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公開番号2024056776
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2024015623,2019569128
出願日2024-02-05,2019-01-29
発明の名称辺円対応変倍構造を有する生乳中の体細胞検査キット
出願人株式会社キコーコーポレーション
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/34 20060101AFI20240416BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】辺円対応変倍構造を有する生乳中の体細胞検査キットの提供。
【解決手段】本発明は、簡便かつ、測定感度および測定精度が十分な、試料中(特に液体試料中、例えば、生乳)の検査対象物質を検出および/または定量するための積層フィルタ、試料用検査具およびキットを提供する。本発明は、試料中(特に液体試料中、例えば、生乳)の検査対象物質を検出および/または定量するための積層フィルタであって、該積層フィルタは、複数のフィルタを含み、該複数のフィルタの少なくとも2つは検査対象物質と反応する反応用試薬を含む、積層フィルタに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中(特に液体試料中)の検査対象物質を検出および/または定量するための積層フィルタ、試料用検査具およびキットに関する。特に、本発明は、生乳中(例えば、ウシ生乳中)の体細胞(例えば、白血球)を検査するための積層フィルタ、試料用検査具およびキットに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
日本国内の酪農戸数は18,600戸、乳用経産牛は89.28万頭が飼育されている。酪農家の総戸数は減少しつつあるが、一戸当たりの頭数は増加している。酪農家にとっては高品質な生乳を生産し、経営の安定を図るべく日夜努力されているが、一方で乳房炎という、生乳の品質を低下させる「病気」との戦いも余儀なくされている。乳牛が乳房炎に罹患すると、典型的には、以下の問題を生じる、(1)生乳中に体細胞(特に白血球)が増加し、乳成分に変化が起こり生乳の品質を低下させる、(2)乳房炎は生乳の生産量、つまりウシのミルクの出が悪くなることになり、乳量の損失を伴う、(3)体細胞が多く含まれた生乳は乳製品の生産性と品質の低下を招くため、JAや乳業メーカーの買取り価格が引き下げられて農家の損失となる。生乳1ミリリットル中の体細胞数が20万を超えると乳価は1kgあたり5円から最大40円引き下げられる。現在の乳価は1kgあたり78~80円である。
【0003】
酪農家の収入の90%は生乳の販売であり、乳牛一頭から得られる所得は平均16万7千円程度である。もし乳房炎に罹患すると一頭当たりの損失は87,000円といわれ、収入の半分が損失することになる。現在北海道だけでも乳房炎による経済的損失は300億円、米国では年間20億ドルといわれている。したがって、乳房炎を早期に発見して治療することは、酪農家にとっての喫緊の課題であり、乳房炎の解決が、経営の安定に繋がるといっても過言ではない。
【0004】
ところが、生乳中の体細胞数を精度良く測定するにはフローサイトメーターという高額な装置(800~2000万円)が必要であり、酪農家が保有するのは難しい。また酪農家が現場で使用することができるような検査キットは感度と精度が低く、乳房炎の罹患を判断するのが難しい。
【0005】
生乳中の体細胞は85%~90%が白血球であり、乳房炎に罹患すると生乳中にこの体細胞が増え生乳の質が落ちる。生乳や各種の体細胞を簡便に測定するは白血球細胞内にエステラーゼという加水分解酵素があり、このエステラーゼの酵素活性を測定することで、生乳中の体細胞を推定するという検査キットが考案されている(特許文献1:特表2005-526513)。特許文献1の特徴は3層構造をからなるろ過材とフィルムを使用し、最上部に穴の開いたフィルムを配し、次のフィルタに白血球エステラーゼと反応する基質を塗布し、固定化し生乳中の体細胞を補足し、基質と反応する場となるよう設計されている。さらに反応に不要な生乳や、生乳に含まれるエステラーゼ反応を阻害する成分などを吸収するためのろ紙が配置されている。実際の体細胞の測定においては、生乳をピペットで取り、その一定量を最上部の穴に滴下し第2層目のフィルタによって体細胞をろ過、補足し、不要な生乳を第3層目のろ紙に吸わせる。さらにアクチベーターと呼ばれるバッファーを最上部の穴から滴下し、白血球の持つエステーゼの至適反応条件に変換し、酵素反応が始まるのを待つ。やがて白血球エステラーゼによってフィルタに塗布されていた酵素基質が分解され、分解生成物によってフィルタの色が変化し、この色変化を肉眼または特定の機器によって判定し、生乳中に含まれる体細胞の数を推定する。その体細胞数によって乳房炎の診断の補助とする。
【0006】
しかしながら、特許文献1は比較的簡便であるものの、測定感度および測定精度は十分とは言えない。このような背景から、生乳中の体細胞数を現場で、簡単に感度・精度良く測定する検査用の積層フィルタ、試料用検査具およびキットの開発が望まれていた。
【0007】
また、インフルエンザの診断などに汎用されているイムノクロマトという検査用チップも支持体上に貼付されたニトロセルロースなどのいわゆるメンブランフィルターに、インフルエンザウイルスと反応する抗体を塗布しそこにインフルエンザウイルスを含む体液を流すことによって、ウイルスを検出して診断するように調製された診断用チップであるが、反応の場となるシートは一枚でしかも一箇所である。これらのチップで対象となる成分の検出感度を上げて、含まれる成分をより低濃度まで検出しようとする場合は、検査材料から対応する成分を濃縮する必要があり、診断用チップの検出感度のみを上昇させるには限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2005-526513
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、簡便かつ、測定感度および測定精度が十分な、試料中(特に液体試料中)の検査対象物質を検出および/または定量するための積層フィルタ、試料用検査具およびキットを提供することを解決課題とする。例えば、本発明は、生乳中の体細胞を検査するための積層フィルタ、試料用検査具およびキットを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下によって解決された:
(項目1)
検査対象物質を検出および/または定量するための積層フィルタであって、該積層フィルタは、複数のフィルタを含み、該複数のフィルタの少なくとも2つは検査対象物質と反応する反応用試薬を含む、積層フィルタ。
(項目2)
前記複数のフィルタは形状の異なるフィルタを含む、項目1に記載の積層フィルタ。
(項目3)
前記複数のフィルタが少なくとも4枚のフィルタである、項目1または2に記載の積層フィルタ。
(項目4)
前記複数のフィルタは第1のフィルタおよび第2のフィルタを含み、該第1のフィルタはn角形であり、該第2のフィルタはm角形または円形であり、ここで、nは3から6の整数であり、mはnよりも大きい、項目1~3のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目5)
前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとが隣接する、項目4に記載の積層フィルタ。(項目6)
前記第1のフィルタと前記第2のフィルタの面積が異なる、項目4または5に記載の積層フィルタ。
(項目7)
前記積層フィルタが複数の前記第1のフィルタと複数の前記第2のフィルタを含み、前記第1のフィルタの少なくとも1つが前記第2のフィルタの少なくとも1つと隣接する、項目4~6のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目8)
前記第1のフィルタと前記第2のフィルタが交互に積層される、項目5または7に記載の積層フィルタ。
(項目9)
前記複数の前記第1のフィルタの少なくとも2つが、頂点の位置が異なるように回転されて積層される、項目7または8に記載の積層フィルタ。
(項目10)
前記複数の前記第2のフィルタがm角形であり、該第2のフィルタの少なくとも2つが、頂点の位置が異なるように回転されて積層される、項目7~9のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目11)
前記第1のフィルタは四角形であって、前記第2のフィルタは円形である、項目4~9のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目12)
前記フィルタが、ろ紙、不織布、およびガラス繊維からなる群から選択されるフィルタである、項目1~11のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目13)
前記検査対象物質と前記反応用試薬の反応が呈色反応である、項目1~12のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目14)
前記検査対象物質が酵素であり、前記反応用試薬が該酵素の基質を含む、項目1~13のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目15)
前記検査対象物質がエステラーゼであり、前記反応用試薬がエステラーゼの基質を含む、項目1~14のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目16)
前記反応用試薬が3-[N-(p-トルエンスルホニル)-L-アラニルオキシ]インドールを含む、項目15に記載の積層フィルタ。
(項目17)
前記複数のフィルタの少なくとも1つは反応促進剤を含む、項目1~16のいずれか一項に記載の積層フィルタ。
(項目18)
項目1~17のいずれか一項に記載の積層フィルタおよび該積層フィルタ用のハウジングを含む、試料用検査具。
(項目19)
生乳中の白血球を測定するための、項目18に記載の試料用検査具。
(項目20)
前記ハウジングがシリンジを含む、項目18または19に記載の試料用検査具。
(項目21)
項目18~20のいずれか一項に記載の試料用検査具を含む、キット。
(【0011】以降は省略されています)

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