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公開番号2024057874
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164846
出願日2022-10-13
発明の名称ロータリ型多方弁
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類F16K 11/085 20060101AFI20240418BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】バルブ内での複数の流路間における流体の漏れを抑え、且つ、ロータの駆動トルクを小さくすることの可能なロータリ型多方弁を提供する。
【解決手段】ハウジング10は、円筒状のハウジング穴14を有する。複数のポート20は、ハウジング10においてハウジング穴14の軸心方向、周方向または径方向に配置される。少なくとも1つ以上の分割ロータ30は、ハウジング穴14の内側でハウジング穴14の軸心方向に配置される。連通路としての溝部40および切欠部50は、分割ロータ30に設けられ、所定のポート20と他のポート20との連通状態と遮断状態とを切り替える。シャフト60は、分割ロータ30をハウジング穴14の軸心CLまわりに回転させる。ここで、分割ロータ30とハウジング穴14の内壁との間に微小な隙間S2が形成されており、分割ロータ30はそれぞれ径方向に微小な移動が許容されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の流体流路の連通状態および遮断状態を切り替えることの可能なロータリ型多方弁であって、
円筒状のハウジング穴(14)を有するハウジング(10)と、
前記ハウジングにおいて前記ハウジング穴の軸心方向、周方向または径方向に配置され、前記ハウジングの外壁と内壁とを貫通する複数のポート(20)と、
前記ハウジング穴の内側で前記ハウジング穴の軸心方向に配置される少なくとも1つ以上の分割ロータ(30)であって、前記ハウジングに対して相対回転可能な前記分割ロータと、
前記分割ロータに設けられ、所定の前記ポートと他の前記ポートとの連通状態と遮断状態とを切り替える連通路(40、50)と、
前記分割ロータを前記ハウジング穴の軸心まわりに回転させるシャフト(60)と、を備え、
前記分割ロータと前記ハウジング穴の内壁との間に微小な隙間(S2)が形成されており、前記分割ロータはそれぞれ径方向に微小な移動が許容されているロータリ型多方弁。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記分割ロータと前記シャフトとの相対回転を規制し、前記シャフトの回転を前記分割ロータに伝達する規制部(70)をさらに備え、
前記分割ロータは、前記シャフトが挿通する挿通孔(35、36)を有し、
前記シャフトの外径(D1)と前記挿通孔の内径(D2)との差は、前記分割ロータの径方向の外縁を周方向に結んだ仮想円の外径(D3)と前記ハウジング穴の内径(D4)との差と同じか又は大きい、請求項1に記載のロータリ型多方弁。
【請求項3】
複数の前記分割ロータは、
前記ハウジング穴の軸心方向に配置される複数のブロック(31)と、
複数の前記ブロック同士の間に配置される複数のプレート(32)と、を有し、
前記連通路は、
複数の前記ブロックのうち少なくとも1つに設けられ、所定の前記ポートと他の前記ポートとの連通状態と遮断状態を切り替える溝部(40)と、
複数の前記プレートのうち少なくとも1つに設けられ、前記ハウジング穴の軸心方向に前記プレートを挟んで配置される所定の前記ブロックの前記溝部と他の前記ブロックの前記溝部とを連通する切欠部(50)とを有する、請求項1または2に記載のロータリ型多方弁。
【請求項4】
複数の前記分割ロータは、前記溝部の位置が異なる複数の前記ブロック、および、前記切欠部の位置が異なる複数の前記プレートの少なくとも一方の配置、形状を替えることで、複数の前記ポートの連通パターンを変更可能に構成されている、請求項3に記載のロータリ型多方弁。
【請求項5】
複数の前記プレートは、
複数の前記プレートのうち前記ハウジング穴の軸心方向の一方側または他方側に配置され、前記ハウジングに対して相対回転が規制されている固定プレート(321、322)と、
複数の前記プレートのうち前記ハウジング穴の軸心方向の一方側または他方側の間に配置され、前記ハウジングに対して相対回転可能な回転プレート(323)と、を有し、
前記固定プレートに対して荷重を印加し、前記固定プレートと前記回転プレートと複数の前記ブロックを前記ハウジング穴の軸心方向の一方側から他方側に押圧する押圧部材(80)をさらに備える、請求項3に記載のロータリ型多方弁。
【請求項6】
前記ハウジングは、
前記ハウジング穴を有するシリンダ(16)と、
前記シリンダを格納する格納穴(17)を有し、前記ハウジングの外殻を形成する外部ハウジング(15)と、を有する、請求項1または2に記載のロータリ型多方弁。
【請求項7】
前記シリンダと前記分割ロータとは同一の材質で形成されている、請求項6に記載のロータリ型多方弁。
【請求項8】
前記ハウジング穴の軸心に垂直な断面視において軸心を中心として180°以内の所定の範囲に複数の前記ポートが設けられている、請求項1または2に記載のロータリ型多方弁。
【請求項9】
前記ハウジングに対して前記シャフトを複数の前記ポートが設けられている側へ押し付ける押付部材(90、91)をさらに備える、請求項8に記載のロータリ型多方弁。
【請求項10】
電気自動車に用いられる熱分配システムにおいて、
請求項1に記載の前記ロータリ型多方弁と、
前記ロータリ型多方弁の備える複数の前記ポートに接続される前記流体流路(106)と、
前記流体流路の途中に接続される電池(105)、電気駆動機器(102、103)または空調機器(104)と、を備え、
前記ロータリ型多方弁が備える前記分割ロータと前記シャフトを軸心まわりに回転させ、所定の位置に設定することで、適宜必要な機器に必要なタイミングで温水および冷水を循環させることの可能な熱分配システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ型多方弁、および、それを用いた熱分配システムに関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車では、電池、駆動系、電気系、空調など様々な吸廃熱を必要とする機器があり、状況に応じて冷水および温水(以下「冷温水」という)を様々なパターンで流通させ、熱マネージメントを行うことで電費の向上を図っている。この冷温水の流通パターンを切り替えるためのバルブとして、多数のポートを有し多数の流通パターンを実現可能な多方弁を用いればシステムを簡素化することが可能となる。そのような多方弁の成立性では、ロータリ型のバルブが有利である。ロータリ型のバルブは、円筒状の穴を有するハウジングの内側にロータを配置し、そのロータを軸心まわりに回転させることで、流通パターンを切り替える構成である。このロータリ型のバルブは、ハウジングの円筒穴の軸方向および径方向に流路を増やすことや、流路の繋がり方をロータ内で任意に設定することが出来るので、多方弁における多数のポートおよび多数の流路パターンの成立性に有利である。それに対し、ディスク型またはボール弁型のバルブでは、スペース効率が悪くなるので多方弁の成立性に不利である。
【0003】
特許文献1には、ロータリ型のバルブの一例が開示されている。特許文献1では、ハウジングがアウターハウジングと固定部材(fixing element)で構成されており、ロータはバルブコアと呼ばれている。特許文献1のバルブは、ロータの外周に設けられたシール部材(sealing element)が、ハウジングを構成する固定部材の内周面に接触し、バルブ内で複数の流路間における流体の漏れを防ぐ構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
欧州特許出願公開第3550189号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、特許文献1に記載のバルブの構成に関し、次の様な課題を見出した。それは、特許文献1のバルブの構成においてハウジングの円筒穴の軸心方向に流路の段数を増やして多方弁とした場合、それに伴ってシール部材の長さも非常に長くなる。そのようなシール部材とハウジングの内周面とに面圧が加わり、両者の摺動摩擦が極めて大きくなることで、ロータを回転させる駆動力が非常に大きくなる。そのため、ロータを回転させるアクチュエータが大型化し、その駆動に必要な電力も増大してしまう。
一方、仮に、特許文献1のバルブの構成において、ロータの外周のシール部材を廃止すれば、バルブ内で複数の流路間における流体の漏れが増加してしまう。特に、多方弁とした場合、ハウジングとロータの円筒度の公差が大きくなるので、その隙間から、バルブ内で複数の流路間における流体の漏れがより増加してしまう。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、バルブ内での複数の流路間における流体の漏れを抑え、且つ、ロータの駆動トルクを小さくすることの可能なロータリ型多方弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明によると、複数の流体流路の連通状態および遮断状態を切り替えることの可能なロータリ型多方弁は、ハウジング(10)、複数のポート(20)、分割ロータ(30)、連通路(40、50)およびシャフト(60)を備える。ハウジングは、円筒状のハウジング穴(14)を有する。複数のポートは、ハウジングにおいてハウジング穴の軸心方向、周方向または径方向に配置され、ハウジングの外壁と内壁とを貫通する。ハウジング穴の内側でハウジング穴の軸心方向に配置される少なくとも1つ以上の分割ロータは、ハウジングに対して相対回転可能である。連通路は、分割ロータに設けられ、所定のポートと他のポートとの連通状態と遮断状態とを切り替える。シャフトは、分割ロータをハウジング穴の軸心まわりに回転させる。ここで、分割ロータとハウジング穴の内壁との間に微小な隙間(S2)が形成されており、分割ロータは径方向に微小な移動が許容されている。
【0008】
これによれば、発明者は、鋭意研究の末、ロータリ型多方弁にクリアランスシール構造を採用した。クリアランスシール構造とは、ハウジングとロータとの隙間を小さくして、バルブ内での複数の流路間における流体の漏れを抑制する構造である。しかし、ロータリ型多方弁はハウジングとロータが軸心方向に長いことから、クリアランスシール構造を採用した場合、ロータおよびハウジングの円筒度の公差が厳しくなる(即ち、円筒度の公差が大きくなる)といった新たな課題が生じる。そこで、発明者は、クリアランスシール構造を採用するに当たり、分割ロータの径方向の微小な移動を許容する構成としたことで、その課題を解決した。すなわち、少なくとも1つ以上の分割ロータはハウジング穴の内壁に倣って自己調心する。そのため、このロータリ型多方弁は、分割ロータおよびハウジングの円筒度の公差を緩和できると共に、バルブ内での複数の流路間における流体の漏れを小さく抑えることができる。また、クリアランスシール構造により、分割ロータとハウジング穴の内壁との間に微小な隙間が形成されるので、ハウジング穴の内壁と分割ロータとの摺動摩擦が低減する。したがって、ロータリ型多方弁は、分割ロータとシャフトを軸心まわりに回転するための駆動トルクを小さくすることができる。
【0009】
請求項10に係る発明によると、電気自動車に用いられる熱分配システムは、請求項1に記載のロータリ型多方弁と、そのロータリ型多方弁の備える複数のポートに接続される流体流路(106)と、その流体流路の途中に接続される電池(105)、電気駆動機器(102、103)または空調機器(104)とを備える。そして、ロータリ型多方弁が備える分割ロータとシャフトを軸心まわりに回転させ、所定の位置に設定することで、適宜必要な機器に必要なタイミングで温水および冷水を循環させることが可能である。
【0010】
これによれば、熱分配システムは、請求項1に記載のロータリ型多方弁を備えることで、ロータリ型多方弁のシャフトを駆動するアクチュエータの体格を小型化すると共に、その駆動に消費される電力を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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