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公開番号2024060265
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167534
出願日2022-10-19
発明の名称放射冷却構造体および放射冷却構造体の製造方法
出願人富士フイルム株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類B32B 7/023 20190101AFI20240424BHJP(積層体)
要約【課題】高い冷却効果を有し、放射変調特性に優れた放射冷却構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】支持体11と、支持体11上に形成された、可視光遮蔽性および赤外光反射性を有する反射層12と、反射層12上に形成された、S、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種の原子を含む誘電体で構成された誘電体層13と、誘電体層13上に形成された、相転移材料を含む相転移材料層14と、を備えた放射冷却構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
支持体と、
前記支持体上に形成された、可視光を遮蔽し、赤外光反射性を有する反射層と、
前記反射層上に形成された、S、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種の原子を含む誘電体で構成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された、相転移材料を含む相転移材料層と、を備えた放射冷却構造体。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記相転移材料は、温度変化によって金属-絶縁体転移を示す材料である、請求項1に記載の放射冷却構造体。
【請求項3】
前記相転移材料はV、Nd、Ni、Ge、Sb、Te、Fe、La、Sm、TiおよびCoから選ばれる少なくとも1種の原子を含む、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項4】
前記相転移材料はVO

を含む、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項5】
前記相転移材料層はVO

粒子の焼結膜である、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項6】
前記相転移材料層の膜厚が50nm以上である、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項7】
前記誘電体層はZn原子を含む、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項8】
前記誘電体層はZnSを含む、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項9】
前記誘電体層の膜厚が1μm以上である、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
【請求項10】
前記反射層の波長10μmの光の反射率が90%以上である、請求項1または2に記載の放射冷却構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射冷却構造体およびその製造方法に関する。より詳しくは、放射変調特性を有する放射冷却構造体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ナノフォトニクス技術を用いて、波長選択的に吸収/反射/透過等の光学特性を制御する研究が盛んに行われている。その中で、例えば近赤外領域においては、太陽光の内、近赤外光だけをカットする遮熱材や、更には近赤外光の遮光を動的に制御するエレクトロクロミック材料などが、研究・開発、あるいは実用化されている。また例えば、中~遠赤外領域に目を向けると、大気の窓領域である8~13μm帯の放射率を制御する事によって物体の熱輻射を制御する放射冷却に関する検討が盛んに行われている。更には動的に赤外放射率を制御出来れば、暑い時(すなわち、高温時)のみ放熱機能を有する自己適応型のシステムを実現する事が可能であり、そういった検討も実際に行われている。
【0003】
特許文献1には、可視光透過性を有し赤外光反射性を有する第1層と、第1層上に形成され可視光透過性及び赤外光透過性を有する第2層と、第2層上に形成され温度変化によって電子状態が変化する相転移材料を含み可視光透過性を有する相転移層と、を備え、可視光透過性及び輻射変調特性を有する、積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-084093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、色の自由度を高めることを目的として反射層に可視光透過性を有するものを用いている。しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に開示された構造体は、反射層に可視光透過性を有するものを用いているため、太陽光が構造体を透過して被冷却側にも流入してしまい、可視光透過性を必要としないアプリケーションにおいては、冷却効果について更なる改善の余地があることが分かった。
【0006】
よって、本発明の目的は、高い冷却効果を有し、かつ、放射変調特性に優れた放射冷却構造体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下を提供する。
【0008】
<1> 支持体と、
上記支持体上に形成された、可視光を遮蔽し、赤外光反射性を有する反射層と、
上記反射層上に形成された、S、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種の原子を含む誘電体で構成された誘電体層と、
上記誘電体層上に形成された、相転移材料を含む相転移材料層と、を備えた放射冷却構造体。
<2> 上記相転移材料は、温度変化によって金属-絶縁体転移を示す材料である、<1>に記載の放射冷却構造体。
<3> 上記相転移材料はV、Nd、Ni、Ge、Sb、Te、Fe、La、Sm、TiおよびCoから選ばれる少なくとも1種の原子を含む、<1>または<2>に記載の放射冷却構造体。
<4> 上記相転移材料はVO

を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<5> 上記相転移材料層はVO

粒子の焼結膜である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<6> 上記相転移材料層の膜厚が50nm以上である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<7> 上記誘電体層はZn原子を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<8> 上記誘電体層はZnSを含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<9> 上記誘電体層の膜厚が1μm以上である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<10> 上記反射層の波長10μmの光の反射率が90%以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<11> 上記反射層はAg、Au、Cu、Al、W、Mo、Pt、SnおよびZnから選ばれる少なくとも1種の原子を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<12> 上記反射層はAl原子を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体。
<13> 上記誘電体層は以下の式(1)の条件を満たす、<1>~<12>のいずれか1つに記載の放射冷却構造体;
8μm≦4×D

×N

≦14μm ・・・(1)


は、上記誘電体層の膜厚であり、


は上記誘電体層の波長10μmにおける屈折率である。
<14> 支持体上に、可視光を遮蔽し、赤外光反射性を有する反射層を形成する工程と、
上記反射層上に、S、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種の原子を含む誘電体で構成された誘電体層を形成する工程と、
上記誘電体層上に、相転移材料の前駆体を含む前駆体分散液を塗布して相転移材料前駆体層を形成する工程と、
上記相転移材料前駆体層を加熱処理して上記前駆体を相転移材料に転化させて相転移材料層を形成する工程と、
を含む、放射冷却構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い冷却効果を有し、かつ、放射変調特性に優れた放射冷却構造体およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
放射冷却構造体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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