1:9である、[1]または[2]に記載の方法。
[6] 顔料塗工層が、接着剤としてラテックスと澱粉系接着剤を含有する、[1]または[2]に記載の方法。
[7] 顔料塗工層の塗工速度が300m/min以上である、[1]または[2]に記載の方法。
[8] (a)原紙、(b)原紙の片面に設けられた、炭酸カルシウムを含有する顔料塗工層、(c)顔料塗工層とは反対側の面に設けられた、澱粉系接着剤を含有するクリア塗工層、を備えた片面顔料塗工紙。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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