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公開番号2024056385
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163214
出願日2022-10-11
発明の名称絶縁転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 33/58 20060101AFI20240416BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本体輪の金属表面に絶縁層が付着した軌道輪を備える絶縁転がり軸受において、その軌道輪の低コスト性と絶縁性を両立させる。
【解決手段】本体輪11が、軌道面13と、本体輪幅を規定する両端の側面14と、軌道面13と径方向に対向しかつ両端の側面14間に連続する周面19と、側面14の軌道面13に近い側に連続する面取り15と、軌道面13と面取り15との間で径方向に開放した周溝16と、周溝16の面取り15に近い側と面取り15とを繋ぐ第一の溝肩17と、周溝16の軌道面13に近い側と軌道面13とを繋ぐ第二の溝肩18とを有し、第二の溝肩18を第一の溝肩17に比して径方向に軌道面13の方へ高く設けたものである。本体輪11の周面19、両端の側面14、及び面取り15を絶縁層12が覆っている。周溝16の全周に絶縁部材40が圧入されている。絶縁部材40が本体輪11の少なくとも第一の溝肩17を覆う絶縁体42を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪間に介在する複数の転動体とを備え、
前記外輪と前記内輪のうちの一方の軌道輪が、金属によって形成された本体輪と、前記本体輪の金属表面に付着した絶縁層とを有し、
前記本体輪が、軌道面と、前記本体輪の幅を規定する両端の側面と、前記軌道面と径方向に対向しかつ前記両端の側面間に連続する周面と、前記側面の前記軌道面に近い側に連続する面取りとを有し、
前記絶縁層が、前記本体輪の前記周面、前記両端の側面、及び前記面取りを覆っている絶縁転がり軸受において、
前記本体輪が、前記軌道面と前記面取りとの間で径方向に開放した周溝と、当該周溝の当該面取りに近い側と当該面取りとを繋ぐ第一の溝肩と、当該周溝の当該軌道面に近い側と当該軌道面とを繋ぐ第二の溝肩とを有し、
前記第二の溝肩が、前記第一の溝肩に比して径方向に前記軌道面の方へ高く設けられており、
前記周溝の全周に絶縁部材が圧入されており、
前記絶縁部材が、前記本体輪の少なくとも前記第一の溝肩を覆う絶縁体を有することを特徴とする絶縁転がり軸受。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記絶縁体が、前記第一の溝肩と径方向に重なるように突き出た環状突起部を有し、前記環状突起部と前記第一の溝肩間に径方向の締め代が設けられている請求項1に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項3】
前記絶縁部材を前記一方の軌道輪から取り外した状態のとき、前記環状突起部が、当該環状突起部の先端側に向かって前記径方向の締め代を大きくする方へ傾斜した形状を有する請求項2に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項4】
前記絶縁部材が、前記絶縁体によって前記本体輪と隔離された芯金を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項5】
前記絶縁部材の全部が、前記絶縁体からなる請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項6】
前記絶縁体が、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム又はポリアミド樹脂によって形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項7】
前記絶縁部材が、前記絶縁体によって形成されたシールリップ部を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の絶縁転がり軸受。
【請求項8】
前記シールリップ部が、前記外輪と前記内輪のうちの前記一方の軌道輪とは逆の他方の軌道輪と当該シールリップ部との間を流体潤滑状態にすることが可能な態様で形成された複数の突起を有する請求項7に記載の絶縁転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、外輪と内輪の一方又は両方が絶縁層を有する絶縁転がり軸受に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)等に搭載される電動モータの主軸を支持するために深溝玉軸受等の転がり軸受が利用されている。電気自動車等の車載モータは、高効率化のためにインバータ制御の周波数を高くする必要がある。その周波数が高くなると、車載モータの主軸を支持する転がり軸受の内部に電流が流れやすくなり、軸受に電食が発生することがある。
【0003】
従来、軌道輪と、これに接触する嵌合相手であるハウジング、軸等の外部部材との間の絶縁を図って転がり軸受の電食を防止するため、軌道輪の表面のうち、外部部材との接触面及びこの近傍を絶縁層で構成した絶縁転がり軸受がある。
【0004】
特許文献1においては、金属によって形成された本体輪と、本体輪の金属表面に付着した絶縁層とを有する外輪を備え、その本体輪が、軌道面と、本体輪の幅を規定する両端の側面と、軌道面と径方向に対向しかつ両端の側面間に連続する周面と、側面の前記軌道面に近い側に連続する面取りとを有し、その絶縁層が、本体輪の両端の側面、周面及び面取りを覆っている絶縁転がり軸受が記載されている。
【0005】
また、特許文献1には、本体輪の側面の軌道面側に連続する面取りからさらに軌道面側へ軸方向に開放した環状凹溝を形成し、その環状凹溝をも絶縁層で覆うことにより、面取りまで覆う上述の軌道輪に比して軌道輪の端面における沿面距離を拡大した絶縁転がり軸受も記載されている。その環状凹溝の横断面形状は二つの単一円孤を繋いだ複合円孤状であり、その一つの円孤において側面に滑らかに連続している。その絶縁層は、スプレー等を用いて金属表面にセラミックス等の絶縁材を溶射することにより、本体輪の金属表面に付着させられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6762357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の環状凹溝のような特殊な溝を本体輪に成形するのは、製造コストがかかることになる。また、本体輪の面取りから軸方向に凹んだ金属表面に絶縁材を溶射するのは、絶縁材が軸受内部にまで侵入し機能的な影響を及ぼすことなく均一に塗布することができるよう、塗布工程において特殊なマスキング治具やスプレー方向にする必要があるため、コストと絶縁層の品質を両立させることが難しい。
【0008】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、本体輪の金属表面に絶縁層が付着した軌道輪を備える絶縁転がり軸受において、その軌道輪の低コスト性と絶縁性を両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪間に介在する複数の転動体とを備え、前記外輪と前記内輪のうちの一方の軌道輪が、金属によって形成された本体輪と、前記本体輪の金属表面に付着した絶縁層とを有し、前記本体輪が、軌道面と、前記本体輪の幅を規定する両端の側面と、前記軌道面と径方向に対向しかつ前記両端の側面間に連続する周面と、前記側面の前記軌道面に近い側に連続する面取りとを有し、前記絶縁層が、前記本体輪の前記周面、前記両端の側面、及び前記面取りを覆っている絶縁転がり軸受において、前記本体輪が、前記軌道面と前記面取りとの間で径方向に開放した周溝と、当該周溝の当該面取りに近い側と当該面取りとを繋ぐ第一の溝肩と、当該周溝の当該軌道面に近い側と当該軌道面とを繋ぐ第二の溝肩とを有し、前記第二の溝肩が、前記第一の溝肩に比して径方向に前記軌道面の方へ高く設けられており、前記周溝の全周に絶縁部材が圧入されており、前記絶縁部材が、前記本体輪の少なくとも前記第一の溝肩を覆う絶縁体を有することを特徴とする絶縁転がり軸受、という構成1を採用した。
【0010】
上記構成1によると、軌道面と面取りとの間で径方向に開放した周溝と、当該周溝の当該面取りに近い側と当該面取りとを繋ぐ第一の溝肩と、当該周溝の当該軌道面に近い側と当該軌道面とを繋ぐ第二の溝肩とを有し、第二の溝肩が、第一の溝肩に比して径方向に軌道面の方へ高く設けられている形状は、標準的なキャップ軸受で採用される軌道輪の形状に対応する。このため、標準的なキャップ軸受で採用される軌道輪と同一構成の本体輪を採用することが可能になり、本体輪に特殊な周溝を成形するコストが不要でありながら、その周溝を絶縁部材の圧入に使用することも可能である。その絶縁部材の絶縁体によって本体輪の少なくとも第一の溝肩を覆えば、本体輪の面取りから軸方向に凹んだ第一の溝肩等を絶縁層で覆わずとも、沿面距離を確保して高い絶縁性を得ることが可能である。したがって、絶縁層を第一の溝肩等に付着させる工程で特殊なマスキング治具や工法を採用するコストも不要にすることが可能である。このように、上記構成1によれば、本体輪の金属表面に絶縁層が付着した軌道輪の低コスト性と絶縁性を両立させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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