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公開番号2024077199
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189124
出願日2022-11-28
発明の名称カスタムクッション式シートバック
出願人個人
代理人
主分類B60N 2/02 20060101AFI20240531BHJP(車両一般)
要約【課題】後部からの追突による頸部への衝撃や長距離移動時の首の疲れ・腰痛を軽減出来るとともに、頸椎や腰椎に何らかの症状を抱えている人の患部を着座時に背中側からのサポートを提供出来る機能を持ったシートバックを提供する。
【解決手段】着座者のへドレスト部と、ネックピロティ部と、背もたれ部それぞれの形状や位置を調整可能にすることで、着座者の頭部13と、頸椎14と、胸椎15と、腰椎16と仙椎17を側面視したときのS字湾曲の形状を着座者の背中側から保持する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
背もたれサイド部(4)と、背もたれ骨格部(5)と、ヘッドレストクッション部(6)及びヘッドレスト台座部(7)から構成されるヘッドレスト部(1)と、ネックピロティクッション部(8)及びネックピロティ台座部(9)から構成されるネックピロティ部(2)と、背もたれクッション部(10)及び背もたれ台座部(11)から構成される背もたれ部(3)と、スライド機構(12)を有す、背もたれ骨格部(5)、または背もたれサイド部(4)に配設されたスライド機構(12)を使って、ヘッドレスト部(1)と、ネックピロティ部(2)と、背もたれ部(3)を、シートバックの高さ方向に対し上下に移動させる形態のシートバックであって、ヘッドレストクッション部(6)下部と、ネックピロティクッション部(8)上部が、接するようにスライドし、重なり合う、とともにネックピロティクッション部(8)下部と、背もたれクッション部(10)上部が、接するようにスライドし、重なり合う形態によって、装着したヘッドレストクッション部(6)と、ネックピロティクッション部(8)と、背もたれクッション部(10)を垂直方向に側面視したときの着座者背面と接する面の断面形状が、人の頭部から脊椎を側面視したときの滑らかなS字湾曲に契合する形状を形成する構造を特徴とする、カスタムクッション式シートバック。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
スライド機構(12)に装着された、ヘッドレスト台座部(7)と、ネックピロティ台座部(9)と、背もたれ台座部(11)に、着脱交換可能なヘッドレストクッション部(6)と、ネックピロティクッション部(8)と、背もたれクッション部(10)を装着する形態と、ヘッドレストクッション部(6)と、ネックピロティクッション部(8)と、背もたれクッション部(10)を装着した、ヘッドレスト台座部(7)と、ネックピロティ台座部(9)と、背もたれ台座部(11)を、スライド機構(12)に装着する形態を特徴とする、請求項1記載のカスタムクッション式シートバック。
【請求項3】
第1種の形態として、ヘッドレスト部(1)とネックピロティ部(2)と、背もたれ部(3)が、独立してシートバック骨格部(5)に配設される構造を特徴とする、請求項1又は2記載のカスタムクッション式シートバック。
【請求項4】
第2種の形態として、背もたれ部(3)が背もたれサイド部(4)が一体構造になったものと、ヘッドレスト部(1)とネックピロティ部(2)が、独立してシートバック骨格部(5)に配設される構造を特徴とする、請求項1又は2記載のカスタムクッション式シートバック。
【請求項5】
第3種の形態として、ヘッドレスト部(1)と、背もたれサイド部(4)が一体構造になったものと、ネックピロティ部(2)と、背もたれ部(3)が、独立してシートバック骨格部(5)に配設される構造を特徴とする、請求項1又は2記載のカスタムクッション式シートバック。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックに関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
慣用の車両用シートバックは、上体の傾きを調整するリクライニング機構、前後の可動域を持つランバーサポート機構、上下と前後の可動域を持つヘッドレスト、幅の調整が可能なシートバックのサイド、といった機能と構造を備えていた。しかし、着座者個々の座高や頭部と頸椎と胸椎と腰椎と仙椎を側面視したときのS字湾曲に合わせて、頭部と、頸椎と、腰椎の3カ所を支持出来るよう、頭部と、頸椎と、腰椎を支える部分を上下に位置調整出来る、とともに着座者個々の座高や頭部と頸椎と胸椎と腰椎と仙椎を側面視したときのS字湾曲に合わせ、カスタマイズしたクッション部を簡単に交換出来るものは、現時点において確認できていない。そのため、頭部の保護機能重視の頸椎保持機能が低い慣用シートでは、頸椎とのシートの間に大きな隙間が出来てしまうことにより、着座時に後方から追突された場合の入力に対して、頸椎へのダメージが大きく、頸椎捻挫の一因となることもあり、長距離移動時には首の疲れを誘発していた。また、着座者個々の腰椎を、着座者にとって適切な状態で支え保持することが出来ないため、長距離移動時の腰痛の原因となることも多々あった。以上のような機能的欠陥を補うために、車両用シートバックに後付けする汎用のネックピロティとランバーサポートが販売されているが、上記に示した課題の根本的な解決には至っていない。
【0003】
特許文献1は、ヘッドレスト部と一体化したネックピロティ部のみが、シェル状の単体としてフレーム上で上下の可動域を持ち、台座部を有していないネックピロティ部とランバーサポート部の形状調整は、円弧が2つ並びふくらみを増減させるのみで、着座者の背中側の脊椎を側面視したときのS字湾曲に契合させるように調整する形態になっていないため、構造的にシートバッククッション部と着座者の脊椎背部との間に隙間を生じるところが出来てしまい、着座者の脊椎のS字弯曲形状を保つことは困難である、とともに着座者の座高や頭部の形状や大きさの違いに対応できないと考えられる。
【0004】
次に、特許文献2は、台座部を有しない定形のネックピロティ部とランバーサポート部を当てものと考えており、それぞれが2組のスライド機構を用いて上下方向に可動域を持たせる構造のみで、ネックピロティ部と腰椎のサポート部そのものを交換することや、形状調整することを想定していないため、個々の着座者に対し、個々の着座者を側面視したときの脊椎のS字弯曲に契合した形態をとることは不可能で、シートバックのクッション部と着座者の脊椎背部との間に隙間が生じてしまう形態のため、シートバックが着座者の脊椎を部分的にしか支えられず、脊椎間の椎間板への負荷を誘発する構造である。その上、ヘッドレスト部の位置調整と形状調整が出来ないため、着座者の座高の違いによる頭部の支えも不十分である。
【0005】
また、特許文献3のエルゴノミクスチェアは、ヘッドレスト部とネックピロティ部による着座者背部の支持を大きな特徴としているが、当該部分に上下の可動域を持たせたり、着座者の脊椎のS字弯曲を支持するという視点がなく、ヘッドレスト部のネック部分を支点に前後に倒れたり起きたりすることによるリラックス効果を主目的としているため、着座者の座高の違いや脊椎の弯曲に対応させるといった構造を有していない。
【0006】
更に、特許文献4は、シートバックのクッション部表面上に配設された頭部と、腰部と、臀部を支えるための台座部を有していない定形の当てものを、位置調整可能な一対のスライド機構を使って上下に移動させ構造であるが、その断面形状は、着座者の頭部から脊椎にかけて側面視したときのS字湾曲に契合させる形態を想定していないため、やはり、シート表面と当てものが着座者背面との間に隙間が生じさせてしまう形態になっている。
【0007】
そして、特許文献5では、シートバックのクッション部表面にスライド機構を有しない幾つかの定形の当てものを配設する簡易的な構造をとり、シートバックと着座者の頭部と頸椎と頸椎から腰椎、着座者の間にできる隙間を部分的に埋めようとするもので、着座者の頭部と脊椎の側面視したときのS字湾曲に契合させる形態を想定していないため、構造的に着座者背面との隙間を完全に埋めることが出来ず、脊椎のS字弯曲を保持するように脊椎各部を支えることは不可能に近い。尚、本文献も各クッション部に台座部を有していない。
【0008】
以上の特許文献1から5は、定形の当てもの的なクッション部が、前後に移動や収縮や上下に移動したりするといったもので、着座者を側面視したときの背面を部分的に支える構造を大前提にしているため、個々の着座者を側面視したときの背面形状を構成する脊椎のS字湾曲を支持することが構造的に不可能な、シート表面と着座者の背面との間に隙間が生じてしまう形態である。これらに対し、本願発明の特徴は、個々の着座者を側面視したときの背面形状に契合するように、垂直方向の表面断面形状を幾つかに相似的にパターン化してある各クッション部の中から選び、組み合わせ、隙間と段差ないようにセットすることにより、シート表面と着座者の背面との間に隙間をなくし、着座者を側面視したときの背面形状を構成する脊椎のS字湾曲を支持できる形態を備えるもので、各クッション部が簡単に着脱可能な上に、各クッション部が台座部を有するというもので、特許文献1から5のどれにも相当していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭62-270110号公報
仏国特許出願公開第2345111号明細書
米国特許出願公開第2009/0273221号明細書
米国特許出願公開第4862536号明細書
米国特許出願公開第5533787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
様々な機能・構造が考えられた上で、開発・製品化されてきた慣用の車両用シートであるが、頸椎と腰椎を支えるシートバック部には形態的改良の余地を残している。
(【0011】以降は省略されています)

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