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公開番号2024059872
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024028052,2021034895
出願日2024-02-28,2019-12-27
発明の名称新規抗CCR8抗体
出願人塩野義製薬株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/13 20060101AFI20240423BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】新規抗CCR8抗体又はその抗体断片を提供する。
【解決手段】ヒトCCR8に特異的に結合し、CCR8とCCR8リガンドの結合を阻害する抗体。本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、中和抗体として用いることができる。また、本発明のモノクローナル抗体は、抗腫瘍活性を有し、癌の治療に有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号1で示されるアミノ酸配列の17位のチロシン及び当該アミノ酸配列の172位から202位の中の1以上のアミノ酸を認識する中和抗体である、CCR8に結合するモノクローナル抗体またはその抗体断片。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
さらに、配列番号1で示されるアミノ酸配列の94位から107位の中の1以上のアミノ酸を認識する、請求項1記載の抗体又はその抗体断片。
【請求項3】
配列番号1で示されるアミノ酸配列の20位のイソロイシン、22位のセリン、35位のリジン、181位のロイシン、183位のシステイン及び188位のアスパラギンのうち、1以上のアミノ酸を認識する、請求項1又は2記載の抗体又はその抗体断片。
【請求項4】
配列番号2のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号5のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列において1又は2のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1~3のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片。
【請求項5】
配列番号2のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号3のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号4のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域並びに
配列番号5のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号6のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号7のアミノ酸配列において1のアミノ酸が置換されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域
を含む、請求項4記載の抗体又はその抗体断片。
【請求項6】
ヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片である、請求項1~5のいずれかに記載の抗体又は抗体断片。
【請求項7】
配列番号42のアミノ酸配列又は
配列番号42のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域並びに
配列番号41のアミノ酸配列又は
配列番号41のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域
を含む、請求項6記載のヒト化モノクローナル抗体又はその抗体断片。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
【請求項9】
抗体がADCC活性を有するものである、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
抗体がIgG抗体である、請求項8又は9記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規抗CCR8抗体及び該抗体を含有する医薬組成物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
腫瘍微小環境内の制御性T細胞(Treg細胞)が媒介する免疫抑制をはじめとする強力な負の調節機構は、腫瘍の治療にとって大きな障害である(非特許文献1)。
例えば、腫瘍に浸潤するCD4陽性Treg細胞は、抗腫瘍免疫応答を強力に阻害している可能性があり、効果的な癌治療の大きな障害となりうる。
CD4陽性FoxP3陽性Treg細胞が媒介する腫瘍免疫抑制は、動物腫瘍モデルで十分に立証されており、腫瘍内も含めた全身性のTreg細胞除去により抗腫瘍効果が得られるが、一方で50%程度の腫瘍内浸潤Treg細胞除去では効果が認められないことが報告されている(非特許文献2)。
【0003】
ヒトにおいて全CD4陽性T細胞集団中のCD4陽性CD25陽性Treg細胞比(Treg細胞を含む細胞集団)の増大が、肺、乳房及び卵巣腫瘍をはじめとする、種々の癌患者の腫瘍内で検出され、存在比と患者生存率に負の相関があることが報告されている(非特許文献3~8)。
【0004】
抗CD25抗体によってCD4陽性CD25陽性Treg細胞を腫瘍内より除去することで、抗腫瘍効果を確認している。しかしCD25は、CD4陽性CD25陽性Treg細胞及び新たに活性化されたエフェクターT細胞の細胞表面にも発現するため、Treg細胞を特異的に除去しているとは言えない。またマウスにおいて抗CD25抗体投与による抗腫瘍効果は限定的であり、腫瘍移植前の抗体投与でのみ治療効果を示し、腫瘍をマウスに生着させた後に抗体を投与する場合は治療効果がほとんどないことが種々の腫瘍モデルで証明されている。移植後1日目に抗CD25抗体投与開始の場合、抗腫瘍効果は減弱し、移植後2日目以降の投与開始の場合、ほとんど抗腫瘍効果は認められていない(非特許文献9)。
【0005】
現在までTreg細胞除去を目的として抗CD25抗体をマウスに投与する薬効試験が実施されているが、抗腫瘍効果を示す報告はほとんどなく、移植後の抗体投与によるTreg細胞除去による抗腫瘍治療効果の確認は非常に困難である(非特許文献10)。
【0006】
CCR8はCY6、CKR―L1又はTER1とも呼ばれていた胸腺や脾臓等で発現しているG蛋白共役型7回膜貫通型のCCケモカイン受容体タンパク質であり、その遺伝子はヒトクロモゾームでは3p21に存在する。ヒトCCR8は355アミノ酸からなる(非特許文献11)。CCR8に対する内因性リガンドとしてはCCL1が知られている(非特許文献12)。ヒトCCR8 cDNAはGenbank ACC No. NM_005201.3に示される塩基配列で構成され、マウスCCR8 cDNAはGenbank ACC No.NM_007720.2に示される塩基配列で構成される。
【0007】
CCR8は、腫瘍内浸潤Treg細胞にも特異的に発現しており、CCR8欠損マウスと野生型マウスに乳癌細胞を移植したところ、CCR8欠損マウスにおける乳癌の増殖と転移が野生型マウスと比較して抑制されていたことが示されている(特許文献1及び非特許文献13)。さらに、抗CCR8抗体を癌モデル動物に投与することにより抗腫瘍効果を示したことが開示されている(特許文献2及び3)。
【0008】
特許文献4には、アレルギー性疾患及びHIV感染の治療に有用な抗CCR8抗体が開示されている。本文献においては、414B、414C、414E、433H、459M、464A、464B、433B及び455ALで示される抗CCR8抗体が開示されている。これらのうち、433Hの抗CCR8抗体については、BDバイオサイエンス社から販売されている。しかし、該抗体のCDR配列は開示されていない。また、抗CCR8抗体が抗腫瘍活性を有し、癌治療に有用であることは示されていない。
非特許文献14には、3B10、2D10及び5B11で示される抗CCR8抗体が開示されている。また、BioLegend社から、品番L263G8の抗CCR8抗体が販売されている。R&D社から、品番191704の抗CCR8抗体が販売されている。しかし、該抗体のCDR配列は開示されていない。また、抗CCR8抗体が抗腫瘍活性を有し、癌治療に有用であることは示されていない。
特許文献5及び非特許文献15~19には、CCR8が癌の病態に関与していることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
米国特許第10087259号明細書
国際公開第2018/181425号
国際公開第2018/112032号
国際公開第2007/044756号
国際公開第2017/198631号
【非特許文献】
【0010】
Nat. Rev. Immunol.、2006年、第6巻、第4号、p.295-307
Eur. J. Immunol.、2010年、第40巻、p.3325-3335
J. Clin. Oncol.、2006年、第24巻、p.5373-5380
Nat. Med.、2004年、第10巻、p.942-949
J. Clin. Oncol.、2007年、第25巻、p.2586-2593
Cancer、2006年、第107巻、p.2866-2872
Eur. J. Cancer、2008年、第44巻、p.1875-1882
Cell. Mol. Immunol. 2011年、第8巻、p.59-66
Cancer Res.、1999年、第59巻、第13号、p.3128-33
Cancer Res.、 2010年、第70巻、第7号、p.2665-74
J. Immunol.、 1996年、第157巻、第7号、p.2759-63
J. Biol. Chem.、1997年、第272巻、第28号、p.17251-4
Cancer Res.、2016年、第76巻、第4号、Supp.1, P4-04-11
J. Exp. Med.、2004年、第200巻、第10号、p1231-1241
Immunity、2016年、第45巻、p1122-1134
Immunity、2016年、第45巻、p1135-1147
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、2018年、第115巻、第45号、p10672-10681
Targeting of CCR8 induces antitumor activity as a monotherapy that is further enhanced in combination with a Listeria-based immunotherapy, ASCO 2018, Daniel O Villarreal, et al. https://www.advaxis.com/wp-content/uploads/2018/04/KeystonePosterCCR8-combo-posterFINAL.pdf
Cancer Res.、2018年、第78巻、第18号、p5340-5348
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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