TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024059121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022166578
出願日2022-10-18
発明の名称車両用タンク、および、車両用タンクの製造方法
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B60K 1/04 20190101AFI20240423BHJP(車両一般)
要約【課題】車両の温調システムにおいて、部材が点在することによる設置スペースの増大を抑制する。
【解決手段】車両に搭載された温調対象物の温度を温調液によって調節する温調システムに備えられる、車両用タンクが提供される。車両用タンクは、上方に向かって開口する開口端部を有する有底筒状を有し、温調液を貯留する容器部と、開口端部に固定されて開口端部の開口を覆い、温調液を外部から容器部内に補充するための補充口が形成された蓋部と、蓄熱材によって形成され、容器部の周囲を囲う蓄熱層と、断熱材によって形成され、蓄熱層の外側で容器部の周囲を囲う断熱層と、を備える。蓋部には、容器部内の温調液を流路に送出するためのポンプと、流路を流れる温調液の温度を調節する温度調節部と、が固定されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載された温調対象物の温度を温調液によって調節する温調システムに備えられる、車両用タンクであって、
上方に向かって開口する開口端部を有する有底筒状を有し、前記温調液を貯留する容器部と、
前記開口端部に固定されて前記開口端部の開口を覆い、前記温調液を外部から前記容器部内に補充するための補充口が形成された蓋部と、
蓄熱材によって形成され、前記容器部の周囲を囲う蓄熱層と、
断熱材によって形成され、前記蓄熱層の外側で前記容器部の周囲を囲う断熱層と、を備え、
前記蓋部には、前記容器部内の前記温調液を流路に送出するためのポンプと、前記流路を流れる前記温調液の温度を調節する温度調節部と、が固定されている、車両用タンク。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両用タンクであって、
前記蓋部には、前記流路を開閉するバルブが固定されている、車両用タンク。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用タンクであって、
遮熱材によって形成され、前記断熱層の外側で前記容器部の周囲を囲う遮熱層を備える、車両用タンク。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用タンクであって、
前記蓄熱層は、パラフィンワックスによって形成され、
前記断熱層は、発泡ポリエチレンによって形成され、
前記遮熱層は、アルミニウムによって形成されている、車両用タンク。
【請求項5】
車両に搭載された温調対象物の温度を温調液によって調節する温調システムに備えられる、車両用タンクの製造方法であって、
第1開口端部を有する有底筒状を有し、前記温調液を貯留する第1槽と、第2開口端部を有する有底筒状を有し、断熱材を有する断熱層によって周囲が囲われた第2槽と、前記温調液を前記第1槽内に補充するための補充口が形成された蓋部材と、を準備する第1工程と、
前記第1槽が、前記第1槽と前記第2槽との間に隙間が形成される状態で前記第2槽に収容されるように、かつ、前記第1開口端部の開口と前記第2開口端部の開口とが前記蓋部材によって覆われるように、前記第1開口端部と前記第2開口端部とを前記蓋部材に固定する第2工程と、
融点以上の温度に加熱にされることによって液状化した、潜熱によって蓄熱する蓄熱材を、前記蓋部材に形成された注入口から前記隙間に注入することで、前記蓄熱材によって前記第1槽の周囲を囲う第3工程と、
前記第3工程の後、前記注入口を塞ぐ第4工程と、
前記蓋部材に、前記容器部内の前記温調液を外部に送出するためのポンプと、前記ポンプに連通する流路を流れる前記温調液の温度を調節する温度調節部と、を固定する第5工程と、を備える、車両用タンクの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用タンク、および、車両用タンクの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両の温調システムに備えられる車両用タンクに関して、特許文献1には、自動車のエンジン冷却水の流路に配置される保温構造体が開示されている。この保温構造体は、保温構造体の容器に貯溜された液体を、容器の外周に配置された蓄熱材層と、蓄熱材層の外側に配置された対流防止層とによって保温する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-229841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両の温調システムの更なる省スペース化が望まれている。温調システムには、温調用の液体を温度調節して温調対象物に供給するための各種部材が配置される。例えば、これらの部材が温調システムにおいて点在すると温調システムの設置スペースが増大する可能性があるが、特許文献1では、これらの部材の配置について具体的に検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の第1の形態によれば、車両に搭載された温調対象物の温度を温調液によって調節する温調システムに備えられる、車両用タンクが提供される。この車両用タンクは、上方に向かって開口する開口端部を有する有底筒状を有し、前記温調液を貯留する容器部と、前記開口端部に固定されて前記開口端部の開口を覆い、前記温調液を外部から前記容器部内に補充するための補充口が形成された蓋部と、蓄熱材によって形成され、前記容器部の周囲を囲う蓄熱層と、断熱材によって形成され、前記蓄熱層の外側で前記容器部の周囲を囲う断熱層と、を備える。前記蓋部には、前記容器部内の前記温調液を流路に送出するためのポンプと、前記流路を流れる前記温調液の温度を調節する温度調節部と、が固定されている。
このような形態であれば、蓄熱層および断熱層によって囲われた容器部ではなく、蓋部にポンプと温度調節部とが固定されるので、車両用タンクの保温性能を確保しつつ、車両用タンクにポンプと温度調節部とを集約できる。そのため、温調システムの設置スペースを抑制できる。
(2)上記形態において、前記蓋部には、更に、前記流路を開閉するバルブが固定されていてもよい。このような形態であれば、車両用タンクに、更に、バルブを集約できる。
(3)上記形態において、遮熱材によって形成され、前記断熱層の外側で前記容器部の周囲を囲う遮熱層を備えていてもよい。このような形態であれば、蓄熱層と断熱層と遮熱層とによって、容器部内の温調液を高効率に保温できる。
(4)上記形態において、前記蓄熱材は、パラフィンワックスによって形成され、前記断熱材は、発泡ポリエチレンによって形成され、前記遮熱材は、アルミニウムによって形成されていてもよい。このような形態であれば、容器部内の温調液をより高効率に保温できる。
(5)本開示の第2の形態によれば、車両に搭載された温調対象物の温度を温調液によって調節する温調システムに備えられる、車両用タンクの製造方法が提供される。この車両用タンクの製造方法は、第1開口端部を有する有底筒状を有し、前記温調液を貯留する第1槽と、第2開口端部を有する有底筒状を有し、断熱材を有する断熱層によって周囲が囲われた第2槽と、前記温調液を前記第1槽内に補充するための補充口が形成された蓋部材と、を準備する第1工程と、前記第1槽が前記第2槽との間に隙間が形成される状態で前記第2槽に収容されるように、かつ、前記第1開口端部の開口と前記第2開口端部の開口とが前記蓋部材によって覆われるように、前記第1開口端部と前記第2開口端部とを前記蓋部材に固定する第2工程と、融点以上の温度に加熱にされることによって液状化した、潜熱によって蓄熱する蓄熱材を、前記蓋部材に形成された注入口から前記隙間に注入することで、前記蓄熱材によって前記第1槽の周囲を囲う第3工程と、前記第3工程の後、前記注入口を塞ぐ第4工程と、前記蓋部材に、前記容器部内の前記温調液を外部に送出するためのポンプと、前記ポンプに連通する流路を流れる前記温調液の温度を調節する温度調節部と、を固定する第5工程と、を備える。
【0007】
本開示は、上述した車両用タンクとしての形態以外にも、例えば、車両用タンクを備える温調システムや車両などの種々の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態における温調システムの概略構成を示す説明図である。
第1実施形態におけるタンクの概略構成を示す斜視図である。
図2のIII-III断面を示す図である。
タンクの製造方法の工程図である。
タンクが製造される様子を示す斜視図である。
タンクが製造される様子を示す断面図である。
比較試験の結果を示す第1の説明図である。
比較試験の結果を示す第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における温調システム100の概略構成を示す説明図である。温調システム100は、車両Vcに設けられ、温調液Lqによって、車両Vcに搭載された温調対象物の温度を調節する。温調液Lqとは、温調対象物の温度を調整するための液体のことを指す。温調液Lqは、クーラントとも呼ばれる。
【0010】
本実施形態では、車両Vcは、駆動用バッテリによって駆動されるBEV(Battery Electric Vehicle)として構成されている。本実施形態における温調対象物は、リチウムイオンバッテリとして構成された駆動用バッテリを有する電池パックBP、および、車両VcのHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)システムに備えられた暖房用のヒータコアHCである。他の実施形態では、車両Vcは、例えば、ガソリン車やディーゼル車であってもよいし、HEV(Hybrid Electric Vehicle)や、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)であってもよい。また、他の実施形態では、温調対象物は、例えば、鉛バッテリとして構成されたバッテリや、車両Vcに搭載されたエンジン、モータ、インバータ、制御用コンピュータ等、任意であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

豊田合成株式会社
発光装置
20日前
豊田合成株式会社
貯留装置
1日前
豊田合成株式会社
発光装置
15日前
豊田合成株式会社
投影装置
12日前
豊田合成株式会社
乗員保護装置
今日
豊田合成株式会社
スイッチ装置
今日
豊田合成株式会社
表示システム
8日前
豊田合成株式会社
プロジェクタ
12日前
豊田合成株式会社
車両用収容装置
15日前
豊田合成株式会社
リッド開閉装置
今日
豊田合成株式会社
リッド開閉装置
6日前
豊田合成株式会社
車両用リッド装置
8日前
豊田合成株式会社
車両用着脱構造体
5日前
豊田合成株式会社
ステアリングハンドル
1日前
豊田合成株式会社
車両用シャッタ式物入れ
今日
豊田合成株式会社
プロジェクター及び柄フィルター
12日前
トヨタ紡織株式会社
乗物用空気清浄ユニット
12日前
豊田合成株式会社
車両用タンク、および、車両用タンクの製造方法
21日前
豊田合成株式会社
温度調整システムに用いられるタンク、および温度調整システム
7日前
個人
スーパーEV
2か月前
個人
設置部材
12日前
個人
揺動照射照明装置
4か月前
個人
骨組み型熱交換器
27日前
個人
自動車暴走抑制装置
1か月前
株式会社コーワ
清掃装置
3か月前
個人
車内雨傘載置収納具
7日前
井関農機株式会社
作業車両
20日前
日本精機株式会社
表示装置
12日前
日本精機株式会社
表示装置
3か月前
日本精機株式会社
表示装置
4か月前
日本精機株式会社
表示装置
4か月前
株式会社タイヨー産業
補助枕
8日前
東レ株式会社
フロントグリル
1か月前
個人
断熱構造体とその製造方法
3か月前
個人
ワイパーアームリフト装置
4か月前
日本精機株式会社
表示システム
今日
続きを見る