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公開番号2024072649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-28
出願番号2022183607
出願日2022-11-16
発明の名称乾燥マイクロキャリアおよびその製造方法
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/02 20060101AFI20240521BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】操作性に優れ、良好な細胞接着性を有し、かつ保存安定性が高い乾燥マイクロキャリアを提供する。
【解決手段】2価以上のカチオンと磁性粒子とを含むアルギン酸微粒子ゲルを、ゼラチンを含む溶媒に浸漬する工程、および前記溶媒に浸漬したアルギン酸微粒子ゲルを乾燥させて、乾燥マイクロキャリアを形成する工程を含む、細胞培養用乾燥マイクロキャリアの製造方法であって、該細胞培養用乾燥マイクロキャリアが、ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸とを含み、かつ該細胞培養用乾燥マイクロキャリアの内部にゼラチンを含む製造方法により乾燥マイクロキャリアを製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含み、かつゼラチンを内部に含む、細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアが、その内部に前記磁性粒子の少なくとも一部が偏在する一つ以上の領域を有する、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項3】
前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアが、その内部に前記磁性粒子が実質的に存在しない一つ以上の領域を有する、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項4】
前記磁性粒子の少なくとも一部が、同一または略同一方向に配向している、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項5】
前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの平均粒子径が1mm以下である、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項6】
前記ゼラチンが、前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの内部に全体的に分散されたものである、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項7】
ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含む細胞培養用乾燥マイクロキャリアであって、
X線光電子分光法(XPS)により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアのN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)をαとし、
CHN元素分析により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの窒素含有量(質量%)をCHN元素分析により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの炭素含有量(質量%)で除した値、または減圧化学発光法により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの窒素含有量(質量%)を前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの炭素含有量を33.3質量%として除した値をβとしたとき、
β(粉砕前)/α(粉砕前)が0.11以上であるか、または
α(粉砕後)/α(粉砕前)が0.08以上である
(ここで、「α(粉砕前)」および「β(粉砕前)」は、それぞれ、前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアのN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)および窒素含有量(質量%)表し、「α(粉砕後)」は前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアをすり潰した粉体のN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)を表す)、
細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項8】
前記β(粉砕前)/α(粉砕前)が0.11以上であり、かつ
前記α(粉砕後)/α(粉砕前)が0.08以上である、
請求項7に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項9】
ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含む細胞培養用乾燥マイクロキャリアであって、
X線光電子分光法(XPS)により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアのN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)をαとし、
CHN元素分析により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの窒素含有量(質量%)をCHN元素分析により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの炭素含有量(質量%)で除した値、または減圧化学発光法により得られる前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの窒素含有量(質量%)を前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの炭素含有量を33.3質量%として除した値をβとしたとき、
β(粉砕前)/α(粉砕前)が0.11以上であり、
α(粉砕後)/α(粉砕前)が0.08以上であり
(ここで、「α(粉砕前)」および「β(粉砕前)」は、それぞれ、前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアのN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)および窒素含有量(質量%)表し、「α(粉砕後)」は前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアをすり潰した粉体のN 1s/C 1s(atomic %/atomic %)を表す)、
前記細胞培養用乾燥マイクロキャリアの平均粒子径が1mm以下である、
細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
【請求項10】
前記細胞培養用乾燥マイクロキャリア中の窒素含有量(質量%)を炭素含有量(質量%)で除した値が0.01以上である、請求項1に記載の細胞培養用乾燥マイクロキャリア。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、乾燥マイクロキャリアおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織を効率よく大量に培養することが求められている。細胞等の大量培養技術として、マイクロキャリア培養法が知られている。マイクロキャリア培養法は、例えば、培養容器内に、細胞、培養液、および細胞の接着足場となるマイクロキャリアを導入し、培養液を間欠的に攪拌して細胞とマイクロキャリアを浮遊させ、浮遊した細胞が下降しながらマイクロキャリアに接触することにより、マイクロキャリアの表面に接着して増殖する方法である(例えば、特許文献1参照)。マイクロキャリアは、体積比に対し、非常に大きい接着および増殖表面積を提供することが可能であり、細胞の大量培養には有利である。
【0003】
これまでに、ポリガラクツロン酸化合物またはアルギン酸化合物を含むマイクロキャリア組成物からマイクロキャリアを形成する工程および乾燥マイクロキャリアを形成する工程を含む細胞培養物品を製造する方法が知られているが(例えば、特許文献2参照)、乾燥マイクロキャリアを構成する成分は細胞接着性が低く、別途マイクロキャリア表面を細胞接着性物質でコーティングしていた。
【0004】
また、直径1~5mmの粒状のアルギン酸塩よりなるビ-ズ表面にコラ-ゲンよりなる被覆層を設けたことを特徴とする細胞培養担体が知られているが(例えば、特許文献3参照)、細胞培養担体の内部に関して開示されておらず、また細胞培養担体を乾燥する点についても知られていない。
【0005】
ところで、マイクロキャリアを用いて細胞培養を行う場合、その操作性が、目的とする細胞の培養効率や回収効率、マイクロキャリアの製造効率や再利用率等に影響を及ぼすことが知られている。これまでに、マイクロキャリアの操作性を向上させるために、マイクロキャリア中に磁性粒子を配合する技術が提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。
【0006】
しかしながら、優れた操作性に加えて、良好な細胞接着性および高い保存安定性を両立したマイクロキャリアを提供する試みは未だなされておらず、今後増大すると考えられるマイクロキャリアに対するニーズから、これらの各特性を兼ね備えるマイクロキャリアを提供することが技術的課題として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2010/138702号公報
特表2018-516578号公報
特開平5-81号公報
特表2007-535902号公報
特開昭64-39983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況下、操作性に優れ、良好な細胞接着性を有し、かつ保存安定性が高い乾燥マイクロキャリアを得ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含み、かつゼラチンを内部に含む、細胞培養用乾燥マイクロキャリアが、操作性に優れ、良好な細胞接着性を有し、かつ保存安定性が高い乾燥状態とできることを見出した。さらに、本発明者らは、2価以上のカチオンと磁性粒子とを含むアルギン酸微粒子ゲルを、ゼラチンを含む溶媒に浸漬する工程、および前記溶媒に浸漬したアルギン酸微粒子ゲルを乾燥させて、乾燥マイクロキャリアを形成する工程を含む、細胞培養用乾燥マイクロキャリアの製造方法により、該乾燥マイクロキャリアが、ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含み、かつ該乾燥マイクロキャリアがその内部(すなわち、乾燥マイクロキャリアの内部)にゼラチンを含む乾燥マイクロキャリアを得ることができることを見出した。本開示はこれらの知見に基づくものである。
【0010】
すなわち、本開示の一つの態様によれば、ゼラチンと、2価以上のカチオンにより架橋されたアルギン酸と、磁性粒子とを含み、内部にゼラチンを含む、細胞培養用乾燥マイクロキャリアが提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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